昭和天皇 第一部 日露戦争と乃木希典の死

  • 文藝春秋 (2008年8月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784163704609

感想・レビュー・書評

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  • 「彼の人」昭和天皇の生涯を描く。評伝?
    第一部は幼年期なので、「彼の人」の主体的な言動は当然あまりなく、「彼の人」周辺のエピソードと、時代背景を中心に語られる。これだけなら特に「彼の人」が主役でなくてもよいので、少し回りくどさを感じるか。次回以降の展開や如何?

  • さびしさ、孤独という観点から切り開かれたせいか、昭和天皇の幼年期に胸がつまる思いでした。皇太子、天皇というひとはたったひとりしかおらず、そのたったひとりの思いは本人にしかわからなくて、そんなやるせなさの片鱗を拾い上げたようでした。
    漢字が多くて呑み込めないところも多々あったけど、続刊も読もうと思います。

  • 若き日の昭和天皇というより、その時代背景と天皇の周辺にいる人物たちを描く。昭和天皇自身の人物性が徐々に明らかになってくる。
    明治天皇、大正天皇、そして昭和天皇の素顔が見えてくる。今まで如何なる小説にも描かれていなかっただけに、新鮮だ。

  • ときに悲しいほどに小さく、ときに仰ぐように巨きい。さびしき「彼(か)の人」と、彼の人と同時代を生きた人々の相貌を通して激動の歴史全体を高密度で描く傑作評伝。これぞ福田和也のライフワーク!
    明治34年4月29日、迪宮(みちのみや)裕仁親王は誕生した。チャーチル、スターリン、ルーズベルトら後の敵手よりも20も若く。日露戦争、第一次大戦を背景に少年は乃木希典による厳格な教育を受けて成長。しかし、その結婚をめぐって「宮中某重大事件」が起きる――。

    目次

    明治の精神
    二十世紀の子
    養育先へ
    日露戦争
    もう一人の皇子
    明治天皇崩御
    大正の御世へ
    帝王学
    第一次大戦
    立太子礼
    パリ講和会議
    宮中某重大事件
    ヨーロッパ外遊へ

  • 素晴らしき神話の世界。
    こんな時代があったのか……ではなく、こんな世界があるのか、だ。
    それは大空襲ですべて焼け野原となり消えてしまった。
    この描き出された明治を見れば、江戸も、戦国時代も、少し前のように感じる。映画で列車が煙をふいて走ったら、観ていた人がけむたくなって咳き込んだり、手で煙をはらったりするような世界。完成されていく神話を読み進めるうちに、戦争で何もかもなくなったことが、切なくて、しんどくなる。これがなくなったか……と思う。アレックス・カーや松岡正剛が描くような日本とは少し違う感じがする。何か、不思議な世界。まだ祈祷があったころ。まだ威厳で時間がとまるころ。
    かつて、柿本人麻呂が、唐をとりいれることにより、失われるものに危惧した日本が、完膚なきまでにここで終わったのだなと思われる、記憶の書。
    もちろん、福田和也という著者は色々と言われているので、若い人は惑わされないようにとは言う人は多いだろうけれども、それでもこの空気感、新しかったし、何かどこかであったような気がするし、この本著に書かれているものは、例えば最近あった、ミルコ・デムーロの最敬礼に、ああそうだ日本は国だったんだ。血を血で洗う世界で、帝国だったのだと、新しく思い出させる、それが、この本にも、著者の予想以上に広がっているように感じた。

  • 昭和天皇に、「彼の人」という三人称を用いたのが印象的。昭和天皇を描くにあたり、もっともしっくりくる表現だと思う。また、遠くもなく近くもない、筆者の昭和天皇に対する距離感もうかがえる。

  • もはや昭和の偉人。
    天皇さんを通せば昭和が一番理解できると思い読み始めました!

  • 明治天皇は西郷隆盛がお気に入りで 大正天皇は大隈重信がお気に入りであった。さて 昭和天皇はどなたをお気に入りだったのだろうか。

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著者プロフィール

1960年、東京都生まれ。批評家。慶應義塾大学名誉教授。『日本の家郷』で三島賞、『甘美な人生』で平林たい子賞、『地ひらく――石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞、『悪女の美食術』で講談社エッセイ賞を受賞。

「2023年 『保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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