「日本は降伏していない」 ブラジル日系人社会を揺るがせた十年抗争

  • 文藝春秋 (1995年4月30日発売)
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  • / ISBN・EAN: 9784163501703

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  •  第二次世界大戦での日本敗戦によってブラジル国内のブラジル日系社会では多大な犠牲を払う事件が発生する事となる。それは臣道聯盟事件といわれるもので、祖国日本が戦争に勝ったと信じる「カチ組」、戦争に負けたということを受け入れた「マケ組」との対立である。この紛争は時間の経過とともに治まるのだが、それまでに日本人同士によるテロ行為や職場追放、リンチ、暗殺事件などの迫害にまで発展したため逮捕された日本人は2千人を超え23人もの死者を出すこととなる。
     本書ではこの事件の発生から終わりまでについて詳しく、そしてカチ組の司令塔であった臣道聯盟についても詳しく触れている。
     日系ブラジル人の歴史を辿るのにはかかせないこの事件であるが、この一冊を読むことで戦前・戦後の日系ブラジル人の祖国に対する態度、そして臣道聯盟事件の全体像を知ることができるだろう。

  • カチ組・マケ組の出来事の中に、こんなことまであったとは。

    ・再移住論
    「戦時中、日本語教育が禁止されたため、2世が退化していく、それを救うには日本に帰国する、せめて日本の国威が発揚されている大東亜共栄圏に再移住しなければ」という話。
    ・勝ちを信じた人たちの言い分
    「天皇が敗戦を宣言したときのラジオは、一度目は雑音が多く内容までは良く聞き取れなかった、二度目はきちんと聞こえた。二度目はきちんとなんておかしいでしょ、「負けた」というように操作されて流されたんだよ」という話。

    など。


    それにしても、過激なタイトルなので電車では読みづらかったなぁ…

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