ホームカミング

ボブ・グリーン 井上一馬

• 文藝春秋 (1991年1月1日発売)

感想・レビュー・書評

[harassさんの感想 · 2012年8月31日]

　ベトナム帰りの兵士が空港で戦争反対派に唾を吹きかけられるという話があるが、実際にそういう経験があったかどうかを著者が新聞で呼びかけて寄せられた投書をまとめた本。そのころようやくベトナム戦争経験者への扱い方の反省が高まっていて反響をよんだらしい。
　構成として『唾を吹きかけられたもの』『唾を吹きかけられなかったもの』『歓迎されたもの』『唾を吹きかけられる以上のことをされたもの』というふうに構成されている。
　さてこういう背景の話をさらに30年後に外国人が読んで思うのは、アメリカ人って素朴だなあとつくづく感心する。単純バカというか、それだからこそ羨ましいと感じる。実に純朴で素晴らしい国民性だと思う

[mylteさんの感想 · 2010年4月23日]

読了

内容（「BOOK」データベースより）
「あなたはヴェトナムから帰ってきたとき、唾を吐きかけられましたか?」全米約250紙か配信される署名入りコラムのなかで、ボブ・グリーンは問いかけた。すでに戦争終結から十数年、ヴェトナムは遠い昔の出来事に思われた。ところが―。全米各地から彼のもとへ寄せられた手紙は優に1000通を超えた。どの手紙も、真摯で、熱く、読む者の心を強くひきつけずにはおかなかった。ここには、いまだに癒えぬ傷痕をもった、アメリカの心がある。戦争はまだ終わっていない。ボブ・グリーンが見せるアメリカ現代史の暗部。

Homecoming: When the Soldiers Returned from Vietnam by Bob Greene