インドの衝撃

制作 : NHKスペシャル取材班 
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 146
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163696102

作品紹介・あらすじ

インド人はなぜ優秀なのか?インド経済は本物なのか?インドは大国となりうるのか?「衝撃」の深層は、この本の中にある。大反響を呼んだNHKスペシャル、待望の単行本化。

感想・レビュー・書評

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  • 最近観るテレビと云えば殆どNHKばかりだ。中でもドキュメンタリーが多い。NHKの本領はドキュメンタリーにこそ表れているのではないか。最近本当にそう思う。
    そのドキュメンタリー番組が本になったら、面白くないワケが無いではないか。
    ...そう思って読んでみたら、ホントにその通り。面白かった。
    と云うのも、最近の国際情勢の中でやおら急速に存在感を増して来たインド。その「インド」の三文字を書棚に並ぶ背表紙に見つけ、手に取ってみたら本書だったのだ。
    出版は2007年。内容の元となった取材そのものは、それよりもさらに1₋2年前のものだろうから、2024年の「今」に比べ20年近く前のことなので、今なお先進諸国を凌ぐ高成長と深化を続けるインドの「今」を知るにはもはや「古い」内容とも云えるが、それでも十分に面白い。だからこそ、本当の「インドの今」を知るには不可欠の基礎を学ぶことが出来る格好の教科書とも云える。インドを理解するお楽しみはこれからなのだ。
    こうなると、本書の続編である「続・インドの衝撃」も読まねばなるまい。

  • 10年前の本なので隣にあった続編が気になる!
    インド人の巻き舌早口英語を思い出すが
    同僚たちですら貧困層ではない…
    対するエリート層…
    国家のために学ぶ力、日本にはもうないかも。

  • p123 インドでITが流通した理由
    p210 モノが人を変える

  • この本を 読んだ後、実際にインドのデリーとムンバイに行きました。
    人の多さ、貧富の差、将来への可能性を感じた一方、古い慣習、カースト制度から抜け出せない現実を目のあたりにした。
    インフラもしょっちゅう停電するなど脆弱。

  • いや、マジ、衝撃。こんな厳しい環境で競争して、勝ち残った人材の力たるや、インドどころか世界をリードしていくのだろうな。
    人材、消費力、生産力、全てが猛烈な勢いで伸びていく。縮んだままの日本はさらに縮んでそこそこ人口の多い消費地に成り下がる。止めたい。成長させたい。

  • TVのNHKスペシャルで放映されたものの活字版。とはいえTVの制限時間では放映しきれなかったことも多いので、こちらの方が情報量としては多いと思う。

    大きく分けて3章に分かれる。
    1.インドの知識労働者の台頭
    秀才の集まるIIT、インドソフトウェア産業の代表格とも言えるインフォシス、IITを目指し自分の村を貧困から救おうとする若者の話、など。
    このあたりは他の本でも多く触れられている部分で、最後のIIT予備校以外は大きな発見はなかった。
    2.インドの中産階級の勃興
    インドの中産階級が増えつつある実態を消費という観点から述べている。これはすでに大都市に限った話ではなく、地方都市にも波及している。消費社会を演出するものとしてスーパーマーケットのチェーンを紹介しているが、ここで中心になっているのがMBAを取得したエリートたち。今までインドの頭脳というとソフトウェアが中心に述べられてきたが、今やその範囲は多岐に渡っている。
    3.政治大国化するインド
    1998年のインドの核実験強行から約10年で、アメリカに事実上インドの核兵器保有を認めさせるというところまでたどり着いたインドのしたたか且つ強固な政治姿勢が述べられている。IAEAの査察が民生用核施設(原発)に限られ、軍事原子力施設には適用されないという。これはとりもなおさずインドの軍事原子力施設の容認を意味しているということになるそうである。
    ここまでの交渉の流れだけでも一つの番組になりそうなくらい奥が深い。


    基本的にはインドの将来の明るい可能性を肯定しているが、最後に現状の問題点が述べられている。不安定な内政の問題(過半数与党がなく、多数の政党による連立で一つの少数政党が抜けるだけで崩壊の可能性がある)、経済格差(特に農村)の問題が挙げられている。このあたりは政府はすでにかなり意識をしているらしく、今後の是正に期待したい。経済格差についてはインドの各企業も社会貢献として取り組んでいる。

    現在のインドを知るための好著。ただし少し時間が経った後だとすでに状況が大きく変わっている可能性もあり。

  • インドが世界に大きな影響力を持つ大国であることを世界に知らしめる“衝撃”を取り上げ、それらの立役者となった人々にインタビューを試みており、非常に面白かった。
    エネルギッシュで知性に富むリーダーたちの個々の力が大きくインドを変えており、彼らを尊敬し自らも夢を持って努力する若者たちがいるという事実は、今の日本ではあまり見られないことだと思う。
    今後もインドに注目していきたい。

  • Infosys 「公正で透明性があり、階級よりも実力を重視する」
    と書いてあったので、企業のサイトで確認してみた
    以下、Infosysのサイトより引用
    Corporate Governance Philosophy

    Our corporate governance philosophy is based on the following principles:

    * Satisfy the spirit of the law and not just the letter of the law
    * Corporate governance standards should go beyond the law
    * Be transparent and maintain a high degree of disclosure levels
    * When in doubt, disclose
    * Make a clear distinction between personal conveniences and corporate resources
    * Communicate externally, in a truthful manner, about how the Company is run internally
    * Comply with the laws in all the countries in which the Company operates
    * Have a simple and transparent corporate structure driven solely by business needs
    * Management is the trustee of the shareholders' capital and not the owner

  • 特に、最初、中盤がおもしろかった。
    おそるべきハングリー精神で勉強する若者、と先進国と同じ消費生活、生活スタイルを求める近代的な若夫婦。
    勉強する人も極端すぎて、でもそんなインド人、すごい。
    先週読んだ本「オニババ化する女たち」に、「日本人よ、ほんの一昔前の日本の生活を忘れるな。きっと、インド人はサリーを脱ぐ事はない。」というような事が書かれていたけれど、私はそんな事はないと思っていて、まさに、「そんな事ない」現在の状況がかかれていた。テレビとかがあって、画一的なアメリカ的消費生活が人々の頭の中に、あこがれとしてしみ込んでいく。みんなが目指すものは同じ。
    最後の章にでていた、バラマキ政策の人が配ったのがテレビ、というのも、情けない。
    またこうして、政府のいいなりの何も考えない、消費人間ができあがる。
    最後の章は私は興味がないので飛ばし読み。興味のない内容をきちんと飛ばせる癖を私はつけなければ。

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著者プロフィール

長年「ひきこもり」をテーマに取材を続けてきたメンバーを中心とする、全国で広がる「ひきこもり死」の実態を調査・取材するプロジェクトチーム。2020年11月に放送されたNHKスペシャル「ある、ひきこもりの死 扉の向こうの家族」の制作およびドラマ「こもりびと」の取材を担当。中高年ひきこもりの実像を伝え、大きな反響を呼んだ。

「2021年 『NHKスペシャル ルポ 中高年ひきこもり 親亡き後の現実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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