王妃マルゴ

  • 文藝春秋 (1994年1月1日発売)
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感想 : 4
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  • 本 ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163495200

感想・レビュー・書評

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  • 「王妃マルゴ」というよりも「母后カトリーヌ」というタイトルにしたほうがいいのではないか、もう大活躍だ、ああ疲れた・・・、これは「抄訳」なので、こうなったらぜひ全文を読みたい、デュマの原文で読めたならどれだけの迫力なのだろう・・・(無理だがw)、しかし「アンリ」だらけなので途中「このアンリはえーっと誰だったか」としばし迷う。読んでいるうちに、暗闇のルーブルを、血や薬や化粧の入り混じった匂いの中を手探りで歩いているようにすら感じてしまった

  • 鹿島さんの訳した「王妃マルゴ」が読みたいので
    インターネット古本屋さん、神保町あたりで探し
    てみよう。

  • マルゴというか、マルゴと、シャルルとアンリの話といった。
    恋愛と陰謀の話でした。
    ルイ13世以前の話だったので、ちょっとあんまり歴史に詳しくないので、アレでしたが、デュマの筆だけあっておもしろかった。

    ただ、これはオリジナルのマルゴではなく、訳者がまとめ直した、ある意味略本で、途中途中に注釈が入ってました。が、物語として破綻なくよかったです。

  • (2013.05.20読了)(2013.05.10借入)
    2013年1月に萩尾望都さんの「王妃マルゴ」の第1巻が出たのですが、今後どう展開するのか、つぎの巻が出るまで待てません。ということで、デュマのこの本を借りてきて読みました。この本は、デュマの全訳ではなく、重要な箇所のみを訳出して半分強にまとめた抄訳(23頁)ということです。分かりにくそうなところには訳者の解説がついていて、史実と、デュマの小説の違いなども書いてあります。
    萩尾さんのマルゴは、幼いころからのマルゴが描いてありますが、デュマのマルゴは、成人して、ナヴァール王アンリと結婚したあたりからはじまっています。
    萩尾さんの「マルゴ」は、何巻になるのかわかりませんが、デュマが扱っている部分は、だいぶ終りに近いあたりになるのではないでしょうか。
    この本は、570頁ほどありますが、NHK大河ドラマ「八重の桜」が、主人公があたかも会津藩であるかのような展開ですで進むのと同様、16世紀後半のフランス王家が主人公であるかのように進められてゆくので、物語は、マルゴ主体で動いて行くわけではありません。
    同じ登場人物が、3つぐらいの呼び名で書かれているので、他の外国物の小説と同様、人物を特定するのがしんどいので、困ります。馴れた頃には、物語は、終わっていました。

    物語の始まりは、1572年です。舞台回しをしてくれるのは、旧教徒(カトリック)と新教徒(ユグノー、プロテスタント)の争いとマルゴの母親のカトリーヌ・ド・メディシスです。
    ヨーロッパというのは、結構占いが好きなのでしょうか。カトリーヌは、お気に入りの占い師ルネに占わせたら、フランスの王位は、現在のシャルル九世からいずれは、マルゴと結婚させたアンリ・ド・ナヴァールに移ってゆくと出てしまいました。
    ナヴァールは、新教徒なので、カトリーヌは、ナヴァールに王位を渡したくないので、あれこれと陰謀をめぐらします。
    物語の占いというのは、運命ですので、人間があれこれと変えようと頑張っても、どうにもなるものではありません。とはいえ、ハラハラドキドキさせるのが、物語作者の腕ですので、十分に楽しませてくれます。
    今まで知らない世界を垣間見せてもらった、という意味で、十分有意義な本でした。
    歴史の本を読んでも、なかなか頭に入らないけど、歴史小説を読むと、楽しみながら、その時代のことがあれこれと、頭に入ります。
    マルゴの正式名は、マルグリット・ド・ヴァロワです。

    【目次】(抜粋)

    第一章 ギーズ公のラテン語
    第二章 ナヴァール王妃の部屋
    第三章 王様詩人
    第四章 一五七二年八月二十四日の晩
    ・・・
    第十一章 イノサン墓地のサンザシ
    第十二章 打ち明け話
    第十三章 すべての部屋の錠前をあける鍵
    ・・・
    第二十一章 ソーヴ夫人の居室
    第二十二章 陛下、陛下は王になられます
    第二十三章 新たな改宗者
    ・・・
    第三十一章 猟犬狩猟
    第三十二章 友情
    第三十三章 シャルル九世の感謝
    ・・・
    第四十一章 占い
    第四十二章 失踪の真相
    第四十三章 外交使節団
    ・・・
    第五十一章 フランソワ一世の館
    第五十二章 尋問
    第五十三章 アクテオン
    ・・・
    第六十一章 晒しの塔
    第六十二章 血の汗
    第六十三章 ヴァンセンヌの主塔の展望台
    ・・・
    第六十六章 エピローグ
    マルゴとアンリ・ド・ナヴァールのその後
    あとがき

    ●一つのベッド(107頁)
    宿屋や旅先では、よほど高貴な王族でもないかぎり、庶民も貴族も、何人もの客がひとつのベッドで雑魚寝するのはごく当たり前だったからである。
    ●王妃マルゴ(162頁)
    女の義務といったら、それは夫と運命をともにすることです。あなたが追放されるのでしたら、追放されたところへ、この私もついていきます。あなたが牢に入れられたら、わたしも囚われの身になります。あなたが殺されたなら、わたしも死を選びます。
    ●アンリ・ド・ナヴァール(186頁)
    アンリは、強烈な腋臭だった上に、風呂に入ったり、体を拭う習慣をまったくもっていない野育ちの男だったので、足が異常に臭かった。さらに、南フランス独特のニンニクをふんだんに使った料理を好んで食べたので、口臭も強烈だった。ひとことでいえば、アンリ・ド・ナヴァールは悪臭の三冠王だったのである。
    ●シャルル九世(494頁)
    さあ、マルゴ、元気を出せ。わたしたちは一家の名声というものを、主が十字架をゴルゴタの丘まで運んだように、苦悶の十字架として運ばなければならないのだ。さあ、服を着て、化粧を直せ。おまえの美しさを引き立てるような新しい宝石をつけろ
    ●兄と妹(502頁)
    (シャルル九世)「気をつけろ! 腕に血の染みがついている」
    (マルゴ)「そんなことは気にしません、陛下、唇に微笑があればいいのです」

    ☆関連図書(既読)
    「三銃士」デュマ著・新庄嘉章訳、講談社、1987.10.20
    「デュマ『モンテ・クリスト伯』」佐藤賢一著、NHK出版、2013.02.01
    「巌窟王-モンテ=クリスト伯-」アレクサンドル=デュマ著・矢野徹訳、講談社青い鳥文庫、1989.05.10
    (2013年5月21日・記)
    (「MARC」データベースより)amazon
    薄幸の美妃か、希代の淫蕩な王妃か。血で血を洗う宗教抗争つづく16世紀フランス。政略でブルボン家に嫁し、運命に翻弄される美しくも奔放な王女マルゴの数奇な生涯。複雑な歴史背景も手際よく解説。

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