だれがコロンブスを発見したか バックウォルド傑作選

  • 文藝春秋 (1980年11月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784163627106

みんなの感想まとめ

多様な視点から社会や歴史を鋭く切り込むコラム集は、読者に思考を促す内容が詰まっています。著者はアメリカと自由主義諸国の矛盾を痛烈に指摘し、さらにソヴィエトや社会主義国への批判も展開します。特に「善玉と...

感想・レビュー・書評

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  • これも私が好きな開高健が勧めた本である。アート・バックウォルドのコラム集の第一巻で、アメリカと自由主義諸国のはらむ矛盾を著者が痛烈に誂うと、すぐにモスクワの新聞に出る。しかし、翌週辺りに素早く返す刀でソヴィエトと社会主義諸国を斬って捨てる。何を笑うかで貴方がわかる、という警句がある。
    さて、私が面白いと思ったコラムを一つ。『善玉と悪玉』。映画を見た息子が、「戦争中に日本人はアメリカ人に拷問をした悪い人間なの」、と問うた。「あぁ、しかし今はもう悪い人間ではないんだ」、「昔は悪いことだと知らなくて、良いことだと思っていたんだ」。「だったら、何故教えてあげなかったの」。「教えようとしたさ、だが耳を貸さなかった」。すると息子がニ、三週間前に見た映画について「ドイツ兵が収容所でかわいそうな人や子どもを痛めつけていた」、「ドイツ人は悪い人間なの」。「いや、昔は悪い人間だったが、今は良い人間だ」。息子はぽかんとした顔で、「お父さんは戦争中にロシア人を殺した?」。「いや、ないね。戦争中ロシア人は良い人間で、イギリス人やアメリカ人と同じようにドイツ人と戦ったんだ」、「たいていのロシア人は良い人たちだ。我々は彼らの指導者たちの言うことや、これからしようとしていることに賛成できないんだ、だからドイツでゴタゴタが起きているんだ」。「悪いドイツ人と?」。「いや、良いドイツ人とだ。悪いドイツ人が良いドイツ人をベルリンから追い出そうとしている」。「ロシア人はどうして悪いドイツ人を殺さないの!?」。「ロシア人は彼らのドイツ人を悪いドイツ人だと思っていないんだ。連中は良いドイツ人を悪いドイツ人だと思っている。我々もあっちのドイツ人、少なくともにあっちのドイツ人の指導者は悪い人間で、こっちのドイツ人は良いやつだと思っている、わかったか?」。「わかんないよ」。「まあ、いいわかってもらわなくても構わない」、私はムシャクシャしながら「おまえ以外の人間はみんなわかっているんだから。こんな馬鹿げたことを根掘り葉掘り詮索する子は見たことがないよ、まったく」。
    馬鹿げた疑問だと断じる貴方にこそ、常識を疑ってみる必要があろう。僅か数十年前の敵味方、今では逆転している事実があるのだから(笑)。

  • 中高生のころ地元の図書館で見つけて読んだ。大好きだつた。今読んでもおもしろいか、といふと、「うーん」と思ひながら読み進めていくと、後半になるにしたがつておもしろくなつていく。後半に行くにつれひとつのコラムが短くなること、政治の話が増えることが理由かも。つづきも読むつもり。原書もなかなか手に入らないのがつらい。

  • 時代のせいもあるのだろうが、ジャップやネイティブ・アメリカンを揶揄するようなものが多い。今ならありえないことだ。コラム自体もそんなにおもしろくない。当時の時事ネタも入っているのに、これらの文章がいつ頃書かれたものかが全くわからない。

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