環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態

  • 文藝春秋 (2003年6月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784163650807

作品紹介・あらすじ

地球はほんとうに温暖化しているのか。エネルギー資源はほんとうに枯渇するのか。「地球が危ない」という定説に根拠はあるのか。絶望の未来図はまちがいだらけ。

みんなの感想まとめ

地球環境の現状と未来をデータに基づいて冷静に考察する本書は、温暖化やエネルギー資源の枯渇に対する一般的な認識を問い直します。著者は、感情に流されず合理的な政策決定を促し、環境問題と他の社会的課題との優...

感想・レビュー・書評

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  • 20年ぶり?に読んで、リソースは有限なんだから環境問題と他の問題とでは優先順位きちんと決めて取り組もうという話と、環境問題の諸々は騒がれてるほど問題ではないという話が、いまさら読んでも面白かった。20年経過して、本書で挙げられたテーマの現在地は知りたくなった。なんだか今でも変わらず騒いでる人がいるテーマも散見されてるし、もはや風化したテーマもありそう。日本国内はどうだろ。環境問題として本書で挙げられたテーマに、改めて国家的リソースを、具体的には税金を追加で投入することに、大変なブーイングが巻き起こるようになってるように思う。特に国民各位に金銭負担が新たに発生するとか、ナントカ税が新設されるとか、SNSで反響が強い。無農薬オーガニックにも、公費負担で何やらすることには、それって今か?のような反響から立ち消えになる事例も散見される。他はどうだ、日本は産油国ではないのでシェールオイルの環境汚染で騒がれてないし、ウランなど核燃料の鉱山もない、原油やウランの枯渇に切迫感は存在してない。うーん、やはり包括的な現在のアプデが知りたいな

  • 「京都議定書はEUの罠だった」
    https://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51292068.html

  • 地球環境のホントの実態

    ◯世界は良い方向に向かっている。
    ・エネルギーも天然資源も枯渇しそうきなく、一人当たりの食糧はどんどん増え、飢える人は減り、寿命も伸びる。
    ・温暖化はしてるが、CO2をゼロにするという解決策はもとよりずっと酷いことになり、生物多様性が失われるということは0.7%くらいが良いところ。
    ・ファイル棚問題: 何か相関を見つけようとして見つからなかった場合、調査結果は刊行されない。しかし見つけようとデータマッサージをする中で何かが見つかった時初めて何も見つからなかった研究結果も注目を浴びる。

    ◯人口と食糧
    ・人口増加は途上国での出生率増加ではなく、死亡率の低下によりもたらされている。人口密度が最も高いのはヨーロッパであり、人口爆発による問題というものはない。また2100年には100億人ほどでピークアウトする。
    ・人口は1961から2000年で倍になったにも関わらずわ一人当たりの食糧は右肩上がりで増加していて、食糧問題は起きそうにない。途上国での飢餓率も減っている。
    ・緑の革命で、途上国での食糧生産は飛躍的に伸びている。1960から2000で2.5倍ほど

    ◯繁栄
    ・豊かな上位20%と下位20%を比較したときの格差は広がり続け、2000年時点で60倍もの値を示しているが、その国で何ができるかすなわち購買力平価でみると、1960年から横ばいで14倍程度、格差が増えているわけではない。


    ・世界の森林面積は横ばい、森林のほとんどはロシア、ブラジル、アメリカ、カナダで50%以上と偏在。森林破壊のまともなデータはない、筆者の推定では有史以来20%の熱帯林が消失、先進国は森林の半分を伐採した。

  • 図書館だよりNo.75 「一手指南」
    機械工学科 牧野 育代 先生紹介図書

    ➣記事を読む https://www.sist.ac.jp/about/facility/lib/letter.html#075

    【所在・貸出状況を見る】https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/54245

  • 2008/9/23 予約 9/28 借りる。10/24 返却

    環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態 
    ビョルン・ロンボルグ/著 文芸春秋 2003.6



    内容
    地球は本当に温暖化しているのか? 
    エネルギー資源は本当に枯渇するのか? 
    公式国際統計に基づいて地球の状態を理解し、地球環境の未来に対して「データで裏付けられた希望」を持とう!

    著者 ビョルン・ロンボルグ
    1965年生まれ。コペンハーゲン大学大学院政治科学学部博士課程修了。
    現在、デンマークのアーハウス大学政治科学部統計学担当準教授。

  • 公共政策決定と環境問題の関係について、膨大なデータを基に現状の正確な把握を試みています。

    政策決定の際、社会的なリソースをどの様に問題ごとに分配し用いるべきかを考えるが、現状の正確な把握がないまま事業を進めてしまうと、最適な分配とならないので、コストに比して救える命もずっと減り、貧困も減らず、社会インフラや医療、教育、福祉、経済発展などが犠牲になってしまうという視点が大事であることが繰り返し述べられています。

    メディアや環境NGOなどのセンセーショナルな報道・広報・キャンペーンにのせられて感情的な世論形成や政策決定などがあまりにも進み過ぎていることに警鐘をならしています。

    問題は山積で、取り組まなければならないことは幾らでもあるものの、様々なデータを色眼鏡無しに見てみれば、この100~200年くらいは人類は概ね環境も社会もずいぶん改善してきたのだから、「気分」ではなく合理的に政策決定して未来を作っていこうという本書のスタンスは、明るい希望をもって、ちゃんと考えながら生きていこうぜ!という人類へのエールのようにも思えます。

    もっと話題になってもよい良書だと思います。

  • 長期のデータに基づいた論旨は説得力あり、優先順位をつけて問題に対応して行く必要があるという主張には全面的に賛成。なにを優先するか、というところが難しいな。視野を広く持ち、客観的に物事を判断できるよう訓練することは大事だというのがよくわかるという意味で、いい本です。

  •  環境についての「定番の話」といえば。

    ・世界はどんどん砂漠化している。アマゾンの熱帯雨林はすごい勢いでなくなっている。
    ・地球環境の悪化であらゆる生物種が危機に瀕している。毎年4万種もの絶滅が起こっている
    ・地球温暖化で日本でもマラリアが風土病になる。海面があがって世界中大洪水!
    ・世界の海洋はタンカーの事故で石油をまきちらして汚されまくっている
    ・このままだと石油がなくなって世界がパニックになる

     ……これらが、いかにあやしいリクツの上に築かれているか。おおまかにいえばこの本は、こういう「イメージ」だけで環境問題を語るのがいかに危険で、いかに無駄が多いかっていうことが書いてある。
     たとえば、「豊かな生活をすればするほど環境に害である」ってイメージあるでしょ。ところが。石油に依存するよりも石炭に依存する方がずーっと空気を汚す。豊かになるにつれてどんどん使うエネルギー量は増えているにもかかわらず、技術革新によってエネルギー効率が上がっているから大気汚染は実際には改善する一方だ。そもそもどうして石炭を使うようになったかと言えば、ヨーロッパが薪を得るために森林を根こそぎ切り倒してしまったからだし……。つまりは、ここのところ環境は「ずーっとよくなり続けている」んだってば、ということをこの本は冷静にデータを出して示している。そのデータは「環境が危ない」派が使っているデータと出典が同じ!というおまけつきで。

     環境に悪いって言われると、別に「信じてる」わけじゃなくても、「そうなのか、大変だなぁ」くらいには思ってしまう。だから、それを防ぐために何かしなくちゃ、と言われると反対できない。でも、それが「どのくらいのコスト」で「どのくらいの利益」になるのかは、やっぱり考えないといかんでしょ。逆側からも言えるよね。有明海の干潟を干上がらせるかどうかは、ムツゴロウを守るためだけでなく、役人の尻をぬぐうためでもなく、やっぱり冷静な価値判断で決められなきゃ。この本と「環境リスク学」で、僕の環境問題についての態度は確実に変わったと思う。

     人類のシナリオは、破滅の道へ一直線じゃない。単純な楽観ではないけど、基本的に人類がいままでやってきたことに対して自信を持っていい。テクノロジーが進んだ結果、環境は改善に向かいつつある。「環境問題」に目をつり上げている人たちが「環境は悪くなる一方で、俺たちは地球と未来の子供たちに罪深いことばかりしていて、生活レベルを下げなくちゃもう取り返しがつかないよ」って自信喪失するようなことばっかり言っているのに比較して。

     冷静に考えよう。裏付けを求めよう。地球はかけがえがないけれど、同時に自分たち自身のくらしも考えられるはずだ。限りある資源を有効に使おう。未来を信じよう。ピース。

    (以上、2004年の感想ですが、わりとそのままいけるかなぁと)

  • 後ろの140ページぐらいが脚注で、それ以外に出版社のHPに原典のデータが出ているくらいの大作。
    どう考えるかはそれぞれかもしれないけど、ちゃんと客観的なデータを提示して、それを元に優先順位を決めようよという発想は非常に正しいと思う。
    盲目的に脅かされても、それは意味がないことを知らないと。

  • とてもチャレンジングな作品で、率直に言って良書だと思う。

    環境危機を伝える言説が実は極めて恣意的に選ばれたものだったりとか、
    視点を変えるだけで、ある状況から受ける印象というのは驚くほど変わる、
    ということだとか、環境を巡る定番話の多くが的外れだという筆者の指摘は
    多くの人にとっては驚きだろう。

    本書がヨーロッパで大きな議論を巻き起こしたこともうなずける。

    かといって筆者が環境保護を否定しているわけではない。
    それはなにより、「地球を大事に思ってはいる」が、
    「思い込みだけで行動したくはない」という筆者の姿勢に現れているし、
    その姿勢には好感が持てる。

    たとえ飢餓で苦しむ人が減っているからといってゼロではない。
    いたずらに人々に恐怖を植え付けるのではなく、事実に基づいて
    優先順位を決め、長期的な環境管理を行うことが重要なわけで
    「事態が改善しているからといって安心はするな」っていう
    筆者の指摘は重要だ。

    700ページの大著だが、読んで損はない。

  • 温暖化や生物多様性といった環境問題だけでなく、人口や食料、資源・エネルギーまで広く取り上げているので包括的な全体像をつかむには役に立った。ただ、地域ごとの分析や統計と実態のずれの解釈については首をかしげる部分もあり、それぞれの分野の専門家の見解を確認する必要性を感じる。

    木材生産や漁獲量が増えていることを理由に、生態系サービスが増加していると主張している(p.40)点は論理的でない。統計を押し上げている中国の漁獲量報告が過大であるのは有名な事実であり、世界の漁獲量は1988年から減少傾向にあると推測されている(サバがトロより高くなる日</a>)

    土壌流出による世界の農業生産の低下が年率0.1〜0.3%というのは、文明が存続する長さが800〜2000年であるとしている(土の文明史</a>)のと概ね合致する。ただし、現在の農業生産が生産性の向上(肥料)によって増加していることは他の本でも指摘されている(100億人への食糧</a>、「食糧危機」をあおってはいけない</a>)。

    FAOの森林統計の改訂をただ怪しいと評しているだけで、その詳細を検討していないのは、統計を表面的にしか見ていないという疑念を抱かせる。世界の森林成長量をデンマークの成長率で計算しているのも納得できない[823]。熱帯林の年間破壊率0.46%をかなり高いと評価しているのは理性的だが、それにもかかわらず、有史以来20%の消失を先進国よりましであるとか、アマゾンの破壊は14%くらいでしかないなどと結論づけているのは、地域ごとの分析が足りないし、議論が乱暴な印象を受ける。

    生物の絶滅が自然背景より数百倍から数千倍大きいことを「ただごとではない」と評しながら、大惨事ではなく、ただの問題のひとつと片付けてしまっているのも残念。

    対費用効果の考え方を人類の福祉向上のために適用するのは理にかなっていると思うが、生物多様性の倫理面に対する答えは出してくれない。一方で、人間は正義感だけでは動かないから、インセンティブ(自らの利益に結びつける情報)が必要でもある(ヒトは環境を壊す動物である</a>)。生態系サービスの概念をより発展させて普及することが有効ということになるだろうか。

    人口
    ・2045〜2050年に平均出生2.1人を達成するだろう[319:UNPD]

    食糧・飢餓
    ・飢餓人口(1.55BMR以下)は、1971年の9.2億人から1997年には7.9億人に減少した(図7:FAO)
    ・ニワトリとブタからとれる肉と乳牛からとれる牛乳の量は60年前から2倍に増えた[438:World Food Summit]
    ・国連によれば、食糧事情の改善に何よりも重要なのは、人々の経済的、社会的、政治的権利を保障し守る政治的義務。大事な材料は、土地の確保、財産所有権、金融市場へのアクセス、有効な厚生当局、教育。
    ・1970年代後半の中国の改革・開放路線によって、財産の所有と商品販売が認められたことによって生産が拡大した[461]
    ・発展途上国のひとりあたりの穀物生産量は増加し続けており、FAOは2010年まで上昇を続けると予想している[624]
    ・地球のバイオマス生産のうち、人間が直接あるいは間接的に動物を通して利用しているのは3.9%。農地、放牧地、伐採、砂漠化によるバイオマス喪失をあわせると38.9%[650-659:Vitousek et al. 1986]
    ・土壌流出が作物単位収量や生産量に与える影響ははっきりしていない[722:FAO]
    ・アメリカの過去200年間の土壌流出のうち、川までたどり着いて流れ去ったのは5%[723]。土壌流出による世界の農業生産の低下は年率0.1〜0.3%[725-729:Crosson, Oldeman]
    ・魚は世界のカロリー消費の1%、タンパク質摂取量の6%を占める[739:FAO]

    繁栄
    ・世界の貧富の差は1960年代に7倍になってピークに達した後、減少している[512-514]

    森林
    ・元々あった世界の森林のうち、これまでに失われたのは20〜25%[103,788]。アメリカでは30%、ラテンアメリカでは20%(ほとんどが砂糖、コーヒー畑)、南アジアと中国では50%、アフリカとロシアでは20%。熱帯雨林は20%[IUCN]。アマゾンは14%[INPE]

    エネルギー
    ・石炭層のメタンガスは、天然ガスの利用可能埋蔵量より多い。シェールオイルの資源量は石油の240倍(確認埋蔵量ではない)。
    ・太陽エネルギーの流入量は、全世界のエネルギー消費量の7000倍。
    ・茎や藁などの農業バイオマスは全世界のエネルギー消費量の16%。


    ・総使用量は入手可能量の17%。
    ・海水の淡水化にかかるコストは1m3あたり50〜80セント。

    生物多様性
    ・哺乳類と鳥類の記録された絶滅数から推測した絶滅率は、10年間で0.08%[Heywood and Stuart]
    ・さまざまな種の絶滅率の関係は一定しており、絶滅した昆虫の数から鳥の絶滅数を推計できる。今後300年で絶滅率が12〜55倍になるとすれば、10年間で0.04〜0.2%[Stork]
    ・現在の絶滅率は、自然背景比率より数百倍から数千倍大きい[UNEP]

  •  

  • 読み進めるうちに、世の中をわかったような気分になってしまった。笑
    あからさまに、批判的で少しとまどったが、この人の方がまともなことを言っているように思った。
    そんでもって、何をすべきかと、すべきことそれぞれの位置づけがわかった。

    日本にも政治科学学部ができればいいのになー。

  • 環境問題を取り扱った本は多い。情報過多で、情報受信側も、自分なりにフィルターを作って、吸収してよい情報、避けたほうがよい情報と区別する必要がある。この本の著者は信用の置ける肩書きを持ち、まず読んでみてもよい本なのかもしれない。

  • エコロなひとびとの宗教じみたリビートにはちょっとずつ違和感を感じていたけど、ちょっとだけ納得。環境論者の主張の元になる資料を分析してみると、実はそこまで危なくない、という本。「片方のリスクだけを見ず、リスクを比較すべき」というのはディベートの常套句というか、もとになる考えなのだけれど、やっぱし浸透してない。しかしこういう「鵜呑みにしてはいけない」本も鵜呑みにしてはいけないというジレンマ。

  • マスメディアが言うほど、世の中の環境は危機的ではなく、むしろ良くなっている。だから環境危機に対して神経質になるべきじゃない。

    これからも、さらに良くしていくべきだけど、今力を入れているところ(CO2排出規制とか)はこういう理由で無意味なんじゃないか?そして早急に対処すべき問題がある。それはココだよってことを教えてくれる本

    たくさんの人に読んでもらいたい本です。

  • 近年、地球環境の保護を訴える声があちこちで叫ばれるようになりました。しかし、この本で主張されていることは私が想像すら話が数多く書いてあります。
    地球環境保護を語る前に一度読んでみてほしい一冊です。

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