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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784163693507
みんなの感想まとめ
テーマは、死刑囚の人生を通じての罪と罰、そして人間の弱さや再生の可能性です。物語は、元雑誌連載という形式のため、時系列が錯綜し、登場人物が多く、やや混乱を招くこともありますが、それでも内容の深さに引き...
感想・レビュー・書評
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感想がまとめにくい本。
まず、文章自体が読みやすいけれど、元が雑誌連載という構成上の問題か、時系列が錯綜し、関係者も多く、文脈的に誰の話をしてるのか混乱したり、主語が誰か判らない文もちらほら。
それでも内容の興味深さで一気に読んだ。犯罪のルポなどを読み慣れている人なら、そうでもないかもしれないけど。
死刑という判断の重さが、おそらく今とかなり違った時代のこと。今なら死刑判決にはならないのではないか。それがいいか悪いかは別として。
死刑囚の生活、獄中での点訳環境(独学で本を点訳できるまでになるのは並大抵ではない)ものすごく丁寧な文体の手紙。いろいろ興味深く、関係者の繋がりも何か不思議な縁というような感じを受ける。
その分、あとがきで提示された『足音が近づく』の疑問が、喉に刺さった魚小骨のように気になって困る。ここで二宮の人物像を疑うと、受ける印象が完全にひっくり返る。ここは解決していただきたかった。
そして、本題からそれるために立ち入らなかったものとは思うけど、何の落ち度もない被害者の無念には一言言及があって良いと思う。
遺族の、横領の疑いを晴らせて本人も浮かばれるとの言葉は、それはそうとして、こんなロクでもない経緯で殺されたと知ったら、私なら発狂する。
美談にしてはいけないとか、警察の捜査の在り方へよ疑問とか、執行に立ち会う業務の重さとか、いろいろな感情が次々と湧き上がる1冊だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
点字と死刑囚という並びに興味を持ち手に取る。死刑囚が収監中の13年間に1500冊もの点訳書を作成し、図書館や視覚障碍者に寄贈していた、またその一端が巡り巡って一人の高校生の人生に影響を与え、彼が長じて盲導犬訓練士(「クイールの一生」の人物)となっていたことにも触れられている。点訳への没頭とその仕事の精勤さは、罪と向き合い、また死刑への恐怖から逃れるためでもあろうが、元来がまじめで丁寧だからこその仕事ぶりだったろうと思う。点訳とその校正の丁寧さは大変なものである。今ではPCのソフトでできてしまう点訳をこの時代は一点一点手で打ち、手で修正しなければならないし、間違いがあって大幅な訂正となれば大部分の打ち直しとなるのだから。広島での被ばくと元妻の不貞がきっかけとなった人生の転落ぶりから殺人事件を犯す様子は人の弱さを感じもした。事件の凄惨さは否定すべくもないが、主犯と共犯の関係に共犯者(無期懲役)との量刑の差には疑問も。時代的、見せしめ的要素を感じた。誰もが死刑が執行されないと助命嘆願がほとんど行われない中、時の大臣の判断で執行されてしまう事実も重い。他方で所々人物の二面性を感じるところもあった。おそらく著者もその疑念を持っていたから文章ににじみ出ているのだろう。あとがきで死刑囚を主人公とした別の本の存在のその内容の本書との違いについて触れている。
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被害者や遺族に対しての償いがまるでなく、ものすごい違和感と嫌悪感のみ残りました。眉間にシワが深くできたよ…もう。
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二宮邦彦という死刑囚がいたことも知らなかったが、死刑囚が点訳に励んでいる(た?)ことも知らなかった。
人生、ひょんなことで、転がり落ち、冤罪ではないが、事実認定に誤りがあって、死刑になるなんてことが実際にあるのが怖かった。 -
<内 容>
著者は『クイールを育てた訓練士』を書いた人。その盲導犬クイールの訓練士・多和田さんが手紙を通じて点訳を教えてもらっていたのが二宮邦彦という死刑囚だった。獄中で1500冊以上の点訳書を作り上げたという二宮はどんな人物だったのか。彼の人生を掘り起こしつつ、点訳に身を捧げた最後の十数年間を追う。
<ひとことコメント>
点字タイプで1500冊、拘置所の中で、被爆の後遺症も抱えて。それはどんなにたいへんなことだったろうと思います。でも、“二宮さんはいい人だったのに”という雰囲気が全体的に漂っているのがちょっと気になりました。実際にいくつかの罪を犯している人でもあるので。ほんとうに“いい人”で、本人の主張が真実ならば死刑は行き過ぎた判決であったわけだし、ましてや調書偽造なんて昔のことだからと放っておいていいのでしょうか? あと、話が前後したり、同じエピソードが何度も出てきたりしてやや読みにくい印象を受けました。
・・・が、関連書籍を色々読んでみたくなりました。パソコン点訳が主流となった現在でも拘置所での点訳は可能なのか、ということにも興味があります。
表紙の点字はドストエフスキーの『罪と罰』ですね。
(図書館で借りた本) -
殺人を犯した人は死を持って購うしかないのでは・・と思っていた。主人公は死刑囚として15年間で1500冊にあまる点訳を成し遂げた。失意の中での殺人は彼にとって何だったのか。教養人であり分別も人一倍であることが、書簡からまた親しくしていた人の証言でも分かる。
いつ死刑を宣告されるのか分からない牢獄の中で、ひたすら点訳を続けること。それは生きがいであり、人のためにつくすことの歓びでもあったはずだ。模範囚であるから死刑はないのでは・・との周囲の期待も法の執行は残酷であり、それでよかったのかとの問いが誰の胸にもオリとして残る。
明日のない恐怖と孤独はいかばかりか。人にとって罪と罰を深く考えざるをえない。
彼の最後の点訳はドフトエフスキーの「罪と罰」だったとか。 -
内容自体は興味深い。けれど文章が読みにくい。
出来事が錯綜して、いつ・誰の話なのかが区別しにくい。
同じ文章が無駄に繰り返されるのも気になる。
被害者への視線が皆無。 -
この本は、死刑をどう考えているか、犯罪をどのように捉えるかで実際受け止め方や評価は分かれると思う。
二宮邦彦という30年前の死刑囚が死刑を執行されるまでに残した1500冊の点訳本と、彼を支える人々を描いた本書は、ノンフィクションとして私にとっては衝撃的でした。
また死刑執行の前後の話は、とても哀しく、罪を犯した人とはいえ、二宮死刑囚の人柄を示すもので、私自身も悲しい気持ちになりました。
点訳を通して盲人に尽くしたからといって、殺人という罪があがなえるとは思わないが、命をもって罪を償うよりも、内面に向き合わせざるをえなかっただろう。
かなり複雑なテーマである本書が、どうしてカー雑誌に掲載されていたのかというのは、相当謎です。
それはそれとして、内容の衝撃度で判定し、評価は☆5つにしておきます。
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