四人はなぜ死んだのか インターネットで追跡する「毒入りカレー事件」

  • 文藝春秋 (1999年7月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784163554303

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

テーマは、和歌山で起きた「毒入りカレー事件」に対する中学3年生の深い調査と考察です。著者は、夏休みの宿題としてこの事件を詳細にまとめ、その結果が本として出版されました。中学生とは思えない高い文章力と知...

感想・レビュー・書評

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  •  中学3年生が、和歌山で起きた「毒入りカレー事件」についての調査レポートを夏休みの宿題としてまとめました。それが本になったものです。昨年夏に出版されベストセラーになりましたので、読まれた方も多いと思います。

     とても中学生の作とは思えぬしっかりとしたドキュメントで、私も舌を巻きましたが文藝春秋の編集局長もこの様に言っています。

     「文章に誤字脱字が一字もないんです。これは驚きました。私どもは言葉を扱う仕事ですから、辞書を傍らに置いて文章をまとめますけど、必ず誤植があるので、校正の方にお世話になっているのです。万季さんの国語力の高さを思い知りました。」

    全くその通りのです。

     万季さんと同年輩の娘にこの本の事を読むように勧めましたが「どうせオタクの書いた本でしょ」と取り合ってくれません。いやいや、決してオタクではない。行動力も抜群です。レポート作成後ですが、現地を訪問し被害者にインタビューをしたり、砒素の解毒作用のある植物を調べ、そこから精製された薬を提供したり(経緯後記)と実にエネルギッシュに行動している。

     万季さんは、このレポート作成のために購入した本『未来医療O(オー)リングテスト』で木村恵昭(ニューヨーク心臓病研究所所長)が、自ら被験者となった検査で体内に発生した水銀が、ベトナム料理の香采(シヤンツアイ:中国パセリ)を食べると体外に排出されると書いていることを見つけ、もしかすると砒素に対しても同様の作用があるかも知れないと考え、その本で紹介されていた見ず知らずの林原生物科学研究所の林原健社長に、
     (1)香采が砒素を解毒するか
     (2)解毒作用がある場合は和歌山の砒素中毒者のために香采を提供して欲しい
    と手紙を書きます。

     その後、林原生物科学研究所での調査の結果解毒作用が分かり、薬が提供される。
     その他「シメ、ショメ問題」等スーパー中学生の活躍が盛りだくさんです。最近この年代の暗いニュースが多いですが、持てるエネルギーを上手く使えるとこんな素晴らしいことも出来るのです。

     余談ですが、万季さんはその後東京都立戸山高校へ進学します。この高校は五体不満足を著した乙武洋匡さんも通った高校です。

  • この本を知ったきっかけは何であったのか忘れましたが、これはぜひ読んでみなければと思ったのです。
    誰もが思うのでしょうが、中学三年生の夏休みの研究課題でこれほどのものを書ける技量にまず驚きました。巻末にある中学二年生時の「はじめまして」書字のレポートもここまで調査するのかと思いました。
    医療者の端くれとして、初動の遅さと保健所からの言葉を鵜呑みにして治療が遅れたことは、まさに医療過誤と言われても仕方がないことです。
    そして、レポートはそこで終わりではなく、ヒ素中毒に苦しむ住人、さらに日本を飛び越え他の国の地域へと目を向け、何とかしてヒ素中毒が改善されることはないかと思いつくでしょうか。
    レポート通りにあの現場でいきなりヒ素中毒を疑うのは無理なことでしょう。次々に運ばれてくる患者を目の前にすればまずは対症療法で様子を見るのは常套手段です。ただ、食中毒が原因と断じた判断は、さすがにどうかと思いますが。
    犯人が誰か、ヒ素がどこからというところに主眼を置いていないので、その点を突く人はいるでしょうが、あくまで運ばれた人々が何故死ななくてはいけなかったのかを追求していくことに関して言えば、夏休みのレポートとしては十分に読みごたえのあるものだと思います。

  • ヒ素に効く香菜を見つけて
    犯人どうこうよりも
    被害者のためにどうするか
    ミキハウスかわいそうだな
    と思っていた自分が
    一等恥ずかしい

  •  
    ── 三好 万季《四人はなぜ死んだのか 199907‥ 文藝春秋 200106‥ 文春文庫》
    ~ インターネットで追跡する「毒入りカレー事件」
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4163554300
     
    ♀三好 万季  元・中学三年生   19830407 東京 /
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030725
     カレーの市民 ~ 苦悩の群像 ~
     
    http://hatena.fut573.com/entry/20090422/1240403513
     「カレーは腐らない」の真実
    https://anond.hatelabo.jp/20090421194404
     
    (20170626)
     

  • 戸山高校一年生が書いた和歌山の事件の分析、私の娘と同じ年の高校生が書いたのかと、驚きました。毒に関する知識をインターネットで詳しく調査したり、和歌山に足を運んで、被害者の周辺のヒアリングをしたり、著者の年齢を考えると凄い本でした。

  • 1998年7月に発生した和歌山毒物カレー事件。一連の報道に疑念をもった女子中学生(!)が追求する、報道・警察・救急医療の不備。「夏休みの宿題」が文藝春秋読者賞受賞!

  • 日本中を震撼させた和歌山毒入りカレー事件。四人の犠牲者はなぜ死んだのか。医療過誤の可能性を鋭くついた15歳の少女の文章。

    第60回文芸春秋読者賞

  • 私の誕生日に起きた事件。

  •  著者紹介文を読んでまず驚いた。何で中学校の宿題でここまでのものが書けるのか!と。世の中は広いなとしみじみ思いました。きちんと構成も出来てて自分がしたいこと、思っていることがはっきりと書かれていたので大変読みやすかったです。(満島)

  • 和歌山毒入りカレー事件について、15歳の少女が、独自の調査をして分析し、夏休みの宿題としてレポート提出したらしい。信じられないほどの緻密な調査。天才!

  • 和歌山毒入りカレー事件について15歳の少女が書いた、
    夏休みの宿題です。
    夏休みの宿題だよ。中学生だよ。
    直接の犯人が誰、という話ではなく、医療過誤の調査。
    洞察力と観察力、緻密な調査力。脱帽です。

    選考委員の声

    わたしはこの論文を読んで目が覚まされる思いがした。
    何百人の警察や医師やマスコミの目より、
    1人の少女の目の方がはるかに澄んで的確であった。
                          渡辺淳一

    渡辺さんは今でこそ不倫話な人だけど、元々は北大のお医者さんで、汚職を暴いて退職した人です。

    この書は15歳の少女が書いた。しかし、舌を巻く調査力と、
    思い込みを思いっきり排除した内容は圧倒的である。
    またフォローアップの行動力は、まばゆいばかりに好感が持てる。
                           桜井よしこ

    ちなみにこの少女のお兄さん、当時史上最年少で、司法試験に合格した人。

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