- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784163416304
作品紹介・あらすじ
丸2年と4週間、《隠れ家》のアンネたちが曲がりなりにも"人間の生活"を続けられたのは、毎日パンやミルクを運び、花や本を届けた勇気ある友人たちのおかげでした。著者は、「物静かで、それでいて好奇心いっぱい」の4歳の女の子だったときからアンネを知り、アンネが『日記』に綴っている暗い日々を《隠れ家》の内と外で体験し、アンネがナチに連行されたあと、床に散らばっていた日記を拾い集めて戦後まで保管しました。『日記』公刊から40年、「わたしはヒーローなどではない」とことわりつつ、はじめてその間の詳細をあかした本書は、『日記』を補完する貴重な記録であるばかりか、それ自体、力強い感動的な物語となっています。
感想・レビュー・書評
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アンネの日記を読んだ人なら、「あのミープさんが最近までご存命だったのか」と、しみじみするんではないかと思う。
隠れ家に潜伏するフランク一家を支えたチームの一人だったミープ・ヒースさんは、自宅にも知己の学生を匿っていた。
そういう相互の助け合いが、あの当時、オランダのそこかしこで行われていた事に驚く。
生前のアンネの回想というよりは、ドイツ占領下のオランダを、一市民の眼で活写した記録としての色合いが濃い。タイトルと中身のミスマッチは、やはり販売戦略の都合か。
何にせよ、昔の知り合いに、久しぶりに再会したように懐かしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
'99.9図書館で借りて読了。
アンネ・フランクを含む隠れ家の住人を助け続けた女性の本。迫害されたユダヤの人以外の目線から当時の様子がよくわかる。あの統治下で正しい勇気を持った方達には頭が下がる。 -
「アンネの日記」を読んで、当時のことをもっと知りたいと思った。
ミープの毅然とした、誠実な生き方には敬意を覚えるばかりだ。隠れ家の人びとが連行される場面は、本当に緊張する。目の前が真っ暗になっただろう。
何が起きるかわからない時代に、こんなにも長期間にわたってみんなが苦しめられた。想像よりも恐ろしいことが起きていたのだと知ったときは、どんなにショックだったろう。
現代に置き換えて考えずにはいられない。今も同じような状況がたしかに起こっているのだ。 -
著者は、アンネ・フランクの隠れ家生活を支援した女性ミープ・ヒース。約2年間、食料を運び、外のニュースを伝え、アンネたち隠れ家の8人を励まし続けました。隠れ家が発覚し、アンネたちが連れ去られた後、残された日記を大事に守っていたのも、このミープさんでした。2010年、100歳で亡くなりました。
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【鈴木琴子先生のオススメ : 普通の生活ができる幸せを感じる本】
あの有名な「アンネの日記」の著者アンネ・フランクとその家族を含めた隠れ家での生活を物質面、精神面の両方を支え続けたミープ・ヒースのインタビューによる記録です。アンネの日記の側面がよく分かるだけではなく、普通の人々が、戦争という非日常の中で、日常生活をいかに全うしようとしたかが手にとるようにわかります。また、人と人とのつながり、信頼とは何かを考えさせられる本でもあります。そして、普通の生活ができるということが幸せで、何よりも大切なのだと思い知らされます。
【配架場所】図書館1F開架 949.35/F44/A4G -
レビューの日付の間隔をみて、読むのが遅いのを痛感。でもしょうがない…。
久々のノンフィクション。
図書館の返却期日が厳しかったので、優先度上げて読んだ。
読んで良かった!
というか、もっと早く読むべきだった。
アンネのお父さんが戻ってきて、再開するシーンなんか映画を観ているかのよう。
もちろん、そんなきれいごとではなかったはずだけど。
ミープがなぜあんな危険を冒してまで、献身的にオットー氏やその友人達を匿ったのかはわからない。
それがオランダ人として「当たり前のこと」だったから。その言葉しか書かれていないけど、それでも十分説得力がある。
でもこんな壮絶な話が氷山の一角というのだから…。
アンネの日記は有名だし、圧倒的に読まれているのはこっちだと思うけど、2冊セットで読むべきだと思う。
日記はもちろんアンネの子ども目線で、あの狭い家の中で起きたことが書かれているけど、こちらはその逆の視点から。毎日どれだけ大変だったか、想像を絶する。
アンネの日記をまた読みたくなった。
子ども達が興味を示さないのが残念…。 -
2009.08.19. 「アンネの日記」を読んだら、その次は絶対にこの本を読もうと思っていたのです。隠れ家支援者のミープ・ヒースさんが書かれた本を。アンネがとても内側の話だとしたら、こちらは本当に戦争を色濃く写していて、こんなにも違うものかと思った。当たり前のように、ユダヤ人を匿うこと。そのとても危険な行為を当たり前だと思っているのが、すごいです。いつもアンネたちのことを考え、「匿ってやってるんだ」というような優越感にも浸らず、対等に接している彼女(そしてそういう多くの市井の人々)が、世界を支えているんだと思いました。
深町真理子の作品





