がんから5年 「ほどほど」がだいじ

  • 文藝春秋 (2007年9月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784163694306

みんなの感想まとめ

がんという厳しい現実に直面した著者が、患者としての心情やその支えとなる人々の思いを率直に描いた作品は、感情の深さと共感を呼び起こします。日常生活の中での「ほどほど」の大切さや、闘病中の葛藤がリアルに表...

感想・レビュー・書評

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  • 日経新聞で連載されていたエッセイが好きだった岸本葉子さんが、がんを罹患されていたとは。患者当人の気持ちも、支える人の気持ちも率直に書かれていて、勉強になった。

  • まだ2年しかたっていないのに、気が早いなあと思いつつ手に取ったのだけど、ちょっと思っていたスタンスと違いました。
    サブタイトルの「ほどほど」が大事というのは、読者に向けた言葉ではなく、著者が自分自身に言い聞かせている言葉のようです。

    ”例えば、がんと診断されると、多くの人が「なぜ、私が」と思うという。でも、二人に一人という確率からすれば、ショックはショックでも「私もか」となるのが、自然なのでは。”

    私の場合「ほ、ほう」と思ったのだったと思います。
    予想していたわけではありませんでしたが、絶対にないわけではない。
    だから結構冷静に受け止めました。
    さすがに自分でも、もしかしたらあとからものすごいショックが襲ってくるのでは?とも思いましたが、単身赴任中のことであり、どちらかというと遠距離通勤の家よりの病院で検査を受けたので、職場に近い病院で治療をしようと一人で決める程度には冷静でした。

    それは小さい頃から病気がちで、入院や手術に慣れていたこともあるでしょうし、仲のいい人の中に何人か乳がんになった人がいたということもあるでしょう。

    だからこの本の中で、”がんになる前から、がんについて知ることです。”と書かれているのは、全くその通りだと思います。

    がんになった時、手術をして、無事退院したらおめでとうではないのです。(いや、おめでとうだけど)
    その後の長く続く治療や、再発の不安と戦うことが闘病のメインです。

    ”もしもこのまま治ったとしても、その後の生き方は病を知らなかった自分に戻ること、この間のできごとをなかったかのようにして、がんになる前の続きをはじめることでは、ないだろう。”

    著者はきっと、健康な人だったのでしょう。
    一度がんになってしまったら、がんになる前の自分に戻ることができないことに衝撃を受けていますが、それはがんだけではないと私は思っています。
    私はうつ病にもなりましたが、完治したと言われても以前の私には戻れません。(どういうわけかいまだに新聞を読めません。辛いニュースが多いから?)
    いじめにあったことがある人も、交通事故に遭ったことがある人も、きっとそうです。
    心身に大きなダメージを受けたら、受ける前の自分に戻ることはないのです。
    でも、人間って日々変化するのですから、それはそれほど大変なことではないと私は思っています。
    変わった自分が最新の自分。

    何だか自分がものすごく感受性の鈍い人のように思えてきました。
    どうしてショックを受けないのだろう。

    巻末に関川夏央と香山里香との鼎談が掲載されていますが、その中に、ノストラダムスの予言を子どものころに信じていた世代の話がありました。
    自分の人生は1999年までで、その後の人生をイメージせずに大人になった世代。
    そしてそれは戦中派が25歳から先の人生を想定していなかったのと同じ心境なのだ、と。
    ”実年齢とは関係なく、そこから先はいわば「余生」という感覚です。”

    私も、子どもたちが家から出たときから、この先の人生はご褒美みたいなものだと思いました。
    身体が弱かったので、子どもが持てないかもしれないと言われて育ったので、子どもが持てて無事成人させたら、その後は「よく頑張ったね」と神様がくれた人生だと。
    だから、お医者さんが精いっぱい治療してくれるであろうことも信じていましたし、それでもダメなときはしょうがないな、ご褒美分が終わるということだから、と納得したのだと思います。

    もちろんだからと言って投げやりなわけではありません。
    免疫力を保つために感染症にかかるまじと思い、コロナの前から手洗いとマスクを徹底していました。
    規則正しい生活は昔からですが(これが一番体に楽なので)、自分に無理はしないように私生活では徹底します。
    もう少し生きていたいのでね。

    何だか本の感想というよりも、自分とがんとのかかわりについて書いてしまいましたが、それも含めて感想ということで。

  •  日本で1年に生まれてくる人は約100万人、1年にがんと診断される人は約50万人(男性は女性の2倍)。2001.10、40歳で大腸がんのひとつである虫垂がんが見つかった岸本葉子さんのエッセイ「がんから5年」、2007.9発行。ただ現実を真っすぐに見、それを両手で着実に受け取るとありますが、大変なストレスを経験されてきていると思います。がんの手術の成功は治ったことを意味しない。不安はなくならない。がんからは死ぬまで解放されない。病気になって人間の体のすごさをつくづく感じられたと。
    日本で一年に生まれてくる人、約100万人。癌と診断される人、50万人。40歳で進行がん(虫垂癌)の手術をしてもうすぐ6年の岸本葉子さん「がんから5年」、ほどほどが大事、2007.9発行、再読。胃の手術をした人は食べる方に苦労、腸の手術をした人は出す方に苦労。冷えには要注意。冬だけでなく、夏も。待ち時間、私は常に文庫本の読書ですが、著者は病院の待ち時間に葉書を書くそうです。その集中力に拍手を!

  • 編集されていない
    こういうのは出版してはいけない

  • 夫が闘病中は決して読めなかったこういう類の本。
    患者はこういう風に考えているのかと参考になりました。後悔ばかりだな〜。

  • <table style="width:75%;border:0;" border="0"><tr><td style="border:none;" valign="top" align="center"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163694307/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51z37Pr5ezL._SL160_.jpg" alt="がんから5年―「ほどほど」がだいじ" border="0"></a></td><td style="padding:0 0.4em;border:0;" valign="top"><a href="http://blog.fc2.com/goods/4163694307/yorimichikan-22" target="_blank">がんから5年―「ほどほど」がだいじ</a><br />(2007/09)<br />岸本 葉子<br /><br /><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163694307/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank">商品詳細を見る</a></td></tr></table>
    <blockquote><p><strong>「5年が経過しました」
    主治医の言葉がこうも胸にしみ通るとは、予想外だった。
    食事療法や漢方医院通いは、今も続けている。
    仲間と&#8246;希望&#8246;や&#8246;これから&#8246;を語り合うことも。
    たしかに、がんは長い。それでも、
    のんびり、ゆったり、自分なりに付き合っていこうと思う。

    虫垂がんの手術から6年、日々の思いはさまざま、心も揺れる。
    体調の優れないこともあれば仕事やお金のことで頭を悩ましたり。
    それらも含め、「年をとっていく」という普遍的なことへ、
    自然につなげていける気がしています。</strong></p></blockquote>
    ほんとうの辛さや苦労、苦悩は、がんにかかわらずその病気に罹った本人でなければ決して解らないのだろうと思う。しかも、苦悩のポイントもそれぞれに違うことだろう。とはいっても、自分以外の体験者の言葉や生き方に接することができることで、励みになったり我が身を省みたりできるということもあるだろう。
    著者も、ご自身の側にだけ病気を抱え込まず、ボランティア活動などを通じて、外側へ発信することで自分にも他者にも生きていこうとする勇気を広めているように思う。

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著者プロフィール

1961年鎌倉市生まれ。東京大学教養学部卒業。エッセイスト。著書に『エッセイの書き方』(中公文庫)、『60代、不安はあるけど、今が好き』(中央公論新社)、『おひとりさま、もうすぐ60歳。』(だいわ文庫)、『60歳、ひとりを楽しむ準備』(講談社+α新書)、『60代、ひとりの時間を心ゆたかに暮らす』(明日香出版社)、『岸本葉子の暮らしの要』(三笠書房)など多数。
2008年テレビ番組「NHK俳句」出演をきっかけに俳句を始め、2015年より同番組の司会を7年間担当、2021年よりラジオ番組「ラジオ深夜便」に「岸本葉子の暮らしと俳句」コーナーを4年間担当し、俳句との縁を深める。俳句に関する著書に『俳句、はじめました』『私の俳句入門』(ともに角川ソフィア文庫)、『俳句、はじめました 吟行修業の巻』(角川学芸出版)、『俳句で夜遊び、はじめました』(朔出版)、『岸本葉子の「俳句の学び方」』(NHK出版)、『毎日の暮らしが深くなる季語と俳句』(笠間書院)、初の句集『つちふる』(KADOKAWA)など。俳人協会会員。日本文芸家協会会員。

「2025年 『ゼロから俳句 いきなり句会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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