- Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163684000
感想・レビュー・書評
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物語じゃないものが読みたくて。かつて1日7冊読んでたという強者米原さんに興味があり読み始めたら止まらない。単なる本の紹介だけに留まらず時事問題にも言及して密度が濃い。また自身を実験台にしたようながん闘病記も書評と同様濃くそして潔い。
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本の話を語り合う知己に「いままで読んできた中で、打ちのめされるようなすごい本ってなに?」と聞かれて本書を知りました。「すごい本」って聞かれたら、なんとか答えられる気がしたけど、「打ちのめされる」ってつくと簡単には答えられない、がその時の答えで、そんなら米原万里は、どんな本に打ちのめされたのだろう、とこの書評集を開いた訳です。で、打ちのめされたのは著者の読書量。通訳という仕事をしながら、これだけの本をこれだけの深さで読んでいる、という読書生活に圧倒されました。それが、子供の頃のプラハでの図書館体験や帰国した後の日ソ図書館での目いっぱいの貸し出しに基づいていることや、通訳としての基準をそれぞれの言語で小説を楽しめることに置いている、など、本を読むことと生きることが一体化していることに、慄いています。前半は2001年からの週刊文春の「私の読書日記」で、後半は彼女のそれ以外の全書評で構成されています。書評本って、よくない(?)のは、読みたい本がどんどん増えてしまうことで、結構メモってしまいました。また積読、増えました。20年前という時代、東欧の文学、社会、歴史という彼女の専門領域、からのチョイスということで普段だったら出逢わなかった本ばかりです。ただ、そのどれもが今の自分の問題意識を刺激し、改めて読書というのが個人の日々の暮らしから生まれて、普遍性に繋がっていく行為なのだと思いました。それだけに病との向き合いが始まってからの読書は、意志と知性の営みであって、いろいろな療法に翻弄されていくドキュメントになっています。「打ちのめされない」ための読書が「打ちのめされる」エンディングとして、突然カットオフされる感じに呆然としました。
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米原万里はロシア語通訳、エッセイストだが、このエッセイが歯切れが良く、大好きだ。
だが、この本はつまみ食いで読み終えたことにする。
自分の体調具合による。
皆さん、そういう時もありませんか。 -
本のタイトルは「打ちのめされるようなすごい本」だが、『打ちのめされるようなすごい読書量』である。1日の読書7冊を自負しているのだから。紹介される本は、小説からノンフィクションまで範囲が広い。職業柄からかロシアものが多くて興味をそそる。大の猫好きのために猫関連も多い。これだけパワフルなのに、早くに亡くなられたことが残念でならない。
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万里さんが書き残した全ての書評をまとめた一冊。
読みたい本リストが一杯になってしまった。
今年一杯、いや、来年もしばらくはリストの本しか読めないだろう。
この本、読まなきゃよかった。
いや、読んでよかった! -
文春文庫 米原万里 「 打ちのめされるようなすごい本 」
20年前の書評集。読んでほしいという気持ちが伝わる
読まないのは人生の損、名著と言いきっているのは
*ラジンスキー「赤いツァーリ」
*バフチン 「ドストエフスキーの詩学」
*藤森照信 「人類と建築の歴史」
*丸谷才一 「恋と女の日本文学」
繰り返し出てくる作家
*斉藤美奈子
*井上ひさし
*丸谷才一
*星野博美
*亀山郁夫
売れるはずないのに、翻訳者が翻訳せずにいられない、編集者が出版せずにはいられない力を持っているとした本、隅々まで読みたい本
*ゲルツェン 「過去と思索」
*中央ユーラシアを知る事典
*マサリク 「ロシアとヨーロッパ」
仕事の必要性か?怖いもの見たさか?スターリンについて、フィクション、ノンフィクション問わず、様々な視点の本を読んでいる
*スターリン言語学精読
*スターリンの捕虜たち
*ベリヤ-スターリンに仕えた死刑執行人
*知られざるスターリン
*スターリンと原爆
*スターリン秘録
飛びきり感度の良いロシア本として3冊紹介
*金平茂紀 「ロシアより愛をこめて」
*岩上安身 「あらかじめ裏切られた革命」
*沼野充義 「モスクワ-ペテルブルグ縦横記」
中東の現実を知ってほしいとした本
*小松久男 「革命の中央アジア」
*マフマルバフ「アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ」
*岩田昌征「社会主義崩壊から多民族戦争へ」
*中島由美「バルカンをフィールドワークする」
*柴宜弘「ユーゴスラヴィア現代史」
*サラームパックス「バクダッドからの日記」
*石郷岡建「ユーラシアの地政学」
*ヒューマイルズ「アルジャジーラ報道の戦争」
*秋野豊「偽りの同盟」
戦争関係
*日本ペンクラブ「それでも私は戦争に反対します」
*酒井啓子「イラク戦争と占領」
*鶴見俊輔「戦争が遺したもの」
癌が見つかってからは、癌治療の本もかなり読んでいる
*池田清彦 「初歩から学ぶ生物学」
*岸本葉子 「がんから始まる」
大変な傑作として
*高野和明 「13階段」
*ワイマント「ゾルゲ引き裂かれたスパイ」
*デヴィ 「女盗賊プーラン」
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新たな発見が多かった。読みたくなった本を何冊もブクログに登録した。
著者の経歴からして当然なのだが、ロシア、スラブ系の書籍に偏っているのは、やや読者を選ぶと言える。
また著者が絶賛している本をAmazonで確認してみると、評価が今ひとつということも結構あった。しかし考えてみればこれは当たり前の話で、書籍と読者は一対一の出会いなのであるから、自分がよいと感じればそれでよいのである。それも踏まえて私にとってよさそうな本を手にとってみたいと思う。
がんに侵されてからは、がん治療の啓蒙書や代替医療を取り上げることが多くなるのはさすがに痛々しかった。 -
(2021-07-24 6h)
感想書いたはずなんですが、消えちゃっててショック。また改めて書きます -
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【要約】
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【ノート】
・日経アソシエ7月