二・二六事件軍法会議

  • 文藝春秋 (1995年1月1日発売)
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本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784163504803

感想・レビュー・書評

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  • 1995年刊。著者は元陸軍法務官、弁護士。二・二六事件を軍法会議の側面から活写。そして、同時期以降の軍法会議の制度的変遷と戦地でのそれ、さらにはポツダム宣言受諾後の軍法会議のありようなどを解説し、タイトル以上の内容。①陸軍刑法や刑訴法のありよう、②本来貫徹されるべき罪刑法定主義を逸脱してしまった二・二六事件の審理、③法務官独立を侵害し、事実上の陸軍大臣による指揮権発動となった真崎甚三郎陸軍大将無罪判決、④法治主義を逸脱したか否かにより、BC戦犯としての追求如何の帰趨が定まったなど、興味深い逸話が多数。
    刑法・刑訴法の基礎概念に関する知識があった方が読みやすいが、それがなくても十分理解できると思う。また、法治主義・法による支配の有意性と実益、特に第三者に対する正当性主張を容易にする点、また権力の無意味なあるいは有害な行使を抑制・是正する機能を持っていることを、本書から読み解けるだろう。

  • 元陸軍法務官が、2・26事件裁判記録を読んでの所感。
    大きく分けると、真崎大将の事件への関わり、軍の命令と服従の関係、2・26事件から離れての、軍法務官やその一員としての著者の苦悩、からなる。
    真崎大将は、青年将校の扇動を意図したというよりも、自らの教育総監更迭への不満から統帥権干犯等を主張し、それが図らずも事件へと繋がり、当初は自分に都合の良い帰結を引き出そうとするも、天皇の怒りに恐れをなして、結局自己保身に走ったと見る。
    旧軍の命令・服従の考え方や、法務官の在り方なども良くわかった。
    バターン死の行進や空襲軍律の話も少し書いてある

  • 2009年2月25日

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