- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163658704
感想・レビュー・書評
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シドニー五輪の前、高校生だった北島を平井コーチが発掘し、世界記録を出す選手へと育てたその軌跡が描かれている。
筋トレのプロ、マッサージのプロ、映像解析のプロ、泳法分析のプロが、それぞれ情報を出し合い、平井コーチが翻訳して北島に伝える。
それに応えて北島が結果を出す。
どの一人が欠けても、このプロジェクトは成功しなかったのだろう。
オリンピックに出場する、さらに優勝する、という快挙は、決して選手一人の力では成し得ないのだろう。
平井コーチが言った、「才能のあるものは、努力し続けなければならない」という言葉が印象に残った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
企業スポーツが衰退している現在、オリンピック競技アスリートの生計の立て方が急激に変わってきている。
JOCのシンボルアスリートという制度を使う選手がいれば、室伏や北島のように断る選手もいる。
スタッフまで自分で賄うパターンとして、マラソンの高橋尚子が「チームQ」をつくったのはある意味革新的なことだった。
このように個人スポーツで、しかも野球やサッカーのように定期的に大人数を動員するリーグ戦などを持たない競技で活躍している選手の転換期にある中で、当時(2004年)の北島康介のチームの取り組みは特別なものがある。
コーチには平井伯昌、映像分析には河合正治、戦略分析には岩原文彦、肉体改造には田村尚之、コンディショニングには小沢邦彦、そしてスポンサーや広報担当としてサニーサイドアップ。(この本ではサニーサイドアップの取り組みについてはあまりフォーカスされていない)
平井コーチを中心として、キックの仕方や筋力アップ、各担当者間で多くの熱い議論がなされ、どんどん北島が取り込んでいく過程が描かれている。
トップアスリートがトップスタッフに支えられて壁を越えていく様子がわかる。
今後のトップアスリートの競技生活のあり方が垣間見えてくる。
違う分野のスペシャリストがコラボした点はビジネス的な観点からも興味深いし、日本のスポーツ界に蔓延る閉鎖性を破った点でも意義深い。
しかし同時に、各担当者の生活に不自由が見えてくることもわかる。
このスーパーチームは1年中北島康介をサポートしていきたいだろうが、それではなかなか生活していけないのである。
よって別職(もちろん所属先が違う)を持っており、オリンピックなどの大きな大会ではなんとか融通を利かせるている部分は否めない。
この辺りはチームQは一歩先を行ったわけだが、本来ならばこのチーム北島やチームQを受け入れるクラブチームがあるといいのだろう。
イメージとしては、アスリート北島康介、ベルマーレ平塚所属、みたいな。
それはさておき、熱き優秀なスタッフと選手が一体になって金メダルを目指す過程を本著は描いており、本来なら裏方とされているスタッフの重要性を上手に伝えている読み応えのある本である。
F1的な例えでいえば、いくらマシンが良くても整備しないと勝てないのと一緒で、競技の裏方に光が当たる内容である。
この本をきっかけに、北島康介のトップアスリートはもちろん、スタッフの生活も支援されるきっかけになればいいのではないだろうか?
ちなみにその後の北島の活躍は周知の通り。
アテネどころか北京オリンピックでも大活躍し、水泳界のみならず日本のトップスターになった。
そしてアメリカに拠点を移し、次は新たな形でオリンピックのメダルを目指している。
あれだけの成功をもたらしたチームは結成されていない。
もちろん獲得した多くのスポンサードのおかげで自身の体の手入れ等にかけられる金銭的余裕はあるだろう。
しかしその辺りは現状あまりみえてこない。
どちらかと言えば個での戦いを挑んでいる印象である。
過去とは違うやり方の挑戦が何を残すのか?
オリンピック後の比較はスポーツ界にとって興味深い結果が待っているかもしれない。
この先彼は何をスポーツ界に残すのだろうか?
まずは世界水泳! -
北島選手のまわりの人達もすごい人ばかりです!
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北島康介が好きだということに最近気付いた。アスリートとして好き。彼の影にはスペシャリストが支えているから世界のトップで戦えるんだと思った。康介が自分のことを、たいした選手じゃなかったといっていたけど、彼の潜在能力に気付き、伸ばしていくのは彼の努力もだけど、周りがいなきゃここまでできない。北京も楽しみ。それにしても康介の素朴な感じが好きだ。
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「北島康介」という「マシン」を作り出すプロジェクト。(あそこまでのレベルに行くと、選手つうよりマシンに近いよな〜。)でもテレビには決して写らないところに、彼を支えているプロが沢山いることを知り、やっぱり1人じゃ何も、何ともならないんだ、と痛感。
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ずはり、北島康介の作り方。科学的な視点で、一人のアスリートをメダリストする。とても難しいけれど、シンプルな目標。
新しい、スポーツの関わり方かもしれません。