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本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784163598802
感想・レビュー・書評
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小川洋子さんは「博士の愛した数式」を読んでから好きになった作家さんです。小川洋子さんの優しい雰囲気あふれる本が大好きです。
特に面白かったのは「キリコさんの失敗」ですね。キリコさんの失敗はよく国語の問題文に出てくるので知っている場面もありました。でも初めて全体を読むことが出来てもっと内容が深まったと思います詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんだかメルヘンのお話を読み進めて
いるようにふわふわしていたら読み終わって
しまった感じ。
はじめての文学というくくりなので
それ以外のテーマがあるわけではないと
思うが、小編のどれにも死が関わっている。
ちょっと物悲しいけれど、深刻ではない感じ。
さらっと読み終わってしまったのに
ふわふわの余韻が周りに漂っている。 -
はじめての文学シリーズ
文学の入り口に立つ若い読者に向けた自選アンソロジー。『冷めない紅茶』『薬指の標本』 『ギブスを売る人』『キリコさんの失敗』『バックストローク』の短編5作が集録されている。『キリコさんの失敗』が好きだった。
全体に死や喪失の雰囲気が漂っていて、残酷な描写もあるが、上質な絹に包まれているような心地良さがあり、読了後は温かい気持ちになった。
本を読むことは「学校や家族や、そんなちっぽけな場所から脱出し、世界の果てを旅して、自分の小さな足跡を残すこと」
「そこにいない遠くの誰かと秘密の会話を交わしている」
「記憶は、自分の物でありながら、自分の意志で整頓し直したり燃やしたりゴミに出したりできない物なのだ。」 -
文章が美しい小説を探していたところ、yahoo知恵袋で小川洋子先生を紹介している方を発見し手に取る。短編集だったので活字離れしていた身でもスラスラと読み進めることができた。
独自の世界を持っており、読み終わると薄ら寒い感覚が残った。下調べをせずに読み始めたため、最初の短編のラストは「おお、ホラーなのか」と身構えてしまったが、読み終えたあとだとホラーとカテゴライズするのはまた違う気もする。
恐怖というより、この小説の主人公は随分と繊細でガラスのような、冷たさを感じてしまう世界で生きているのだ、と思った。
小川先生の作り出す世界は、これまで触れたことのないものだ。繊細で、寒々しい。しかし、主人公の行動の描写が、心情表現を使わなくても察せられるほど分かりやすく描かれていた印象だ。
話ももちろん面白い。加えて、「文体が綺麗な小説」を求めていた私にとって、世界にはこんな綺麗な文を書く人がいるのだな、と分かる一冊だった。 -
短篇集。艶やかで淡い文体で、芸術品を鑑賞しているかのような感覚を覚えた。
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短編集。
不思議な魅力があり、惹かれる設定が多くさらさらと読めました。
ただ、終わり方はどれも中途半端、というか後味が悪いというか…。
このシリーズの他の作者の本も読んでみようと思います。 -
静かで奇妙で美しい。
哀しく,残酷で,不思議な雰囲気に引き込まれた。
いい作品に出会った!という静かな興奮に満たされた。 -
無機質な感じと不思議な温かさ・優しさが同居した、独特の短編集。結構ゾクゾクと怖かったりグロかったり…読んでいて「車酔い」のような感覚にとらわれたが、酔いつつも怖いもの見たさで、微妙にねじれた世界の奥深くに入っていきたくなった。その「ねじれ」を淡々と受け止めている主人公たちの佇まいに惹かれた。いい年してナンですが、結構ダークで不気味な内容なので、夜には読めないと思ってしまった…小心者です。
5つの短編の中では、「キリコさんの失敗」が一番好きだった。そして、本への愛情にあふれたあとがき「カタカタ鳴る本」も。 -
描写が、なんとなく無理な感じがしました。
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著者の作品をまとめてお読みしたくて。すべてすこし不思議で死が漂うひんやりした雰囲気のお話でした。なのにやさしくてふんわりあたたかい雰囲気もあり不思議でした。この本の中では「薬指の標本」が一番印象に残りました。はじめての文学シリーズというだけあって読みやすかったです。
著者プロフィール
小川洋子の作品





