もっとも美しい数学 ゲーム理論

制作 : 冨永 星 
  • 文藝春秋 (2008年2月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163700106

作品紹介・あらすじ

自分の利益を最大にするには、どう行動すればいい?「ゲーム理論」がその答を教えてくれる。アダム・スミス、フォン・ノイマン、ジョン・ナッシュ…科学の歴史を彩る天才たちがかたちづくった「ゲーム理論」は、先端科学と結びつき、彼らの予想を上回る成果を生み出した-。自分以外の人々はどう行動するのか。世界は将来、どうなっていくのか。人類がずっと夢見てきた難問を解く「もっとも美しい数学」。その歩みと可能性が一冊でわかる平易でスリリングな快著。

もっとも美しい数学 ゲーム理論の感想・レビュー・書評

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  • 2008年刊行。著者は「ネイチャー」「サイエンス」等に寄稿し、また元「ダラス・モーニング・ニューズ」紙の科学部門編集者。フォン・ノイマンが生み出したゲーム理論は、数多くの領域で利用されるに至っているが、その形成経緯と各方面への展開の実情を明らかにする。量子力学や統計科学、あるいは生物学や脳神経学といった理工系学問のみならず、社会事象の将来予測にまで領域を拡大している様を本書は検討していく。なお、いわゆる複雑系との関わりも興味深いところ。

  • 自分が担当している技術分野の特許マップ作成について考えています。「その特許マップを使って今後の出願計画を考えたい」という依頼を受けて動いています。そこで心配なのが「単なるデータ遊びにならないか」ということです。

    特許でよくある課題や構成でカテゴライズしてエクセルでグラフ化したとします。グラフ化により正規分布が形成されたとします。しかし、それが「今後の出願計画にどうつなげられるのか」を把握できないでいます。本書で「ゲーム理論により、物事の流れがどこに向かおうとしているかがわかる」と挙げられていたように、これからの技術動向がわかるとでも言うのでしょうか。

    データは使って何ぼです。ただ集めるだけでは趣味のコレクターと何ら変わらず、何のプロフィットも生まないと思います。但し、天気予報のように「ゲーム理論で人間の行動を確実に予測できないと言って、その洞察が無意味ではない」という考え方もあるので、強ち徒労に終わるものではないかもしれません。

    せっかくの機会ですので、依頼にはきちんと応じたいと思います。こちらのデータを使ってどのような結果を生んでもらえるのか楽しみにしています。

  • ゲーム理論を掘り進めるというよりは、あらゆる学問と関連付け広げていく。何か少し物足りない。

  • ゲーム理論がさまざまな縛りと引き替えに、数学の持つ厳密な信頼性を獲得している

    「温度の低い」プレイヤーは計算コストを度外視して、とにかく最良の戦略を見つけることに集中する。これに対して「温度の高い」プレイヤーは計算コストが高いとみると、すぐにもっと他の可能性を探ろうとするのだ。

    純粋に合理的で、常に最善のことをしようとする人は「冷たい人だ」というのは、文字通りに真実なんだ-そういう人たちは、まさに凍っている。一方、ありとあらゆるところであらゆることをしてみる人、あれこれ可能性を探って試す人たちは、文字通り「熱い」。これは数学から得られることであって、比喩でもなんでもない、実際に考慮すべきものなんだ

  • P274 伝染の結果どうなるかは、最初の感染よりも、むしろ二番目の感染の強さによって左右される。

  • 生物学にゲーム理論を用いて解説した「利己的な遺伝子」からさらに他の学問へゲーム理論を応用しようとした本。様々な分野への言及が為されているが、分野を絞り深堀した方がおもしろかったかも。

    第1章 アダム・スミスの「手」—経済と科学の融合
    第2章 フォン・ノイマンの「ゲーム」—ゲーム理論の誕生
    第3章 ジョン・ナッシュの「均衡」—ゲーム理論の基礎
    第4章 メイナード・スミスの「戦略」—生物学とゲーム理論
    第5章 ジークムント・フロイトの「夢」—脳神経学とゲーム理論
    第6章 ハリ・セルダンの「解」—人類学とゲーム理論
    第7章 ケトレーの「統計」、マクスウェルの「分子」—社会物理学の誕生
    第8章 ケヴィン・ベーコンの「つながり」—ネットワークとゲーム理論
    第9章 アイザック・アシモフの「ヴィジョン」—社会物理学とゲーム理論
    第10章 デイヴィッド・マイヤーの「コイン」—量子力学とゲーム理論
    第11章 ブレーズ・パスカルの「賭け」—確率論、統計力学とゲーム理論

  • ゲーム理論の発展の歴史を物語った本。次なる読書「ビューティフル・マインド」へのドライブになった。

  • ゲーム理論の概要と発展の歴史、それからどのような分野に応用されているのかなど、ゲーム理論を俯瞰する本。
    アシモフのSF小説に出てくる心理歴史学のように、ゲーム理論がすべての科学を統合できるのでは、「自然の法典」を解き明かすきっかけになるのではと期待。
    一章ではアダムスミスの経済学をもう一度読み解き、スミスがただ個人は利己的で市場にすべてを委ねるべしと唱えたわけではないことを説明。それからダーウィンの『種の起源』がニュートン、スミスによる著作に続く、世界を科学的に要約した三部作の一つとして紹介。
    二章ではゲーム理論と経済学について。効用の数値化と熱力学の類似性、「純粋戦略」と「混合戦略」の違いなんかについて。
    三章はナッシュ均衡について。化学反応での平衡状態にたとえて説明。戦術を変える人が誰もいなくなった状態。
    四章は生物学とゲーム理論。アヒルに餌を撒く実験とか、タカ・ハトゲーム、血縁関係や利他行為、オウム返し作戦とか。
    五章は神経経済学。脳が効用をドーパミンで測ってるらしいこと、「転換者」と「固執者」の脳の違い、ゲームをしながらMRIで脳のスキャンができるようになったことなど。
    六章は人類学とゲーム理論。

  • この本の目的は、ゲーム理論が広範な科学の分野に応用多様な形でされているかを紹介すること。
    特に、ゲーム理論を活用して人間性や人間の行動を細かいところまで解明しようとし試みている分野にスポットを当てている。
    最初の目的通り、広範な科学の分野に応用されていることを紹介している本でした。
    ただ、それぞれの分野でのテクニカルタームが難しい。
    しょうがないことではあるが、予備知識が多少でもないと難しいかなぁと感じた。
    ゲーム理論こそが、真の「万有の理論」をひもとくための鍵だと言うことは十分納得できました。

    第一章 アダム・スミスの「手」 経済と科学の融合
    第二章 フォン・ノイマンの「ゲーム」 ゲーム理論の誕生
    第三章 ジョン・ナッシュの「均衡」 ゲーム理論の基礎
    第四章 メイナード・スミスの「戦略」 生物学とゲーム理論
    第五章 ジークムント・フロイトの「夢」 脳神経学とゲーム理論
    第六章 ハリ・セルダンの「解」 人類学とゲーム理論
    第七章 ケトレーの「統計」、マクスウェルの「分子」 社会物理学の誕生
    第八章 ケヴィン・ベーコンの「つながり」 ネットワークとゲーム理論
    第九章 アイザック・アシモフの「ヴィジョン」 社会物理学とゲーム理論
    第十章 デイヴィッド・マイヤーの「コイン」 量子力学とゲーム理論
    第十一章 ブレーズ・パスカルの「賭け」 確率論、統計力学とゲーム理論
    エピローグ

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