象が空を 1982~1992

  • 文藝春秋 (1993年1月1日発売)
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  • 本 ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163481203

感想・レビュー・書評

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  • 沢木耕太郎の書いたものを読むと、なるほど心地よい。文章の中で気持ちよく騙してくれるというか、酔わせてくれるという安心感を感じるのだ。クオリティの高いエンターテイメントを楽しませてくれている、という。沢木耕太郎自身が堅牢に作り上げたキャラクター。そしてそこから繰り出されるできすぎているストーリー。彼にかかると様々な書物や映画、スポーツまでもが彼の世界のスパイスとして機能し始める。なにをどう観ても捉えても沢木耕太郎の世界になってしまうが故の、一歩間違えると金太郎飴になってしまう手前で読ませる魅力が不思議とツボ

  • 1982-1992に執筆した沢木耕太郎10年分のエッセイ。
    私にとって、
    「深夜特急1〜6」
    「イルカと墜落」
    「旅のつばくろ」
    「ポーカー・フェース」
    「旅の窓」
    に続いての、11作目の沢木耕太郎作品でした。
    上下2段500頁という分厚さに物怖じしたものの、古本屋店主との素敵な出会いも相まって挑戦してみました。自分の知らない語彙、人、事故、事件を調べながらだったので少しずつ読み進めました。
    読後のなんとも言えない爽快感は、なんと言葉で表せばいいのか。
    次は何を読もう。

  • 再読。上下二段組500頁のハードカバーが古本価格3,000ウォン(約240円)の安さに引かれて購入。 100篇あまりのエッセイを朝晩1篇ずつ、約2カ月かけて読了。エッセイ集をこれだけ時間をかけて読んだのは初めての経験である。 著者は一回り上の世代であり、初読のときは未知の世界への憧れを込めて貪るように読み耽った。 17年の歳月は憧れを消し去り、幾ばくかの共感と懐かしさだけを残してくれた。再々読する日は恐らく来ないと思う。 むしろ さらに遡り、著者1972~1982年までのエッセイを集めた「路上の視野」を読み返したくなった。 引っ越したばかりの安アパートで三分冊の文庫本版で読んだことだけは覚えている。

  • 98084

    1982~92年の全エッセイ。再読。

  • 1982年から10年間の間に書かれたエッセイや書評をまとめた本。『路上の視野』の続編という位置づけです。やはり僕にとって一番興味深く読めるのは、「第1部 夕陽が眼にしみる:歩く」。中でも「異国への視線」で展開されている小田実『何でも見てやろう』論、吉行淳之介『湿った空乾いた空』論は秀逸です。第3部に収録されている「彼の視線:近藤紘一」も、何だか泣けるなあ。

    文庫本は、『路上の視野』同様3冊に分けてまとめられています。

  • 080921

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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