人は仕事で磨かれる

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163667607

作品紹介・あらすじ

清廉・異能・決断力…四千億円の不良資産を一括処理、翌年には伊藤忠史上の最高益を計上して世間を瞠目させた男・丹羽宇一郎が、生い立ち、疾風怒濤の青春、ビジネス現場の緊張、倫理観、経営理念のすべてをここに明かした。

感想・レビュー・書評

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  • 上司に紹介されたので読んでみた。
    先日紹介された『経営者、15歳に仕事を教える』(北城恪太郎著)とは違って、「経営」さらに「仕事を作る」という点で大事にすべきことをストイックに書かれている、という印象を持った。
    「先輩の足跡をたどるだけじゃなく、自分のアイディアで仕事を作れ」
    「考えながら読まない読書はただの娯楽。栄養にも何にもならない」
    という2つの言葉が、ぐさっときた。

  • 本書では、人生、特に仕事と深く結びついた部分で数多くの熱いメッセージを受け取る事が出来た。ただ、新入社員の自分にとって納得はしても、全身で解釈するには至っていない。それはそれで仕方がない、まだ駆け出しなのだから。けれども、『人は仕事で磨かれ、読書で磨かれ、人で磨かれる。』を一日一日実践していくならば、近いうちに丹羽さんの言うこと一つ一つを体で実感できる日が来るように思う。
    そして、ただ感心したところで自分の行動に落とし込めていない限り、宝の持ち腐れとなってしまう。ここはひとつ、いくつか行動に移せるものはないか考えてみたい。

    ①やりおしみをしない。読書においては、その時最も読むべき本を躊躇せず読む。課外活動なら、ひとつでも団体や大会等にApplyしてみる。
    ②言ったことは必ず実行に移す、それもできるだけ早く。よく「今度」ご飯行こう、遊ぼう、勉強会しようと言うけれど、それはあまりに不明確でかつ無期限を暗に示すもの。誘うだけでもできるだけ早く声をかける。それで断られてもよしとする気概をつける。
    ③考えながら物事を進める。読書において自分は単にその世界に潜り込んで「あぁ、満足した」「いろいろ学べたな」程度で終わってないか。なんでこの人はこんなことを訴えているんだろう、それは現代のどういう問題と本質的に結びついているかな、などと考えるべきだ。どうせ同じ本を同じ資金と時間を投資して読むのだから。仕事も同じ。「金」の感覚を研ぐためにも、なぜこういうビジネスが世の中で成り立つのか、自分だったらどこまでの金額まで交渉できるか、場所は管理部門であっても、自分がプレーヤーの意識を持って働かないと、それは脳みそが汗かく状態とはならない。

    たった3つ、この書籍から決して忠実に本質を抽出したとは言えないけれども、すぐに行動できるよう整理したつもりだ。
    ライバル社の元社長であるが、教訓にすべきことは少なくない。謙虚に学んでいきたい。

  • 本を読む大切さ、クリーン、オネストでいる大切さを改めて学んだ一冊。

  • 編集者時代

    いまはもっと働けには諸手を挙げて賛同はしない。2021年記載

  • 船橋競馬場前 ブックオフ

  • 本書は、元伊藤忠の社長、丹羽氏の回顧録。「人は仕事で磨かれる」という本題は、本書を全くあらわしておらず、内容は、なんというか、イマイチ。唯一、頭に残ったフレーズは、「人は働きすぎでは死なない」という著者の体験談。私も全く同感で、嫌々やらされた仕事によるストレスが過労死を引き起こすのであって、やりたくてやっている仕事では、そう簡単に人は死なないと思う。しかし、上場企業トップがこういうことを言うと、共産党などの「仕事が悪である」思想の持ち主たちが、騒ぐんだろうなー。

  • ☆本書のメッセージ

    ●本の概要
    伊藤忠商事の社長を98年から04年まで務めた著者による仕事と人生の哲学本。本の内容はタイトルほど、仕事偏重のものではない。丹羽宇一郎流の生き方・働き方について雑多に説かれている。総合商社の社長にまで登りつめる人材の頭の中はどうなっているのか、どういった経験をしてきたのか、知るのに有用なケーススタディ本といえる。

    ●本の面白かった点、学びになった点
    ・社長になる人材だって、平社員のときは何度も社内で針のむしろを経験しているということ。
    →大切なのは失敗をしないことよりもその後の立ち振る舞いである
    ・若くても部下であっても積極的に声をあげ、質問することを奨励していること。課長であるなら、部長レベルでものを考え進言せよ。
    ・何度言っても社員には伝わらなない。だから分かりやすい言葉を考え抜け。そのワンフレーズを何度も何度もいい、社員に浸透させること。
    →丹羽氏が掲げていた標語は「クリーン・オネスト・ビューティフル」。当たり前だが、これが実践できないからこそ、会社の不祥事であったり、下請けいじめのような事態が起きる
    →小泉純一郎氏への分析が面白い。著者は、「小泉氏は分かりやすいフレーズを考えるのがうまいが、発信が突発的で、中身が詰まっていない」という指摘を本の中でしている。分かりやすいフレーズにこそ、それを裏打ちする綿密な論理が必要であるとの主張には、その通りだと思う。
    ・自分という人間を律するために、電車通勤を続け、カローラに乗っていること。
    →本文p95より「しかし人間ですから、自立自省の精神を持ち続けることは決して簡単なことではないんです。(中略)私が社長になっても会長になっても電車通勤を続けているのは、こうした意味合いもあるのです。六年経ったらタダの小父さんですから、最初からタダの小父さんの生活を続けていたほうがいい。これも一つの理由です。しかしもう一つ大事なのは、満員電車にのある生活を続け、世間の目線に合わせることによってつねに自戒するという点です。前にもいいましたが社内に押し込められて蒸し熱い想いもするし、傘をくっつけられて冷たい思いもするだけど社員は、皆、こうして通勤している。どうして私だけ空調の効いた運転手つきの車で出勤していいのか。社長になったからといってそんな生活を続けていれば、強欲や傲慢、不遜といった人間の業はいずれ増長していくでしょう。倫理観をいつの間にか忘れてしまうようになるんです。」
    ・全社員にメールボックスを開放して、文句や意見を求めていること。
    ・たくさん本を読むことを推奨していること。本により考える力、想像する力が養われれ、仕事につながっていると自信を持って断言されていること。

    ●本のイマイチな点
    タイトルはメッセージ調であるが、内容は細かい考えの散りばめエッセイといった感じ。本の中身に不満は無いが、タイトルとの整合性にややギャップを感じる。

    ●具体的なアクションの仮説&学んだことをどう活かすか
    ・東京で働くようになってもボランティアは続けよう
    ・別に社長になったってえらくはない
    ・5億円の損失を出したって、その会社の社長になれる。怖い失敗などない

  • 初読 自分で選んでないよ本

    結構面白かった!
    伊藤元忠社長本

    社長でも電車通勤とか「そういうエピソード皆好きよねー」
    て感じだが、タダのおじさん売り?で読みやすく。
    伝記部分読むとやっぱり普通に優秀なんだけどね
    エリートは優秀な状態が普通なんだよなー

    普通(以下?)の愚民にさてどこが応用出来るかというと
    クリーン、オネスト、ビューティフルのシンプルながら
    中々出来ない「嘘をつかない」って事だなぁ
    隠蔽しようとすると大ごとになるからねー
    「動物の血」は強いからこそ留意せなばならんのよなぁ

  • ただのおじさん という自覚の中で
    毎日 電車通勤をして、
    商社のトップをつとめて、
    人間力を 鍛えて 信頼を勝ち取り
    なにが必要なのかを つねに 決断していく。

    不都合なことを 掃除することで、
    みんながはたらきやすくなる 環境を作る。

    中国大使をやられていた時に
    云南においでになった時に 食事会に呼ばれて
    一緒に食事をしたが、
    なぜか 普通のおじさん という気楽な感じだった。

    大学の先輩でもあったので、どんな人かと思っていたが
    本屋のせがれで 本に対して 深い愛着があり
    その思いの中で ひびくらし
    つちかわれた思想が、人間力として
    吸引力があり 覚悟がある。

    生きることに想像力があり、
    奥さんも 堂々としていて とてもいいね。
    いいおじさんだよ。

  • わからない時は半分切れが、私の相場観

    不自由を常と思えば不足なし 徳川家康

    京大アメフト部の水野弥一監督 人間の肉体と技術には限界がある。しかし心には限界がない

    読書とは他人にものを教えてもらうことである ショーペンハウエル 読書論

    クリーン、オネスト、ビューティフル

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著者プロフィール

丹羽宇一郎(にわういちろう)
公益社団法人日本中国友好協会会長。一九三九年愛知県生まれ。元・中華人民共和国駐箚特命全権大使。名古屋大学法学部卒業後、伊藤忠商事(株)に入社。九八年に社長に就任すると、翌九九年には約四〇〇〇億円の不良資産を一括処理しながらも、二〇〇一年三月期決算で同社の史上最高益を計上し、世間を瞠目させた。〇四年会長就任。内閣府経済財政諮問会議議員、地方分権改革推進委員会委員長、日本郵政取締役、国際連合世界食糧計画(WFP)協会会長などを歴任ののち、一〇年に民間出身では初の駐中国大使に就任。現在、一般社団法人グローバルビジネス学会名誉会長、伊藤忠商事名誉理事。

「2023年 『仕事がなくなる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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