キャパ その青春

  • 文藝春秋 (1988年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784163424101

みんなの感想まとめ

戦場カメラマンとして名を馳せた人物の生涯を描いた本書は、彼の明るくも孤独な人生を通じて、写真の奥深さや人間関係の大切さを教えてくれます。著者は、彼が撮影した決定的瞬間を通じて、被写体との距離感が生み出...

感想・レビュー・書評

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  • この本が出版されたころ(1999年)、キャパの展覧会に行ったことがあります。当時、カメラの撮影法を通信教育などで勉強していたこともあり、写真には興味があったのです。キャパの作品は、スペイン内戦や第二次世界大戦での決定的な場面を切り取っているだけでなく、その被写体との距離感が絶妙で大きた衝撃を受けました。キャパは、上手く写真を撮るコツは、被写体に一歩近づくことだ、と言っていたそうです。

    本書は、沢木耕太郎さんの訳によるキャパの伝記です。ハンガリーで生まれ、貧乏をしながらも、陽気に人生を楽しみつつ、戦場カメラマンとなったいく前半。第二次世界大戦での数々の名作を残しながら、戦後は目標を失い、最後は再びインドシナの戦場へ出かけて、そこで死去するという後半。

    人生に安定なんて求めていない人なんですね、彼は。陽気な彼がいくところ、周囲の人は幸せな気分になり、彼はいつも人気者。どこでも友人、恋人ができます。あのイングリッドバーグマンと恋仲になってしまうくらいですからスゴイ。そして彼が撮る写真に写っている人々もまた、とてもいい表情をしています。良い写真を撮るためには、被写体に一歩近づくこと。これは物理的な距離だけでなく、心の距離のことを言っているのでしょうね。

    家に写真集があるのですが、久しぶりに眺めたくなりました。

  • 実家に行ったら、借りてたのを返すといわれ、久々に渡された。が買った記憶なし。先に読んだ「キャパの十字架」の中で何度も出てきていたので、近いうちに買って読もうと思っていたので、新鮮な気持ちで再読。10年以上まえの「キャパ展」の入場券がしおりがわりに挟まっていたりして、確かに読んでいるはずなのだが。(この展覧会には行った記憶がある、写真集も購入した)

    崩れ落ちる兵士に関する記述は、「キャパの十字架」を読んだ後では、非常にあっさりとして物足りない。謎は謎のままでいいというスタンス。やらせかどうかを追求することはナンセンスだと…。

    たとえ、あの有名な写真がやらせであったとしても、ゲルダの作品だっとしても、キャパが非常に愛すべき、そして真に孤独な生き方を選んだ、魅力的なハンガリー人だということはとても分かる。人となりは愛嬌があり、陽気なイメージだが、少年時代に家を出てから家を持たない生き方を選んだり、最愛のゲルダの死を経験したり、影の部分もかなり重い。~30年代のヨーロッパで ユダヤ人という出自も、日本人が思う以上に不自由なことだったのだろう。
    後半生についても、是非読まなければ。生誕100周年ということだし。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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