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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784163377407
感想・レビュー・書評
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160pに「ハリウッド王家の谷の人命禄」というのが乗せられている。全部書き写すと大変なことになるので、一部だけ。61年から82年にかけて癌でなくなったハリウッドスターと監督を並べているのである。
61年 ゲイリー・クーパー(前立腺癌)
62年 マイケル・カーティス監督(癌)
トーマス・ミッチェル(癌)
69年 ロバート・テイラー(肺癌)
73年 ジョン・フォード監督(癌)
エドワード・G・ロビンソン(癌)
75年 スーザン・ヘイワード(脳腫瘍)
79年 ジョン・ウェイン(腸癌)
80年 スティーヴ・マックィーン(肺癌)
82年 ヘンリー・フォンダ(癌)
その数、なんと59人。これらはみんな、西部劇になじみが深い人ばかりだった。しかもおそらくこれは氷山の一角である。脇役や映画スタッフはここには載っていない。スターたちは基本、癌の死亡を隠したがる。衰えて死んでいったイメージを持って欲しくないからだ。だからヘンリー・フォンダが癌で死んだことはあまり知られていない。マックィーンは例外だ。癌との闘病がニュースになっていたから。そして、ジョン・ウェインも例外の中に入る。
ジョン・ウェインはなぜ死んだか。
西部劇の主なロケ地はネバダ、ユタ、アリゾナの三州だった。そしてネバダ核実験の主な被災地はネバダ、ユタ、アリゾナ州なのである。1951-58年にかけて、ネバダでは、大気中の98発の核実験が行われた。そんなとき、「征服者」という映画の一団がハリウッドから車を連ね、ユタ砂漠で二ヶ月の撮影を行ったのである。その時の主役がジョン・ウェインだった。
当然近くの住民にも影響がある。しかし、そのことに気がついたのは、ずっと後だった。セント・ジョージの住人1200人近くが訴訟に立ち上がり、24人に絞って訴えたという。この本ではその結果は出ていない。
広瀬隆の本を初めて読む。あまり科学的ではないが、無視できない内容。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦慄を覚えながら読んだ記憶があります。今まさに福島第一原発事故後の日本では架空の絵空事ではなくなってしまいました。
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