- 本 ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163508108
感想・レビュー・書評
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2015/11/10 読了
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三島由紀夫氏は、好きな作家のひとりです。その人の人生の、著書や雑誌、ネットからの情報からでは知ることの出来ない側面を知ることが出来て理解が深まりました。本棚にある著書を読みなおしてみようと思います。
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この本を単なる三島由紀夫の伝記だと思って手に取った人は、いい意味できっと期待を裏切られる。
まずもって、本書の4分の1(第1章)が祖父・平岡定太郎に関する記述だ。
しかし著者にとっては、三島の血脈の理解のため、それはどうしても触れなければならなかった。
そうすることで、平岡家(三島の父方)と官僚機構との負の関係性が明らかにされていく(平岡家は祖父から三島まで3代に渡って官僚経験者)。
もし元来肉体が健全であったらとか、もしノーベル賞を受賞していたらとか、もし『鏡子の家』が高評価であったらとか、いろいろ考えるが、結局のところ三島はああやって自害する道にどのみち進んだだろうと思う。
なぜなら、彼が忌み嫌った「日常性」、官僚機構の支配によって代表される退屈な日常性しか、最後には残りようがなかったから。
そして、日常を超えた究極の世界=金閣の究竟頂(くきょうちょう・3階部分)の扉は、現実の日本において開きようがなかったのだから。
その意味で、彼の死については虚しさも感じるが、平凡な言葉で表現すれば、そうするより他に仕方がなかったんだろう。
読後そんな感想をもった。
三島個人と平岡家と、そして彼らを取り巻く「日本の近代」についてまで描く質の高い一書。 -
古本屋さんでみつけました
楽しみ
著者プロフィール
猪瀬直樹の作品





