会うまでの時間 自選歌集

著者 : 俵万智

• 文藝春秋 (2005年10月25日発売)

感想・レビュー・書評

[amuamuさんの感想 · 2021年8月1日]

爽やかな歌、情熱的な歌、何気ない日常の歌。
爽やかで、エグくて、胸がいたんで、切なくて。
素敵な自選歌集。楽しい時間をありがとうございました。
初めて読んだ歌集『サラダ記念日』は意味をさっぱり理解できなかった幼い私も今は大人になったことを実感しました。


今日までに私がついた嘘なんてどうでもいいよと言うような海

ひかれあうことと結ばれあうことは違う二人に降る天気あめ

なんでもない会話なんでもない笑顔なんでもないからふるさとが好き

まっさきに気がついている君からの手紙いちばん最後にあける

カレンダーをめくればそこに海があり会える予感と会えない予感

一年に一ミリ伸びるミズゴケに蓄えられる湿原の時間

[よっすーさんの感想 · 2018年6月2日]

俵万智さんの歌集は、
「サラダ記念日」「とれたての短歌です。」
を、よく読んだものだった。
あれから随分ときがたって、
今読むと、当時とは違う感じ方もあり、
とても新鮮に感じられた。

時を越えて新鮮に感じられる
瑞々しい言葉、短歌。

再び、こんなふうに会えたことが
とても嬉しい歌集だった。

[郁恵さんの感想 · 2009年5月18日]

読んでいるとどうしようもなく幸せになってくる一冊。かの有名な

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

を筆頭に、よい歌がみっちり詰まっています。
中学生のときにはさっぱりだったけど、今読んだら一首一首手に取るようにわかる。成長したな、自分。

素敵な歌が多すぎて、好きな歌を一首にしぼりこめない。

[nezumiharukistさんの感想 · 2008年8月11日]

日常を短歌で表現。
そんな一言じゃ
語れない彼女の才能が
たくさん見られます。
「女」なんだな、って思う。

本に疲れた時は
私はこれを読みます。
テンポに魅了されて。

比喩も綺麗。

[saekouさんの感想 · 2008年4月6日]

会うまでの時間たっぷり浴びたくて各駅停車で新宿へ行く
（表題作）

ときどき手にとって読み返すと、今まで読み過ごしていた歌をすごくいいと思えたり。共感する歌が変わると、自分の変化に気付くことができるのがとても楽しい。

[さっぴさんの感想 · 2006年1月21日]

俵さんの短歌集は全部読んだのですが、やっぱり買ってしまいました。
’「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日’

[あめさんの感想 · 2006年1月3日]

ものすごくよかった。俵万智さんがご自身で歌を選ばれた歌集ですが、わたしのすきな歌が多く選ばれていてすごく嬉しかったです。歌集を全て買わなくてもこの一冊があれば結構俵万智さんを知り、味わえるのではないでしょうか。

著者プロフィール

1987年の第1歌集《サラダ記念日》はベストセラー。歌集に《かぜのてのひら》《チョコレート革命》《プーさんの鼻》《オレがマリオ》《未来のサイズ》《アボカドの種》、評伝《牧水の恋》、エッセイ《青の国、うたの国》など。2022年、短歌の裾野を広げた功績から朝日賞を受賞。読売歌壇選者のほか、宮崎で毎年開催される高校生の「牧水・短歌甲子園」審査員もつとめる。

「2023年 『旅の人、島の人』 で使われていた紹介文から引用しています。」