山本七平ライブラリー 1

著者 :
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  • / ISBN・EAN: 9784163646107

作品紹介・あらすじ

日本人を呪縛する「その場の空気」という怪物!「空気」とは何か?この超論理的存在の発生から支配にいたるメカニズムを根底から解明した「山本日本学」の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 存在を知ったとき、そんな本があるんだ、と特に驚いた本。日本ならではの研究テーマなのかもしれないが、「その場の空気」は目に見えないながら重要な役割を担っており、それを解き明かそうとするのは大変面白い。

  • 日本人が事態を何に基づいて判断をしているか、を考える上で外すことの出来ない名著です。
    但し説明に時事ネタを使っている所が分からなくなっているので(丸紅とか)そろそろ注釈が必要になっている。

  • ●場や組織、社会を支配し、有無を言わさない影響力を持つ「空気」とは、一体全体何のかを研究した傑作。その着眼点と分析力、知見の深さに唸らざるを得ない。

  • KYっていうけど、じゃあ「空気」って何?てのを突き詰めて考察した本。

    日本人の心性として、感情の反応が一番正直、と認識する傾向があるらしい。で、自分の属するコミュニティの大勢が同じような感じ方してる、と思った時に「場の空気」が出来上がり、あとは相対的に考えることを放棄してしまいがち。

    ある程度、皆で同じ方向向いてて大丈夫やった高度成長時代は良かったけど、何が正解か分からん成熟社会では、自分の考えを客観的に修正できず感情に左右される状態は致命的。と40年近く昔の著作やけど、今の日本を喝破した慧眼にはただただスゴい人がいたもんだ、と。

    ちなみに、一神教の国では「空気」というものはあまりないそうです。唯一絶対なものは神だけで、あまねく全てのものは相対化される、てことでそらサンデル教授も大活躍するわな w

  • 私たちをときに支配する「空気」とは一体なんなのか。
    どうして日本人はそうした空気を無自覚に醸成し、拘束されて行くのか。
    実体のないものだからこそ、掴むのは難しい。
    けれど、なにせ私たちの生活に根付いたものだから、読んでいて感覚的に分かってしまう部分が確かにある。
    親切心に代表される、他者に対する「感情移入」の絶対化――そのことに気づかず、論理の前提として「臨在感的把握」を置いたまま議論を積み重ねることで醸成されていく空気。その恐ろしさを改めて考えさせられた。

    だいぶ読むのに苦労したけど、読んで良かったと思う。

  • はじめて山本七平の著書を読む。とても社会洞察の鋭い感性に驚いた。また、中東文化に造詣が深い。物事を決めるのに、その場の「空気」に縛られることは、日本独特のものの考え方であり、多神教の文化にも通ずるものがあるようだ。「事実」よりも「実情」が優先される風土も「空気」に縛れている。内的言語、外的言語、そして中間言語なる表現が新鮮であった。「空気」に対抗する日本文化として、「水を差す」文化がかつてはあった。現在は、KYとして嫌われているが。。。同時に集録されている「あたりまえ」の研究も、日本の実情を鋭く風刺しており、著者の社会を見る目の鋭さに驚愕した。

  • 近年、日本における意思決定では論理的結果ではなく「空気」が決めていた。ここで題材になるのは戦艦大和の出撃であったが、それ以外にも確かに会社の会議や政府の決める事、すべてに論理的結果があったとは思えない。この本では、その「空気」について語られている。その他にも「当たり前」の研究についても記載されているが、前者の濃さは圧倒的だ。
    戦前、戦後だけでなく徳川家から明治維新という流れを視野にして、日本人が持つ曖昧さ、空気を読む力、空気に流される性質を読み解いていく。

    非常に面白く、刊行されて30年経ったとは思えない。
    近年でもハーバードビジネスレビューにも取り上げれていたが、注目べき本であろう。

  • 日本の社会の中に根付いている場の空気、その無形で形容しがたいものを臨在感的把握という言葉を用いて解明しようと試みた挑戦的な著作。

    著作は、30年以上前のものであるが、内容は現在においても通用する、むしろ、停滞する社会の中で「空気」による支配は一層強まっているように感じます。

    難解な文章で、理解できていない点も多いですが、とてもいい本だと思います。また時間をあけて読みたいです。

  • 久々の読書はかなり難解な一冊。すべてを意味理解できる読解力はなかった。。残念ながら。一つ言えるのは、この本で書かれていることが、今の日本の原発問題に非常に似通ってること。原発NOという「空気」に対して、あまりにも科学や数字が無力すぎる現状は、かつて公害問題が起こった時に、工場を全停止しろといった「空気」によく似ている。なぜ欧米と違って日本ではこのような「空気」が最大の影響力を持つのか、それを紐解いた良書だと思います。

  • エラい昔に書かれた本なのに、現在にも通じる日本社会についての洞察だと思う。天皇が神だという教育と、ダーウィンの進化論は矛盾しているのに、何故受け入れられていたのか。僕も日本人やしそんなに違和感感じないんやけど、外国の人から見たら理解できないのは、何となくわかる。しかし、こんなに前からこう言われているのに、結局日本人って変わってないというか、変われないのかもね。

  • 名著じゃないかと思う。


    くそわかりにくかったけど。


    空気で戦争して焼け野原になった日本人として空気支配に対抗する術を学ぶことは必須だと思う。


    そのためには空気がなんなのか知らなければ対抗のしようがない。


    空気が読めない。「KY」が話題になったときがあったけど、あれは一体なんだったんだろう?


    空気が読めない人が誕生したのか。それとも空気を読めない人を排除しようという空気独裁の進行だったのか。



    空気ほど恐ろしいものは無い。



    空気に支配された人々に科学的反論も論理的反証も通用しない。




    竹槍でB29と戦えという人に竹槍じゃ戦えないよという人が空気読めない人じゃどうしようもない。



    空気に対する耐性のために是非ご一読を。

  • コミュニケーションの基本は「論理」と「感情」
    これが普遍的な事実

    これに加え、世界の国で唯一日本に存在するルールがある
    『空気』

    「空気」が「論理」を超越しているのは、
    世界で日本だけである

    大学学部時代の前半、自分はこれに悩まされた
    「空気」という言葉に怯えてた

    「空気を読む」とは何なのか……

    同じ事を著者が戦後に書き下ろしたもの
    同じ思いの人がいてよかった

  • 【2008/09/20】
     とらえにくい「空気」はどういうものか、を分析した本。
     日本では人が集まって意志決定をするとき「空気」が生まれる。そして導かれる結論の根拠は、客観的なデータや明確な証拠ではなく、ただ「空気」そのものによるのだという。「空気」の生まれ方はいつも同じで、「対象を臨在感的に把握してこれを絶対化」し、反対するものはすべて悪であるとして排撃するというものだ。つまりある一つのモノに神秘的なものが宿っているとし、神秘的なものの前では人間はあらがってはいけないことになるのだ。「空気」に従わない者は超法規的に罰されることになる。もっとも強く「空気」が作られるのが「死の臨在にゆおる」支配である。死んだ者は神と同列に扱われ、それに反対することなどできなくなってしまう。戦前の軍隊の意志決定、公害問題、西南戦争や日中国交正常化など、様々な面でこの現象が見られた。
     「空気」の支配はアニミズムの社会の伝統的な行き方である。その場その場で空気に責任転嫁をし、コロコロと状況に適応してきた。島国で平和に暮らしてきたからこその思考である。一方、キリスト教やユダヤ教など、厳しい自然、命をかけた競争の下で生まれた一神論ではそうはならなかった。絶対的なものは神だけであるとし、ほかのものは徹底的に相対化した。どんなものにも対立概念をあてがった。あらゆる命題が自己のうちに矛盾を含み、矛盾を矛盾のままに把握するとき、はじめてその命題が生かされるという思考だった。
     日本では空気の支配に対抗するために「水」をさすという方法が用いられてきた。だが、それは「論理」には無力だった。「空気」の支配をくつがえす新しい「水」は、日本的な「水」と西洋的な対立概念による把握を組み合わせたものであるだろう。

  • この本を読んだので、「KY」という言葉が好きではありません。

  • 日本文化に深く染み渡っている「その場の空気」について、考察した名著。学生時代に一部読んで、凄い本だと感じたことを覚えている。一度通読してみようと思いつつ、30年が過ぎようとしている。今年こそ。

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著者プロフィール

1921年、東京都に生まれる。1942年、青山学院高等商業学部を卒業。野砲少尉としてマニラで戦い、捕虜となる。戦後、山本書店を創設し、聖書学関係の出版に携わる。1970年、イザヤ・ベンダサン名で出版した『日本人とユダヤ人』が300万部のベストセラーに。
著書には『「空気」の研究』(文藝春秋)、『帝王学』(日本経済新聞社)、『論語の読み方』(祥伝社)、『なぜ日本は変われないのか』『日本人には何が欠けているのか』『日本はなぜ外交で負けるのか』『戦争責任と靖国問題』(以上、さくら舎)などがある。

「2020年 『日本型組織 存続の条件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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