藪の中の家 芥川自死の謎を解く

  • 文藝春秋 (1997年1月1日発売)
3.83
  • (1)
  • (4)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 19
感想 : 4
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784163530208

みんなの感想まとめ

多様な資料を駆使しながら、さまざまな時代や人々の日常生活を織り交ぜた文章が展開され、しっかりとした骨格を持つため非常に読みやすい作品です。著者の情熱が伝わり、読者はその魅力に引き込まれます。作品を通し...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 様々な資料を使い、年代も人も行ったり来たり、各々の日常生活をも紐解きながらの文章なのに、骨格がしっかりしていてとても読みやすい、作者の情熱に引きこまれる。

    「・・・自分も狂うかもしれないという被害者意識。この二つの相反する意識が芥川文学に流れる通奏低音ではないだろうか。相矛盾した世界は必然的に曖昧になる。不安の出処も曖昧で、”ぼんやり”とせざるをえない。」

  • 『Xという患者』の参考文献として挙げられていたので気になり、あまりの面白さに一気読み。
    学生時代『唯ぼんやりとした不安』という言葉は「わかるようなわからないような、いやわからない」と思っていたけれど、彼のことを知るほどに、一言では言い表せないような深い闇が浮かび上がる。他人に問われればそうとしか表現しようがないのだろうなということも。
    そして昭和2年と令和2年にいくつか不穏な共通点を見出してしまい、彼の生きた時代の空気もこんな感じだったのかな、と思いを馳せる。
    時折文壇の男たちの仲が良すぎる場面も描かれていて微笑ましく、少しだけほっとした。

  •  主治医のスタンスを超え、芥川と昵懇の下島勲(いさおし)医師。その日記に、誰ひとり注目していなかったのは不可解だ。
     達筆すぎて読めない日記の解読を縦糸に、死へ向かって逡巡し、疾走する芥川の動きが描かれる。
     自殺に至る要因が多すぎて、真犯人が特定できない。私なら5回は死んでいるだろう。
     芥川が周囲から愛されていた様子が窺えて、一つの涼味になっている。

  • 芥川の自殺を医学的見地から分析。
    主治医の下島勲氏の日記から紐解く。
    大変面白かったです。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

山崎光夫
一九四七年福井市生まれ。早稲田大学卒業。放送作家、雑誌記者を経て小説家に。八五年『安楽処方箋』で小説現代新人賞を受賞。医学・薬学関係に造詣が深い。小説に『ジェンナーの遺言』『ヒポクラテスの暗号』『精神外科医』『風雲の人 小説・大隈重信青春譜』『小説曲直瀬道三 乱世を医やす人』など多数。ノンフィクションに『東京検死官』『逆転検死官』『戦国武将の養生訓』『薬で読み解く江戸の事件史』『胃弱・癇癪・夏目漱石 持病で読み解く文士の生涯』など。九八年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で第十七回新田次郎文学賞を受賞。

「2023年 『鷗外青春診療録控 本郷の空』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山崎光夫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×