詩歌の待ち伏せ 上

  • 文藝春秋 (2002年6月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (184ページ) / ISBN・EAN: 9784163586205

みんなの感想まとめ

詩と短歌の魅力を探求する作品は、言葉の「間」の重要性を強調し、詩が持つ独特の空間を大切にしています。著者の北村薫は、詩への思いを深く語り、特に初版のレイアウトや空白の意義に触れています。上下巻の構成は...

感想・レビュー・書評

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  • あの北村薫さんが、詩についての想いを述べてくれる。やはり短歌ではない分、詩は少しとっつきにくい。ただ詩は、文庫本なんぞで、最初の初版とは違って単に詰め込んだ本がみうけられますが、やはり最初のレイアウトを忠実に再現して欲しいと。空白も作品のうちですと・・・。


    詩も短歌も、広げたその空間にある事が、その言葉を際立させる・・・。
    なにごとにも・・・「間」は大切ですな。

  • 下巻を上巻よりも先に再読し、やはり上巻も再読しなければならないとすぐに手に取りました。
    下巻を先に読んだので、かえって上・下の流れが見えたような気がします。上巻の方が「待ち伏せ」の感じが強いように感じました。待ち伏せされた筆者がその待ち伏せのきっかけを求めてどんどんミステリーにはまっていく、というか、自分の心の謎に向かって進んでいくミステリーに変わっていくような、そんな雰囲気の上下の構成に感じました。
    「九」の辺りから雰囲気が変化していくように思えたのです。
    時々、「幸せは、幸せになる準備ができている人に訪れる」というような言葉を聞きます。文学の楽しさに出会い味わうためには、同じように、文学を楽しもうとする心の準備ができていなければ、見逃してしまうことが多いのだろうと思いました。いつでもその準備をしていようと思いました。
    筆者と同じように文学を楽しんでいきたい、そう思うというよりそう決意したくなる一冊でした。

  •  北村薫という人を読んだことがありませんでした。人気のミステリー作家だということくらいは知っていましたが、ぼくの中で「もうミステリーはめんどくさい」という気分がある時期から広がって、ついでにエンターテインメント系の本からも遠ざかりました。読み始めて気に入ってしまうと、次から次へと、まあ、収拾がつかなくなるのが「めんどうくさい」気分なのです。
     友達が「結構シャレていいですよ。」というので、知らん顔をするのもなんだから読み始めました。面白いじゃないですか。わざわざ「ミステリー系」を避けてこれから始めたのですが、結局「太宰治の辞書」とかに手を広げて、やっぱり収拾がつきません。
     で、この本なのですが、高校の先生が授業の前にしゃべり始めて、30分くらいいい気持ちでやってて、「じゃあ、ちょっとこの詩読んでみようか。」で十五分くらいで済ます。そういう、イイ感じですね。
     ホントは一生懸命調べたんでしょうが、教壇では余裕かましている感じがとてもいいとハマりました。
     中にある石垣りんさんの話についてちょっと書きました。覗いてみてください。
     https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202007100000/

  •  詩心なき者の心に種を蒔き、詩心ある者を刺激して止まない名著である。
     名詩のアンソロジーとしての側面がある。西條八十「蝶」に涙ぐんでしまう。

  • 再読。

    詩という楽譜を読んだときに、どんな音楽がその人の心に奏でられるのか。人はそれぞれに異なった弦を持つがゆえに、同じ詩を読んでも違った音色がそれぞれの心に響くものなのだろう。

    繊細で美しい弦を持つ作者が、豊かな語彙が生む表現力と、読書量と知識量が裏付ける技術力によって、作者の心に流れた音色を聞かせてくれる本書。「評論」もまた「創作」の一つの形であると頷かされる。
    紹介される詩もひとつひとつ素晴らしく、「ふらここ」の一連の文章は、子であり親でもある私自身の心に強く響いて、涙をこらえるためにしばらく本を閉じなければいけなかった。

    「れ」の詩は、恥ずかしながら私も、子供が「れ」という形の中にカンガルーを見つけたことを読み解けなかった。
    けれどそう思って読んでみると、子供の無邪気な発見のかわいらしさは言うまでもなく、作者の指摘通り、その子供の言動を書き留めておこうと思った母親の目線まで含めてひとつの作品なのだと気づいた。
    子供の幼い言動をたまらなく愛おしく思う母と、その愛情にくるまれている子供の、胸があたたかくなる一編だ。

    (私の読解力や感性の問題で)解説されて初めて良さがわかる詩が多く、なにげない景色の中に眠る宝物を教えてもらえるような体験ができる。

  • 北村薫さんの授業を受けてみたい!と思う。
    そして読みたい本が増える…

  •  「身体髪膚之を父母に受く。敢えて毀傷せざるは孝の始めなり。」そこには、すでにない両親が自分の内に生きている、生命の灯が繋がっている、という思いがある。本当にそうだと思います。「親が泣くぞ」という戒めの言葉も、少し似てると思います。北村薫「詩歌(しいか)の待ち伏せ(上)」、2002.6発行。「シクラメンのかほり」 かほりという日本語はない。現代だとかおり、旧式だとかをり。作者は、正誤の問題ではない。私のイメージは「かほり」。かほりという名の女性、いらっしゃるのではないでしょうかw。

  • 詩。短歌。俳句。出会い。十六、「ふらここや」「ふらこゝの」を読みながら、ブランコというとミュージカル『コンタクト』の第一幕を思い出すなぁと思っていたら、フラゴナールの「ぶらんこ」が出てきて、待ち伏せされた!と興奮してしまった。

  • 詩歌には疎いのだけど、大好きな北村薫が紹介してると、分からないながらも面白い。今度は下を探してみよう♪

  • 2002年6月15日 初、並、帯付
    2013年8月11日松阪BF。

  • ひっそりと、そこここに、詩歌の花は咲く。

  • 著者が今まで出会った詩歌の中で印象に残っている作品を紹介している本です。改めて著者の、いや、物語を作る人たちの読書量や知識の広さと深さに感じ入りました。見習わなければ!

    三好達治の『甃のうへ』が少しだけ引用されていたのを見て、思わずググって全文を確認いたしました。『甃のうへ』は、高校か中学かで習ったときも綺麗な詩だなと思いましたが、それから十年経った今の私にも相変わらず綺麗な光景を魅せてくれます。(人はそれを妄想ワールドと言う。)

    西條八十の『蝶』という詩にぞっとして、怖いのですが、それも美しいと感じてしまいました。

    今度から図書館の詩集コーナーにも足を運んでみようかと思います。

  • 北村さんの博識にはひたすら舌を巻く。よくこんなに読めるなあ……ものすごく羨ましい。
    こういう「文学」には勉強以外であまり手を出さない私なので、知らないものも多い。だけどほんの一節だけでも見覚えがある、なんてものがあると妙に嬉しくって。ああ、これが「待ち伏せ」なんだな~。
    ものすごく勉強になった気がして、しかも楽しいぞ。ちなみに一番印象に残ったのは「れ」かなあ。カンガルーとは恐れ入った!

  • 北村先生の詩を取り扱った連作エッセイ。
    さすが元国語教諭。

    ぜひもっとメジャーな詩でも
    北村先生の解釈を見てみたいものです。

  • VOWやチョコエッグを買う北村先生にv

  • 啄木や西条八十の詩との幸福な出会い。子供の詩を貶める文章への痛烈な批判。柔軟で屈伸自在な美の結晶「詩歌」を慈しむ名エッセイ。

  • 啄木や西条八十の詩との幸福な出会い。子供の詩を貶める文章への痛烈な批判。
    柔軟で屈伸自在な美の結晶「詩歌」を慈しむ名エッセイ

  • 詩や言葉と出会い心動かされる時、それはそこでいつか出会うべき自分を待ち伏せていたのではないかと思うことがある。
    著者がそんな思いを抱いた詩や言葉を掲げ それに辿り着く道すじをさながら<円紫さんと私>シリーズの円紫さんの謎解きのように 解きほぐしていくのである。
    著者の目と思考の道すじを共に追っているようで わくわくする上下巻である。
    静かな興奮のひとときを過ごさせていただいた。

  • なんとも、極上。早く読んでしまうのがもったいなくて、速読の私もゆっくりゆっくり読んでしまった。北村さんのあたたかな、けれどもするどい視線とやさしさがにじんでいる。

  • 上下巻。筆者の日常のふとした場面で、待ち伏せに遭ったかのように目に入った詩歌を紹介するエッセー。瑞々しい感覚で捉えられた詞は、この人の筆によってより特別なものになる。石垣りんの「悲しみ」、西条八十のメモ、無名の詩人の力強い詞…豊かな感性によってのみ見出される淡い光が、それを讃える言葉によって幾倍にも輝く瞬間を見るようで、自分の目ではそれを見つけられない平凡な人間にとって実に嬉しい作品である。影響で三好達治の「測量船」を購入。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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