またたび浴びたタマ

  • 文藝春秋 (2000年8月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784163565101

みんなの感想まとめ

ユーモアと遊び心に満ちた回文集で、五十音順に並ぶ回文がまるでカルタのように楽しめます。村上春樹による解説は、堅苦しさを感じさせず、回文を題材にした短い物語として展開され、読み手はページを行き来しながら...

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹氏が考案した回文集。五十音順に並んでおり、まるでカルタのようだ。

    回文とイラストの見開きのページのあとに、村上氏による回文の解説が差し込まれているのだが、これがまあ面白いのなんの…。
    解説といってもお堅いものではなく、回文をネタにしたちょっとした物語のようなもので、これを読んでからイラストを見に前のページへ戻り、クスッとするというのがお決まりのパターンだ。

    私が特に気に入ったものを3つ紹介しようと思う。

    『今朝は、薬でリスクは避け』
    見事な回文で意味もしっくりくる。朝飲むはずだった薬やサプリメントを失念していることが多い私は思わず苦笑い。

    『そうよ、私したわよ。……嘘』
    女性が意中の男性の気を引くために、嘘をついて嫉妬させようとしているシチュエーションが目に浮かぶ。これまた見事。

    『盛岡の港、下町の香りも』
    見事なだけでなく、美しい情景が浮かび上がってくる。私は岩手県出身なので思わず親近感が湧いた。盛岡は都会すぎず田舎すぎない良い街なのだ。

  • 92冊目『またたび浴びたタマ』(村上春樹 文、友沢ミミヨ 画、2000年8月、文藝春秋)
    村上春樹流回文かるた。かなりヘンテコな回文とそれにまつわるエッセイが、50音全てに用意されている。中にはかなり無理やりなものもあるが、それも含めて楽しめる。
    ジム・オルークのジャケット写真などで知られる友沢の描くビザールなイラストが、本書の珍奇さをより際立たせている。
    肩の力を抜いて読めるので、村上春樹入門としては悪くないのかもしれない。…色々と誤解されそうだが。

    〈妻、スローめのメロス待つ〉


  • 早稲田大学4号館にできた〈村上春樹ライブラリー〉こと早稲田大学国際文学館、行ってきました!
    国内外にて出版された春樹さん著作本・翻訳本がずらっと並ぶギャラリーラウンジを始めとし、最高の音響機器でジャズが流れるオーディオルーム、ピーターキャットのライブで使われていたという実際のグランドピアノと貴重なレコード類の展示、完全再現された春樹さんの書斎と、そんな素敵空間を眺めながら珈琲とドーナツが楽しめるカフェ〈橙子猫 orange cat〉などなど……村上主義者の聖地ですよここは。

    期待に胸をふくらませ、世界にあいた孔のようなエントランスをくぐって入館すると、すぐ目の前にひらけるのは木の温もりを感じる階段スペース。
    ここは両サイドが大きな書架となっていて、川上未映子さん、柴田元幸さんら各界の識者が選りすぐった世界文学のほか、村上作品の副読本となるような書籍がテーマごとに抜群のセンスで配架されている。
    並んだ本はみんなどこか誇らしげで手に取られるのを待っているように感じて、心底一冊ずつ目を通したかったんだけど、時間制限もあったしカフェでも読書したかったしで、どれを読むか迷いに迷ってたときにズバッと目に飛び込んできたのがこの「またたび浴びたタマ」でした。ずっと読みたかったやつ。
    春樹さんがひねりだした回文と、その解説のような小説のようなものが50音順に繰りだされるという、遊び心あふれる本。
    「心はマルクス、車はロココ」、「そうよ、私したわよ。……嘘」、「トナカイ好きな鱚、いか納豆」などなど、その独特な世界観がおもしろいのなんのって。
    ちょっと緊張してた心がいい塩梅にほぐされて、珈琲すすりながら何度もくすっとしちゃいました(ニヤニヤ顔で他の人がみたら怖かったと思う)。

    駆け足で30分ぐらいで読了。館内を見学してお茶して読書して……とやっていたらあっというまに退館の時間になっちゃうね。
    オープンしたて&コロナ禍だからということなのか、今は各回とも90分ごとの時間枠になっているのだけれど、ゆくゆくはどうなるんだろうな。だっていくら時間があっても足りないし一生いられるよこんな最高な場所……。ただおかげで全然混雑は無く、ゆったり寛ぎながら時間いっぱいまでじっくり楽しめました。早稲田の学生さんが羨ましいなぁ。

    興奮冷めやらぬでぐちゃぐちゃな感想になっちゃったけど、とにもかくにも一つの独立した図書館として、本当に居心地の良く、調和のとれた素晴らしい空間でした。
    またすぐに一ヶ月後の予約をいれたという。

  • (2020/6/10読了)
    カルタのように、五十音分の回文が紹介されている。友沢ミミヨさんの絵もナイス!
    後書きに、小説を書かないと決めた年の正月に、手持ち無沙汰でメモ書きで作ったとある。
    だから、読み手も、読んだと言うより遊んだ?って言った方がいいかな。

  • 画/友沢ミミヨ
    装幀/大久保明子

  • 確実になんの役にも立たないであろう回文の本です。
    読んでいると笑えます。
    確実に笑えます。
    私は超笑いました。
    しかし本当になんの役にも立たない本です。
    でも面白い。
    あまりにも面白すぎて笑えてしまうので、電車の中では読まないほうが良いです。
    電車の中でも思わず笑ってしまいますから。

  • 村上春樹の五十音回文集。絵がとてもかわいい。
    ねだんたしたんだね(値段足したんだね)
    ひまな授業中に自分でも考えてみるけど、やっぱり難しい。村上春樹はすごい。

  • Hewさんのお勧め本。
    最近、フジモトマサルの回文本を続けて読みましたが、よもや村上春樹まで回文本を出しているとは思いませんでした。

    発行年を見てみると、この本が2000年、『ダンスがすんだ』は2004年、『終わりは始まり』は2008年なので、フジモト氏の方がアイデアをもらったのでしょうか?

    とはいえ、似ているのは作り方だけで、イラストレーターのフジモト氏は、イラストと回文を、作家の村上氏はショートショートストーリーと回文を担当しています。
    今回のイラストは、丸みを帯びた脱力系の絵を描く友沢ミミヨでした。

    あいうえお…と、50音順の言葉から始まる回文が掲載されています。
    『ダンスがすんだ』を読んだときには「旦那がなんだ!」が気に入りましたが、この本には
    「蓋がなんだ!旦那がタフ」
    というバリエーション(?)が載っていました。

    おもしろかったのは
    「裸体が渋い武士がいたら」 です。
    (渋い裸体って、どんな感じ?)と笑ってしまいました。
    村上氏は『七人の侍』での三船敏郎の裸体がまぶしかったそうです。
    まぶしい裸体だったらわかるんですけれど、このちょっとした収まりの悪さが、回文の味わいですからね。

    ただ、この本も、『ダンスがすんだ』同様、ページがふられていませんでした。
    なぜ書籍なのにないのでしょう?腑に落ちません。

    村上春樹は、深刻で哀しげで謎に満ちた作品を書く人、というイメージを強く持っていますが、この本は、別の意味で謎いっぱいの一冊になっています。

  • 五十音順回文集。何の意味もないようなことでもそれがたまにはいい。かな?

  • 猫は、マタタビに含まれる成分が鼻や上あごにあるヤコブソン器官を刺激することで、脳の中枢神経が活性化されるため、マタタビを好む。この結果、猫は陶酔したように動き回ったり転げ回ったりする「マタタビ反応」と呼ばれる行動を示す。


    面白い。どこか懐かしさを感じさせるイラストも相まってほっこりする。
    「2000年の正月には一切仕事をするまい」と心に決めた村上がフラフラと働く脳の捌け口として作った回文集。ほとんど意味のないことを、全力で追求するのもたまにはイイものだ。

    酢橘だす
    心はマルクス、車はロココ

  • p.2001/2/19

  • 村上春樹による回文集。
    ・心はマルクス、車はロココ
    って意味ありげですごい。

  • 回文です。
    あいうえお順にイラストと短い文章のものです。
    楽しく読みました。
    ちょこっと書いてある文章がまた楽しい。
    イラストもこの本にピッタリだと思いました。

  • 京都・知恩寺の古本市で購入しました。
    村上作品ですが、出版当時は「回文なあ…」と思って買わず。
    今回見かけた時、値段を見るために箱から出したらオシャレな装丁で、回文ひとつひとつに短文が付いてたので買いました。

    内容はまあ取るに足らないものですが、「七人の侍」のセリフについて書かれてたりして、ほうほうと思ったり。

    これだけの回文を考えるのって大変でしょうね(当たり前の感想)。

  • テーマはおもしろいですが、内容はそんなにおもしろくありませんでした。

    回分の労作が五十音にしたがって紹介され、それにイラストとミニエッセイが添えられていますが、どれもまあ、なんというか。ときの日本人メジャーリーガーがかなりの頻度で登場しますので、どうしても時代を感じてしまいます。

    本自体の形態も独特ですが、ちょっと読みづらかったです。

  • これはシャレオツなハルキストの評価低いだろうな…と思ったらそうでもないみたいで、ちょっとビックリ。


    以上です←

  • 脱力できる

  • 面白い

  • 回文
    たのしいよね

  • かの村上春樹氏が、回文でかるたをつくりました。
    回文とは、上から読んでも下から読んでも同じ言葉という、あれです。

    私は村上春樹氏の小説が大好きです。つづられる言葉ひとつひとつが好きなので、小説は何度も何度も読み返しています。
    今回あげた本は文学でもなく、実際なんの意味もないんですけど、なんとなくぷっと笑って、楽しい気持ちになれる本です。

    一例抜粋
    ええがたがええ → A型がええ
    こころはまるくすくるまはろここ → 心はマルクス車はロココ
    そうよわたししたわようそ → そうよ私したわよ・・・嘘
    つますろめのめろすまつ → 妻、スローめのメロス待つ

    ため息が出るほど美しい回文ですね。はあ。
    こんな素敵な回文を原文のまま読めるなんて、日本人に生まれて幸せです。
    ちなみにこの本にはかわいいイラストと、回文に関する短い文章が載っています。
    メロスの状況などもちゃんと解説してくれています。
    スローめのメロスについて気になる方は、ぜひ。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。『風の歌を聴け』(1979年)で群像新人文学賞を受賞し、デビュー。『羊をめぐる冒険』(1982年)で野間文芸新人賞受賞。『ノルウェイの森』(1987年)がベストセラーとなる。海外でも高く評価され、2006年フランツ・カフカ賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞を受賞。その他受賞多数。

「2016年 『村上春樹とイラストレーター 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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