昭和天皇 日々の食

  • 文藝春秋 (2004年10月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784163596709

みんなの感想まとめ

皇室の食事に焦点を当てたこの作品は、昭和天皇の日常的な食卓を通じて、彼の人柄や料理へのこだわりを深く掘り下げています。著者は宮内庁の大膳職としての経験を基に、昭和天皇の食事メニューが意外にも豪華ではな...

感想・レビュー・書評

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  • 以前文藝春秋で読んだ。皇室の事や、皇室の食事の事、こだわりの強さがよくわかります。
    昭和天皇の人柄も伝わってくる。
    料理人としての拘りも凄い。亡くなってしまったのが残念です。

  • 宮内庁の大膳職として、昭和天皇や現皇太子に食事を作ってきた著者の回想記のようなもの。さらに先輩格の中島伝次郎氏が記録してきた昭和天皇の日々の食事のメニューがもとになっているとのこと。
    総じて、昭和天皇の食卓に並ぶふだんのメニューはそんなに豪華なものではない。昭和天皇自身もそれほど食にこだわる人ではなかったのではないかな。とはいえ、メニューは平凡でもしっかり手をかけて作られている。料理に入れる野菜の形をそろえたり、ほどよい温かさで食べてもらうためにかける手は並たいていのものではない。ただ、そうするのが大膳職の誇りでもあり、昭和天皇などもそうしたくなるような人物だったのではないかな。
    面白いエピソードもいくつか。ふりかけが好きだったとか。天皇から聞かれないかぎりアドバイスするわけにいかず、天皇は出されたものを出されたままに食べることになっているために、葉をつけたまま柏餅を食べ「まずい」と言わしめた話などやっぱり普通の世界とは違うなあ。
    これが皇太子となると、ずいぶん砕けてくる。年越しにラーメンを所望したり、朝食のパンを自分で焼きたいと言ったり、皇室も時代にあわせてどんどん変わっていることが伝わってくる。それでいて、皇太子や雅子さまの周囲への気配りは半端ではない。食事といえば人生の楽しみの一つだろうに、ある意味、こうも不自由というのは大変だろうな。

  • 天皇家の食は、一般庶民の食生活とはまるで異世界。
    驚くようなことばかり。
    以前縁あって今上天皇のお姉さま(厚子さま)へお料理をお出しするお手伝いをしたことがありますが、
    お運びするときは、お膳を胸の高さに持ち上げたことを思い出した。

  • 宮内庁厨司だった渡辺誠氏の著作。
    以前読んだ「殿下の料理番」は現皇太子の担当だった頃のエピソードが中心だったけど、本書は昭和天皇についてのエピソードが中心で、雑誌に連載していたコラムを渡辺氏の没後に編纂したもの。
    いわば、昭和天皇の食べログだ。

    本書には昭和天皇が何を食べていたかという統計まで書かれていて、それに拠れば会食の無い日の昼食はチャーハンや餃子、うどんなど至って普通のもの。昭和天皇は甘い物が好きで、辛いものは苦手、おかずが気に入らない時はご飯にフリカケをかけて済ませるなど食事に関しては子供っぽい嗜好だったらしい。
    朝食はシリアルかオートミールしか食べなかったのは有名な話だ(シリアルは市販品を使っていたそう)。

    だが、そこはそれで天皇の料理番ならでは珍妙なルールもある。
    例えば、素材の切り方は全て同じ大きさでなくてはならず、ちょっとでも不揃いなら最初からやり直し。また、食べられない物は食卓に上げてはならず、ブドウなどは切込みを入れて種を取り除き、焼き魚は一端慎重に開いて骨を除いてから元の形に戻す。グリンピースなども皮を剥いて出すのが決まりで、パーティーで数百人分のグリンピースを剥かねばならない時は前日から徹夜で作業したのだそう。
    渡辺氏が厨房入りした時には行われていなかったそうだが、かつては「天皇に糸を引かせるのは申し訳ない」という理由で納豆やジュンサイはぬめりをすっかり取り除いて供していたというから旨味も何もあったものじゃない。

    そんな奇妙な世界を物語るエピソードとして、筆者のこんな失敗談も書かれている。
    ある日、天皇の食卓に柏餅を運ぶように仰せつかった渡辺氏は、それを配膳係の女官に渡すと控えの間で待機していた。すると、御簾の向こうから天皇の「おいしくない」という声が。何事かと思って戻ってきた皿を確認すると、そこには柏の葉の筋だけが残されていた。
    生まれた時から天皇家の食卓しか知らない昭和天皇は柏餅の葉を取り除く事を知らず、且つ律儀な性格でもあるから、あの硬い葉を綺麗に葉脈だけ残して食べつくしてしまったのだ。
    渡辺氏が憤慨したのは、天皇の傍にはお付きの女官が常に控えていたのに、何故彼女らは教えてあげなかったのか。だが、直答といって天皇に直接話しかけることは禁じられており、天皇から「この葉は食べられるのか」と訊かれない限り、分かってそうしていると考えるのが習わしなのだそう。

    未知の世界についての好奇心はもとより、渡辺氏の軽妙洒脱な文体が心地良い一冊。

  • 文章がとてもきれいです。


    お食事を作る場所は 「大膳」というらしいのですが
    そこに配属されるまでや
    配属されてからの仕事の内容などが書かれています。


    納豆は糸をひくからみっともないからと
    納豆を洗って調理した時代があったとか
    熱いのみものは 出されることがなかった とか

    畏れ多いと思うことや
    日本を代表する人の公的私的な食事と思うあまりに
    普段とはかけはなれていく。


    好きなものを好きなようにたべることができるという生活
    自分が自分の職業を自由に選びとって生きるということ
    それは ほんとうは贅沢なのかもなあ と思ったり、しました。



  • 歪んだ庶民性。

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