よくひとりぼっちだった

  • 文藝春秋 (1984年1月1日発売)
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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784163386706

感想・レビュー・書評

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  • 84年出版。ほぼ同い年のモーリーさんが描く当時の日米社会の違いに興味深々。両親の日米の血が彼の中で融合されている部分と、相容れず対立したまま、それぞれの社会や価値観の中で、自分の立ち位置に迷い、悩む様は表題の「よくひとりぼっちだった」に表れる。国はもちろん、民族やそれぞれの地域での階層の違いをも表現できる若き日の筆力は素晴らしい。日本では美徳とされる価値観も、ところ変われば意味をなさない。テレビやアニメで流れる善悪の軸も言わずもがな。立石に水のような言葉遣いは、今の彼と同じでした。

  • 最近テレビによく出て鋭いコメント出してたりするから読んでみた。クレイジーだった。さすが。

  • 高校時代のこと。
    現国のH先生は、読んで面白かった本をたまに授業で紹介してくれた。
    そのH先生の読み方はヒジョーに深くしかも鋭く、
    行間のさらに行間の奥に潜む作者・登場人物の心理を暴き出し、
    わかりやすく説明したものだった。
    一応読書好きな自分だけれど、
    より深く踏み込んで読むH先生の領域にはまったく達していない。
    今、H先生の授業を聞くことができたら、
    さぞ面白いだろうと思う。

    当時、どんな本を紹介していたのかほとんど記憶にない。
    唯一、一冊だけ覚えていたのがこのモーリー・ロバートソンの『よくひとりぼっちだった』なのだ。
    高校を卒業してン十年になるけれども、
    ようやっと手に取ることができたわけです。

    もっとも多感な10代後半に、
    日本とアメリカの教育・文化の違いに翻弄され傷つきつつも、
    たくましく立ち向かっていく自伝的作品。
    東大とハーバードに合格するまでのストーリー。

    実は自分に「なんちゃって帰国子女」になるチャンスが一度高校時代にあった。
    当時、父がアメリカで仕事をすることになったのだ。
    大学受験と重なる微妙な時期だったし、
    聞く・話す英語にはまったく自信がなかったしで、
    結局はアメリカに行かず、日本の高校を卒業し日本の大学へ行く道を選んだ。

    近年になって一念発起し、英会話を学ぶようになった。
    あのときのチャンスをフイにしたことを後悔した。
    しかし、今回の作品を読んで、アメリカに行かなくてよかったかもしれないと、
    思うようになった。
    サンフランシスコで散々いやな目に遭ったモーリーである。
    より保守的なアメリカ南部の高校にもし自分が行っていたら??
    うーむ。

    ちなみにモーリーは現在ミュージシャンとして活躍している。

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著者プロフィール

1963年、ニューヨーク生まれ。
アメリカと日本を行き来しながら日米双方の教育を受け、1981年に東京大学とハーバード大学に同時合格。東京大学を1学期で退学し、ハーバード大学に入学。ハーバードでは電子音楽を専攻し、アナログ・シンセサイザーの世界的な権威であるイワン・チェレプニン氏に師事。1984年に初の著書『よくひとりぼっちだった』(文藝春秋)がベストセラーになった。1988年にハーバード大を卒業した後、日本に渡りラジオパーソナリティーとしての活動を経て、現在は国際ジャーナリスト/DJ/ミュージシャンとして精力的に活動中。近著に『挑発的ニッポン革命論 煽動の時代を生き抜け』(集英社)がある。

「2017年 『「悪くあれ!」窒息ニッポン、自由に生きる思考法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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