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本 ・本 (250ページ) / ISBN・EAN: 9784163499406
感想・レビュー・書評
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往年のNHK会長の自伝である。
Wikipediaによると、島氏が会長を辞任したのは1991年というから、私も(とっくに^^;)社会人になっていたが、当時の様子はオボロにしか覚えていない。独断専横とか、女性(同伴)問題で責任を追及された、かなりコワモテで腹黒いおじさん、というイメージしかなかったような気がする。
読んでみると、その強引さはヤハリ鼻につきつつ、かなり痛快な本でもあった。(もちろん当事者が一方的に書いている本なわけだから、事実関係の理解には一定の差し引きが必要だろうけど)
なにより、氏が早くからマルチメディアやビデオジャーナリズム、地球の時差を利用したGNN(Global News Network)の必要性などに着目していたその柔軟性と先見性には驚かされる。
NHKの構造改革に積極的に取り組んだ点でも、歴代会長の中では異色のようだ。
中でもNHKエンタープライズを始めとする関連団体の設立はこの人の発案だという。(NHKのリソース=番組を、日本/世界のリソースとして活用する、またNHKの自立、(郵政主導の)巨大化への歯止めなどの意図があったという…逆に利益の囲い込みのニオイも感じるわけだが)
波の整理(チャンネルを減らせ、と言ったらしい)もつとに言い出していた。
NHKの「親方日の丸」体質や利権の跋扈の様子なども、かなり赤裸々に描き、歯がみしている。
NHKの中では突出して開明的であり、超改革派なのであった。
政治部記者として(というか結局性格と能力がモノを言ったと思うが)養った政界との極太のパイプを軸にした仕事っぷりも痛快そのものである。
そのキャラクターゆえに敵も多かったわけだろうけど、その才能は惜しまれるべきだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4163499407
── 島 桂次《シマゲジ風雲録 ~ 放送と権力 199502‥ 文藝春秋》
── 当時『ニュースセンター9時』のキャスターだった磯村 尚徳が
小野辞任の日にNHKがこの事件を積極的に報じなかったことを独断で
視聴者に謝罪、新しいキャスター像を作り上げたと言われている[3]。
脚注(略)1. 小野が田中邸を訪れた理由を週刊誌は色々書いた。
小野は単純に見舞いに行っただけと記者会見で説明したが、島桂次の
著書『シマゲジ風雲録』によると、小野の会長昇格に関与した島が太く
なり過ぎ、それを恐れた小野が島をアメリカ総局に飛ばそうとした。こ
れを島から聞いた田中が怒って小野を私邸に呼びつけたのが訪問の理由
という(P26-27)。
2. 当時NHK内で絶大な力を持っていた日放労が、小野の辞任要求だ
けでなく天下り会長反対も唱えたため、小野の後任は芸能畑一筋だった
坂本朝一が、NHK史上初の生え抜きの会長に昇格した(P114)。
3. 『朝日新聞』2007年8月22日。── Wikipedia
<PRE>
小野 吉郎 19050108 広島 /19730717-19760904 郵政次官(引責辞任)
田中 角栄 19180504 新潟 19931216 75 /19760725 逮捕/首相64-65
島 桂次 19270830 栃木 19960623 68 /19890412-19910716 NHKアメリカ総局長
磯村 尚徳 19290809 東京 /元キャスター/年の孫、武亮の子、鈴木 竹雄の娘婿/松平 定知のいとこ。
</PRE>
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20041207 Quo Vadis ~ 歴代NHK会長一覧 ~
(20101229)