はじめての文学 桐野夏生

  • 文藝春秋 (2007年8月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784163599007

みんなの感想まとめ

人間の弱さや愚かさを描く作品が特徴的で、深いテーマを持つ短編が収められています。特に冒頭の短編は、内容が過激であるために対象年齢に慎重になる声もありますが、それが桐野夏生の作品らしい一面とも言えるでし...

感想・レビュー・書評

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  • 非常勤学校司書になりたての頃、このシリーズをいくつか読んだ。
    名前は知っているが、読んだことがない作家の本を知るには丁度良い。
    しかし、冒頭の短編は中学校の図書館にあっていいのだろうか?と思ってしまうような内容だった…うーむ。2019.5.2

  • 近所の図書館で、この文藝春秋によるはじめての文学シリーズを知った。大久保明子さんによる装丁も美しい、人気作家シリーズ。その中に、私が一番好きな小説家である桐野さんの巻もあると気づき、即購入。当時小学5年生だった娘に読んでほしいと思ったが、他の方のレビューにもあるとおり、特に冒頭の「使ってしまったコインについて」は結構過激な性描写もあり、娘にはまだまだ勧められない・・・。

    あとがき「小説には毒がある」が秀逸で、この本を買ってよかったと思ったし、だから私は桐野さんが好きなのだと改めて感じ入った。桐野さんの作品はしばしばグロく、読み進めるのがきついこともあるが、それは桐野さんが人間の弱さや狡さや愚かさを描いているからであり、そういった小説家自身の言葉に若いうちに出会えるのは幸運だと思う。性描写がやや気になるが、娘の中学入学祝にはこれを全巻購入して、私も一緒に読みたい。

  • 面白い話、アンボス、そうでもない話、コイン
    があり、この作者らしさだなと思った。

  • この作者の本は初めて読みはしたがなんとも言えない作品でした。
    家でひとりっきりで読むのが一番ぴったりだと思いました。

  • 桐野夏生は、大分前にグロテスクを読んだせいか、
    重くて目を背けたくなるものを書く印象を持っていたのだけれど、
    これは学生向けにセレクトしたものだったのか、
    内容は確かに重いのだけれど読みやすかったし単純に面白いと感じた。

    きれいな見た目をもっていて男の子受けもよいいわゆる「女の子」と自分を比較したりだとか、彼女たちへの妬みや避けようの無い感情に共感した。
    なんで自分は人に嫌われるのだろう?っていう最後の物語の主人公のセリフ、辛い。
    努力してみんなと仲良くしようとするのに、受け入れてくれない。
    わたしは努力の段階で諦めて逃げてしまっているけど、彼女は違うから、ダイレクトな苦しみが辛かった。

  • 私は「植林」が一番面白かった。
    自分で思い出を都合よく解釈してたり、意外に簡単に転機って訪れたり…ハッと思い起こされてぞくぞくっとしてしまった。

  • 桐野夏生さん作品を読むのは2冊目。
    あとがきに著者本人も書いているが、全体的に毒が強い...。終始たじろいでしまった。
    最初の「使ってしまったコインについて」は途中からあまりにもアブノーマルすぎる世界で気持ち悪くなった。
    「嫉妬」「アンボス・ムンドス」は人間の闇や醜さがよく書かれていて、ヒリヒリした。
    その中でも最後の「植林」が特に印象に残り気になった。主人公の孤独や疎外感がこちらにも伝わり、痛々しい。
    この毒が著者の持ち味なのだと思うし、他の代表作品も読んでみたいと思う。

  • 2025年3月11日、グラビティで京大医学部目指してて京大理学部合格したと報告してる高三の子が投稿してた。「最近はこの二つが勉強するモチベになってるんだけど、自分ばどうやら水色が好きらしい」

  • 2016/12/28 読了

    短編集

    この作者の書く主人公は世の中や多数派の人などをあまり良くないように(くだらない、バカだ、私は人と違う、特別だ など)思っていることが多いように感じる。

    ▽使ってしまったコインについて

    ▽アンボス・ムンドス

    ▽リアルワールド「ホリニンナ」

    ▽嫉妬

    ▽近田によるあとがき 近田ひさ子

    ▽植林


    【あらすじ、人物・内容紹介】
    ▼使ってしまったコインについて
    (主要人物)トモ、ミク、津島

    ▼アンボス・ムンドス
    (主要人物)浜崎⇄池辺、サユリ、青木玲子

    ▼リアルワールド「ホリニンナ」
    (主要人物)山中十四子(トシちゃん)(=ホリニンナ)、ミミズ、テラウチ、ユウザン、キラリン

    ▼嫉妬
    (主要人物)与謝野、近田、北本、火渡さん

    ▼近田によるあとがき 近田ひさ子
    (主要人物)近田、火渡さん

    ▼植林
    (主要人物)宮本真希、船井、鈴木さん

  • 桐野夏生さん、お名前だけは存じ上げていたものの(でも読み方間違ってた。「なつき」さんだと思ってたし男性だとも思い込んでた。ひどい)、作品の方は拝読したことがなくて……という有様だったので、『はじめての文学』で人生初のキリノ体験させていただきました。

    やっばい。

    こっわい。

    収録されているどの作品も、陰惨で、恥ずかしくて、正直正視するに忍びなさ過ぎるような真っ黒いものがボコボコ煮え立っているんだけど、実は自分の内側にも同じものがあって、頭では嫌だ嫌だって言いながらも心は共鳴して最後まで読まされてしまった……。そんな感じ。
    その「真っ黒いもの」があとがきに言われている「毒」だとするなら、確かに自ら進んで毒を喰う行為はクセになりますね。

    顔を覆った手の指の隙間から盗み見るような、そんな怖いもの見たさでもって、他の長編も読んでみようと思いました。

    【収録作品】
    使ってしまったコインについて
    アンボス・ムンドス
    リアルワールド「ホリニンナ」
    嫉妬
    近田によるあとがき 近田ひさ子
    植林

  • 本当におっかない才能です、この作者。

  • 使ってしまったコインについて ×
    アンボス・ムンドス ◎
    リアルワールド「ホリニンナ」◯
    嫉妬 ◯
    近田 △
    植林 ◯

  • 図書館借り。
    アンボス・ムンドスが好き。

    女子プロレスの小説は知らなかった。
    今度読んでみよう。

    最後の植林は、すごい毒。
    これ、中高生で読んだらちょっとひねくれそう。
    これを最後に持ってくる桐野夏生さんのセンスに⭐3つ!!

  • 『アンボス•ムンドス』、面白かった。ちょうど、野島伸司ドラマ『人間失格』を観たばかりで、なぜいじめを止められなかった担任教師が生徒から恨まれないんだろう?と消化不良な気持ちだったので、やっぱりそうだよねと納得しながら読んだ。

  • これを読んで「ファイアボール・ブルース」を買った。今回は「アンボス・ムンドス」が読みたくて再読した。女の嫉妬を感じる作品が多くて好き。

  • 文学の入り口用に作られたシリーズ。自選アンソロジー。
    桐野 夏生編。
    『使ってしまったコインについて』『アンボス・ムンドス』
    『リアルワールド「ホリニンナ」』『嫉妬』『植林』収録。

    この人の売りは毒のようですが、含まれてるのはレディコミ風の毒。
    悪意や嫉妬や卑屈さ、コンプレックス、偽物の強さ、そういったもの。
    この人の小説を退化させまくっていくと、携帯小説になる気がする。
    そういう種類の俗っぽさを、魅力と捉えて表現してる作家さん。

    水があう人にはあうでしょう。
    私はもっと人を切り裂くような、劇薬に近い毒物的作品が好きです。

    一番心に響いたのは、あとがき。
    要約すると
    「優れた小説には、人間の弱さ・狡さ・愚かさ・利己的な面が描かれている。
    それは人間に備わっている、誰よりもよくありたいという欲望のせい。
    欲望が良い方向にむけば、優れたものを生み出す原動力となるが、
    時として悲劇を生む。人間の欲望こそが小説の魅力」

    ここ最近、私は「なぜ人は嫉妬をするのか?」という疑問を抱いて、
    それは「ありたい」という意志に基づくのではないかと仮定した。
    でも自分は絶対評価型の人間なので、自力では
    「誰よりもよくありたい」という相対評価思想に辿りつけなかった。
    このあとがきは自分にとって、有益な情報だった。

  • 初桐野夏生作品。タイトル通り、はじめての人にも読みやすくなってるオムニバス短編小説。
    最初の小説が女性同士の同性愛系だったので、ヤバイ全部読めるかなと思ったものの、他の作品はそうでもなかったので読了。
    人間の暗黙のルールを突き破る系統というか、長いものには巻かれないぜ系なお話?
    読後の倦怠感はあるけれど、好きな文章なのでまた読んでみようと思った。
    アンボスムンドスが一番好き。

  • でました、「はじめての文学」シリーズ。

    子供用の場所にありましたが、
    大人が読んでも 全然 大丈夫
    むしろ てっとりばやく 
    その作家の感じがわかって いいかも。

    そこから その作家を読み始める。。。という
    意味での「はじめて」かも。

    そのとおり 他の作品も 読んでみたいと思いました。

  • こわいね〜、こわい、こわい!
    これだけ毒が抽出されていたら、
    文字通り「はじめて文学」した子は
    ぶっ飛んじゃうよね。

    でも、生まれて初めて出会った世界観に
    強烈に惹き付けられる子も、
    きっといる気がする。
    小説のすごさを教えてくれる本。

  • 「使ってしまったコインについて」が強く印象に残っている。

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著者プロフィール

1951年生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞を受賞。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

桐野夏生の作品

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