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- 本 ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163425603
感想・レビュー・書評
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この本が出版されたころ(1999年)、キャパの展覧会に行ったことがあります。当時、カメラの撮影法を通信教育などで勉強していたこともあり、写真には興味があったのです。キャパの作品は、スペイン内戦や第二次世界大戦での決定的な場面を切り取っているだけでなく、その被写体との距離感が絶妙で大きた衝撃を受けました。キャパは、上手く写真を撮るコツは、被写体に一歩近づくことだ、と言っていたそうです。
本書は、沢木耕太郎さんの訳によるキャパの伝記です。ハンガリーで生まれ、貧乏をしながらも、陽気に人生を楽しみつつ、戦場カメラマンとなったいく前半。第二次世界大戦での数々の名作を残しながら、戦後は目標を失い、最後は再びインドシナの戦場へ出かけて、そこで死去するという後半。
人生に安定なんて求めていない人なんですね、彼は。陽気な彼がいくところ、周囲の人は幸せな気分になり、彼はいつも人気者。どこでも友人、恋人ができます。あのイングリッドバーグマンと恋仲になってしまうくらいですからスゴイ。そして彼が撮る写真に写っている人々もまた、とてもいい表情をしています。良い写真を撮るためには、被写体に一歩近づくこと。これは物理的な距離だけでなく、心の距離のことを言っているのでしょうね。
家に写真集があるのですが、久しぶりに眺めたくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10シリーズ
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