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- 本 ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163446905
感想・レビュー・書評
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「いき」は日本人が、西洋にはりあえるものだったのに、なくなってしまった。
戦前の風習を知る人や、芸者も絶えてしまった。
関東大震災は、街を破壊しただけではなく、風習を途絶えさせた。
「いき」とは何か。下町にあって、山の手にはない。行き過ぎると、うるさい。「いき」の反対は「ヤボ」である。
幸田文の『流れる』をベースに、あちらこちらの資料を引いて、芸妓がどのような生活をしていたか。契約は、客はどのように買って払ったか、その生活は、足袋は一日に二度履き替える。などが書いてある。
『流れる』は読んだのに、結構忘れてしまっていたなあ。蔦の家の女主人が、子供に飛びつかれて倒れるときの姿態の美しさ、老妓水野の目覚め方の艶かしさなど、芸者の美しさも書かれていたのを思い出す。
著名な小説家を父に持つ幸田文と森茉莉を比較対照して、父親の用いていた言葉がどれくらい残っているかなど、あちらこちらへと話が広がって、相変わらずおもしろい。
有名な芸妓の話も多く書かれている。
明治三十九年くらいの芸妓の契約書の号数にこのような文字が用いられていたとのことで、なるほどやっと萬までがわかった。夏彦さんの著書は、知らないことや知りたかったことが多く出ている。
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