『大地の子』と私

  • 文藝春秋 (1996年1月1日発売)
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本 ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784163515809

感想・レビュー・書評

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  • 図書館でたまたま出会った本。大地の子を読んだ人には是非とも読んで欲しいと感じた。山崎豊子が大地の子を書き上げるためにどれだけ手間と時間をかけてきたか、よくわかった。胡耀邦クラスの要人にこれだけ信頼を得た日本人は今後も出てこないのではないだろうか。大地の子は日曜劇場でドラマ化を検討していたと聞いた。さまざまな理由で止まっているようであるが、是非とも再度ドラマ化してほしい。

  • 今年読んで良かったと思える作品の一つが「大地の子」であった。
    その内容やストーリーは綿密でありしっかりとした読み応えがあるモノである。
    この作品を作るにあたっては約8年の歳月が費やされており、作品が出来るきっかけや過程が山崎豊子の回顧や対談によって理解できるモノとなっている。
    フィクションであり、あくまでも小説であるが、夢物語ではない。こうした歴史を踏まえた作品において、社会や次の世代が知っておく必要のある出来事、隣国の今に至るまでの政治体制など、戦後世代の我々がもっと関心を持って知る必要があると感じた。
    「残留孤児」と当たり前に耳にしていた言葉が、残留=本人の意志でなく、国や軍に取り残された人々に向けて、政府が行動していない事実。「戦後00年」と一区切りがついている感があるが、こういったギャップがアジアの中で未だに受け入れられていない我が国の現実だと思う。

  • 悲しさと優しさが共存しているような話の展開は、涙なしには読み進めることができません。日中戦争、文化大革命、日中国交正常化といった歴史の流れに翻弄される人々…、まさに「壮大な叙事詩」という形容がぴったりです。NHKのドラマも良かった〜。養父・陸徳志の名前の通りの慈悲深さに、僕はかなり感銘を受けたものです。

  • なぜ「大地の子」がこんなにすごいのか、分かる一冊。山崎さんの意気込み、取材方法には、学ぶところ大有りです。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまさき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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