文学全集を立ちあげる

  • 文藝春秋
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本棚登録 : 85
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163684208

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったー!!「こんなのがあったらいいな」という架空の文学全集の目録なので、皆さん言いたい放題(笑)読みながら、自分が好きな作家の、好きな本が入っていると「うん、これは入れなきゃねえ」とニヤニヤしたり、逆にけなされると「えー、なんでよー」と、つっこみながら楽しく読めた。世界文学全集の方は、教科書の文学史年表とは一味違っていて、おおっと思わされたし、日本編は古典が重要視されていて、充実のラインナップ。また、「戦後文学を見直す視点」の項は、かなり興味深く読めた。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      同じ三人の「千年紀のベスト100作品を選ぶ」は読まれましたか?(それぞれの解説は別の方ですが)
      同じ三人の「千年紀のベスト100作品を選ぶ」は読まれましたか?(それぞれの解説は別の方ですが)
      2014/03/14
    • こてつさん
      nyancomaruさま、コメントありがとうございます。知らない作品でしたので、調べてみましたが、面白そうですね!読みたい本に登録いたします...
      nyancomaruさま、コメントありがとうございます。知らない作品でしたので、調べてみましたが、面白そうですね!読みたい本に登録いたします。
      2014/03/14
  • 2017年1月22日紹介されました!

  • 三人の文学批評に対して珍紛漢紛なんだけれど、彼等は本当にこんなに読んだの?まして、文学者を批評するとなると、相当読み込んでないとできないし。俺はマルセル・プルーストの「失われた時を求めて」を苦痛に堪え、もう堪えに堪えて読み終え、翻訳モノはしばらく手にも取りたくなくなったんだけど、その書評が「とにかく何巻になろうとしかたがない。あれは全部入れるしかないんだよ」で終わってんだから。絶対読んでないよ。読んだら批評したくなるもの。「失われた時を返せ」って。

  • 丸谷才一 (1925-2012)文芸評論、英文学、ユリシーズ翻訳
    三浦雅士 (1946-)文芸評論
    鹿島 茂 (1949-)仏文学、評論

    内容メモ:文学好きの雑談。ファンが会話を楽しむもので、これ自体は評論ではない。なお、2010年には文庫化。

  • 読んでいない小説がたくさん。

  • 文学全集が売れないという。そりゃそうだろう。百科事典も同じで、1セット置くだけで書棚が半分ふさがってしまう。しかし、あれは便利だった。評者の一人鹿島茂も言っているが、家に本のない者にとっては、片端から読んでいくことで、文学の世界を鳥瞰できる仕掛けになっていた。

    また、丸谷才一がいみじくも喝破した通り、文学全集はキャノンとしての役割をもつ。キャノンとは、規範の意を示すギリシャ語で、キリスト教では外典に対する聖典を意味するが、文学的には偉大な作品として価値を認められている作品群を指す。つまり、巻数が限られる全集の中に誰のどの作品を入れるかは大事な問題で、結果として選りすぐったキャノンの集まったものが世界文学全集なのである。

    ところが、近頃の新人作家は、昔の作品をほとんど読んでいない。その結果、書けることを書いてしまうともう書くことがなくなってしまうという。小説の骨法を学ぶためにも文学全集は必要だということになる。ところで、それまでの文学全集の構成は倫理的、求道的な姿勢が目立つこともあり、現代ではそこが敬遠されやすい。

    そこで、今までの全集が採り上げなかった周縁の文学、少年少女小説やSF、推理小説なども積極的に入れた新しい架空の文学全集を作ろうというのが、この企画である。いずれ劣らぬ博学多才の三人が、それぞれの蘊蓄を傾けての文学談義だからこれが面白くないはずがない。そこに、今考えられる最上の文学全集を選ぶという目的が加わるのだから、放談に終わらぬ真剣さが伝わってくる。英文学好きの丸谷、仏文の鹿島、独文の三浦と互いの主張を譲らず、ネゴシエーションの様相を呈する。どんな全集ができあがることやら。

    結果的には世界133卷と日本84卷の文学全集の見立て一覧がそれぞれの編の末尾に附されているので、それを見てもらえば一目瞭然だが、まず、読んで面白いと思える作品が重視されている。ロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』が落ちて、サド『悪徳の栄え』やレアージュ『O嬢の物語』の入った世界文学全集というのは本邦初ではないか。『ファニー・ヒル』も入っているが、そういった類のものばかりではない。

    『トリストラム・シャンディ』のスターンや、ウォルター・スコット、ヴァージニア・ウルフ、ジェーン・オースティンにも一巻与えられているし、ウォルポールやベックフォードといったゴシック・ロマンスにも一巻が与えられているなど、ヘッセが落ちているのは、個人的には不満だが、目配りはよく利いている。もちろん、ナボコフは一人で一巻である。

    ハメット、チャンドラーで一巻、ヴェルヌ、ルブラン、シムノンで一巻、チェスタトン、ハイスミス、アルレーで一巻、ブラッドベリ、ヴォネガット、ディック、バラードで一巻という周縁の文学編にはSF好きや推理小説ファンの満足した顔が浮かぶようだ。歌謡集には、ボブ・ディランやジョン・レノンの詩篇も入る予定。なお、詩については基本的に対訳付きのパラレル・テキストという編集方針がうれしい。

    日本文学全集については触れる紙数がなくなってしまったが、こちらも大胆さにおいては世界文学全集に負けてはいない。ただ、どちらかを選べというなら、この世界文学全集は外せない。ぜひ書斎に置いて、端から読破したいと思わせる内容である。一覧だけでも立ち読みしてみる値打ちがあると思う。三人の丁々発止のやりとりが読みたいと思われる向きには、図書館で借りるという手もある。読書リストとして、最適の一冊。手許に置かれても損はしないと思うが如何。

  • 読んでいるだけで嬉しくなる!熱い文学トークを読んでいるだけでウキウキしてくる。余さず全て、網羅したくなる。
    是非是非是非、この全集を立ち上げてほしい…文春さん、お願いします!!

  • 今まで文学・文藝と名のつくものに対しては一様に、漠然とした信頼を持っていたのですがそれがこの本を読んで一気に覆されました。

    『今読めば』という観点から見ると、誰もが知っているあの作者、あの作品だって「つまらない」「意味が分からない」「退屈」って言い捨てられてしまう。言い換えれば、そう言い切れる強さを持った人たちが3人集まってお喋りしている。目を瞑ってその情景を想像するのは、なんとも楽しいです。

    この本の一番良いのは、編者が3人対話形式なのでお互いに「相手も当然知っているだろう」前提で話を提示してくれるところだなと思いました。名前しか知らない作者について論じられている時でも語尾が『〜だよね』『〜でしょう』となっているので、気持ちよく知ったかぶりして読める。なので、自分が手に取ったことの無い本に対する論議でもプレッシャーを感じずに入っていけた気がします。

    前半が世界文学全集、後半が日本文学全集についてお話しているんだけれども、翻訳作品の難についてのお話が全体的にとても興味深かった。

    一生でこの作品群をどのくらい読めるかなあ。でもお三方がこんなに熱っぽくお話されているんだから、読めないのはすごく勿体無いぞ!

  • 2009/6/24購入

  • おもしろかったし、ためになった。私もまだまだ本読みが足りないなあと。特に、日本の古典が面白く感じるようになったのは最近なので、指標としていろいろと読んでみようと。

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著者プロフィール

1925-2012。作家・英文学者。山形県生まれ。東京大学英文科卒。「年の残り」で芥川賞、『たった一人の反乱』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。他『後鳥羽院』『輝く日の宮』、ジョイス『ユリシーズ』共訳など。

「2016年 『松尾芭蕉 おくのほそ道/与謝蕪村/小林一茶/とくとく歌仙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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