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Amazon.co.jp ・本 (544ページ) / ISBN・EAN: 9784163570303
みんなの感想まとめ
内向的な少年がどのようにして凶行に走るのか、そしてその背後にある社会の問題を探る作品は、宮崎勤事件を中心に展開されています。著者は、事件を通じてバブル崩壊後の時代や心の内面に迫り、精神鑑定の結果に疑問...
感想・レビュー・書評
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彼の中で一体何が起きていたのか。極端に内気で何をするにしても他人に答えを求める、いや答えを求める事すらできないほどの内向的な少年はサブカルと出会っただけで殺人に走るのか。
答えは否である。
結局、彼は何もかも隠したまま、自分自身を自分の作り上げた帝国に隠したまま刑を執行された。
酒鬼薔薇聖斗事件もそうだったが、彼らは結局、本来明かすべき己の内面を隠したままなのだ。優れたノンフィクションだし、リーダブルだから面白い。だがどうしても「彼ら」の内面が見えてこないのだ。そこにはポッカリと空いた何もない空間があるのみ。
読んでよかった。宮崎勤事件を扱った本だから不謹慎だし、こういう言葉しか思いつかないのだが、面白いし、興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
03077
ベルリンの壁崩壊という一見無関係な風景を冒頭に据えたことで著者が宮崎事件を材料にバブル崩壊後の時代の全体像を描こうとする意気込みが伝わってくる。
3種類もの異なる結果が出た精神鑑定に疑問を投げかける著者は宮崎の内面理解に努めている。少年時代の宮崎の片手の障害のエピソードにやや感情移入しすぎの感はある。
宮崎の撮影したビデオに対する見解はそのまま、鑑定人たちの誠意式の違いだと看破するあたりは鋭い。宮崎事件で表面化した郊外の抱える問題は、その後の酒鬼薔薇事件につながっていく。 -
20世紀の大事件、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人を起こした宮崎勤について3種類存在する精神鑑定を下地に、なぜ彼はそのような凶行に走ったのか彼の内面を探り、またそれと同じく衝撃的な事件だった酒鬼薔薇事件を引き合いに、この時代というものを考える。
宮崎勤の事件については当時幼かったためか、まったく記憶にはないが、有名な事件なので概要は知っていた。だけど、まさか犯人がこのような人だとは。
私は彼に何一つ同情はできないし、起こしたことを鑑みても死刑は妥当だと思う。本来ならば自分が何をしてしまったのか理解させてからのほうがいいのだろうけど、恐らくそれは彼には一生かかっても分からなかったんじゃないかと思う。
こうして信じ難い事件を起こす人間は定期的に発生する。過去は変えられないとして、未来に向けて彼らを生み出さないためにはどうすればよかったのか、ひとりひとりが当事者となって考えるべきなんだろう。
でなければ、明日自分が被害者に、目撃者に、第一発見者にならないとは言えない。そういう世界に自分が生きていることを感じた。 -
森達也の「U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面」を読んでから、いつかは読まねばと思っていた。書店に行くたびに探していたけれどなかなか出会えず、地元の図書館でついに遭遇。
この本で触れられた事件について、ここまで掘り下げて考えていた人がいたとは。ある事象を一方向からだけ見るのではなくて、想像力を働かせることは心がけていきたい。 -
2016年1月4日、読了。
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情感たっぷりな宮崎勤本
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2009/2/25(〜p123),26(〜p286),27(〜p457),28(〜p543終)
友人が読んでいた時があり、気になっていたので読んでみました。
これは私が生まれる1年前の1988年に起きた事件の容疑者・宮崎勤の事件当時の彼の犯行状況や、そのときの精神状態、彼の過去の家庭状況などが詳しく書かれており、彼が犯行に至るまでの経緯、恐ろしき真相が書かれている。
彼は精神面に以上はないということで死刑判決を下された。
4人の幼女を殺害し、1人は食した。そんな彼の精神は"正常"だと言い切れるのだろうか。しかし逆に"異常"という言葉だけで片付けられるものなのだろうか。
読む前までの私の印象は「彼は幼女を殺す変態異常者だ」という感覚だった。残忍であり、殺されてしまった少女達への扱いは酷虐極まりなく、想像するだけで鳥肌が立つものである。しかし、読みすすみ、私たちが知らなかった真相を知ってしまった後は、私は彼に「彼は〜だ」と肯定することが出来なくなってしまった。
私には彼が"人"に見えなかった。"人"ではないほかのもののような気がしてならなかった。
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