28年目のハーフタイム

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163532608

作品紹介・あらすじ

ブラジル戦の奇跡は栄光への序章にすぎない。メキシコ以来、28年ぶりのオリンピック出場を果たし、チーム内外にいくつもの「断層」を抱えながら史上空前の快挙をなし遂げた日本サッカー。そして、アトランタ世代の闘いは、フランスへ、21世紀へと続いていく。

感想・レビュー・書評

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  • あの当時だから、すごい。
    それぞれの選手、監督の内面をうまく描き、また日本サッカーがどうして勝てないのかの問題点を浮き彫りにした作品。

    ノンフィクションってこうなんだなと思った。本当にすぐに読める。二時間くらいで読める。没頭した。

    2017.3.13.

  • [「過渡期」の笛の音]1996年のアトランタ・オリンピック。後に「マイアミの奇跡」として呼ばれるようになったサッカー日本代表のブラジル代表に対する勝利の内幕を描いた作品。決して上り坂一辺倒ではなかったチーム状況、そして「奇跡」を後にして崩れていった団結力など、綿密な取材に基づいて、あの頃の日本代表を紙面に甦らせてくれています。著者は、作家にとどまらずFC琉球のスーパーバイザーも務めている金子達仁。


    ブラジルからの勝利がもたらした周囲の熱狂を尻目に、各選手やスタッフ陣が複雑な心模様を展開していたという点がまず驚き。選手らのインタビューを基にしながら、この勝利がきっかけでチームが崩れていったとする金子氏の筆の冴えといったらありませんでした。普段はサッカーを「観る」だけという方は、本書を手にサッカーを「読む」楽しみというのもあるんだということを知っていただけるのではないかと思います。


    また結果としてこのマイアミの奇跡を中心に据えることの魅力を高めているのが、この勝利が実はサッカー日本代表の大きな過渡期に当たっていたということではないでしょうか。国際試合を早くに体験した世代とそうでない世代が、異なる印象をブラジルやその後の対戦相手であるナイジェリアに抱く様は、スポーツにおける世代の重要性というものを考える上で非常に参考になる思いがしました。

    〜ニワトリが先かタマゴが先かではないが、大舞台で勝利を収めるための必要不可欠な要素である勝者のメンタリティとは、勝ったことのある者にしか宿らないからである。〜

    開幕しましたね。期待してます☆5つ

  • 当時の映像の裏側の真実が見えてくる。前園真聖の肉声が取材されていなかったのは残念だが、この世代のほとんどが引退後の今、この事実を読み解くのが面白い。
    そして、果たして日本サッカーはどこまで強くなれただろうか?
    そして、本を読み返すという行為を初めてした。

  • 小倉の怪我は大きかったんやな~。

  • 数年ぶりに読み返してみた。
    アトランタ五輪の頃の話。西野さんの話がいい。

    あれからもう何年も経っているが印象深いよね。

    当時みてなかった人には、ふーん、で終る話かもしれない。

  • 主体性は教えられるかという本の参考資料にあったため読んだ。

    読んで良かった。

    マイアミの奇跡をリアルタイムで観戦していたが、
    サッカーについて全然詳しくなかった。

    実況者が「奇跡を起こした!」と何度もいうのを聞いて、
    「いくら相手が最強と言っても
    勝負なんだから100回やれば1回くらい勝つもんじゃないの?」
    という考えだった。
    今思うと本当に奇跡だ。

    チームとしての裏側は全く知らなかった。
    ナイジェリア戦での中田選手の
    「もっとディフェンダーも攻撃的にいこう」
    という発言には
    アンダー17
    ワールドユース
    ブラジル戦を含めて
    今までの経験から来る思惑
    (このチームなら守備にこだわりすぎず
    もう少し攻めても大丈夫)
    があったわけか。

    個人的なまとめとしては

    ・国家としてワールドカップ優勝の経験は世代を超えて
    チーム・個人の自信をもたらす

    ・ハイレベル(世界レベル)の経験は財産になる。
    知っていたらビビらないことでも
    知らないから必要以上にビビってしまう。

  • 筆者の若さと、選手達の若さ、全てが絡み合ったスポーツノンフィクションの傑作です。
    恐らく、きっと、スポーツの記者とかは、こういう話を聞きたくて、話したくて、いつも現場に足を運ぶんだと思う。

  • フル代表ではないもののブラジル代表相手に1-0で勝利するという日本サッカー史上未だ塗り替えられない奇跡を起こしたチームの物語。ブラジル戦の勝利とはうらはらにチームとして壊滅状態であった事を、誰を責めるでもなく、ただひたすら無罰的に書き綴られている。空中分解に対する筆者の結論は、日本全体のサッカー文化、経験の差であり、選手や監督ではないというもの。今の日本サッカーに経験値として積み重ねられている事を一ファンとして願うばかり。

  • 当時は意味がありました。

    その後の一貫性の言動に嫌気が指しましたが、この本はU23若き日本代表の姿が垣間見える佳作です。

    ただし、この人の本どころか、その他全て、お金も時間も使わない、と今は考えています。

    1997年読了。
    文章は2010/06/25。

  • 金子氏の書籍は全ておすすめですが、その中で強いて挙げるならということでこれ。
    読みやすくて、なぜか引き込まれる。
    他作品も読み込むと、もはやNumberなどの記事を読でいても、この人が書いてるってわかるようになります(笑)

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