ランド 世界を支配した研究所

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163706306

作品紹介・あらすじ

ゲーム理論、システム分析、ファイルセーフ、合理的選択論…。-現代史を彩る理論はここからやって来た。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカの非公式政策決定頭脳集団のランド研究所を通して、国とは何か、愛国とは何か、市民とは何か、考えさせられる。

  • ランドというアメリカのシンクタンクが戦後に誕生した。
    あらゆるデータを数値化して未来のアメリカをどの方向に向かわせるのが一番いいかを研究するところ。

    アメリカが世界で一番強く優秀でどこよりもよく素晴らしい国であるという事が目的で、戦後は核の脅威をソ連を対象にどうしたら世界でアメリカが優位になるかなどアメリカ空軍の情報を研究していた、その後、基本アメリカペンタゴンなどを中心としたところのバックアップでアメリカが生き残るための情報を研究し続ける。

    私としてはネオコンの中心にある研究所であり、ココでアメリカの優位性をいつまでも保つための研究をしているところであり、そういう頭脳が集まっている研究所であると思う。

    そのおかげで日本も小泉時代に自由化を迫られ、そういう方向に国が進み、今の日本がどんどんそういう方向に進められていると感じる、ある意味日本はモルモットにされているのではないかとさえ思う。

    こん研究所がアメリカの中枢にあり、政府や軍部も連携して未来を築き続けているのだと思う。

    ある意味、恐ろしい組織だと感じる。
    読み終えても、何となく気持ちがザワザワとする世界観が残った。

  • ノーベル賞受賞者を29人も輩出し、天才数学者ゲーム理論のジョンフォンノイマンや、キューブリックの映画博士の異常な愛情のモデルハーマンカーンを雇用していたランド研究所。アメリカの軍事、外交、社会政策におけるシンクタンクだ。フェイルセーフやゼロサムゲームなども、ランドの考案である。まさに、天才頭脳集団。

    国や世界を操作するのが一部の天才だという現実は分かり易い。しかし、その思考規範が一部の国益に適うだけでは、対立は免れない。対立が起こるシミュレーションは、天才的とは言えない。対立を避けるための数学的妥協点。その計算には、実は知的な頭脳と同時に情感が必要だろう。

  • 253

  •  米国のシンクタンク「ランド研究所」の設立から今までを追いかけた本。シンクタンクという機関がいかに政治と密接に関わってきたかがさまざまのエピソードとともによく伝わってくる。
     また原題「Soldiers of Reason」とあるように、ランド研究所は理性・合理性を徹底的に追い求めた機関でもある。有名なところでは、ゲーム理論や合理的選択理論を生み出した学者が所属していたが、その根底には戦争の合理的な遂行といった役割を担っていたことも明らかになっている。
     価値中立が標榜されるシンクタンクの異なる一面が垣間見える興味深い本。というより、こちらの一面の方が本質なのだと思う。
     

  • ランドが設立された1946年は数名の混酸るたんとしかいなかった。
    ランドが集団としてはいかに秀でた存在であるにしても、永久に手が届かない科学的領域が人間の心についての研究だった。
    アメリカ軍は逸れんが世界を滅ぼそうとしてりつ主張していた。
    核兵器は望ましいものであると主張されていた。
    核兵器保有による抑止力。
    囚人のジレンマを考えたのもランド。
    これは軍縮に役立つ。
    ソ連が本当に先制攻撃を仕掛けたと考えている限りはアメリカが自らどんなに核武装しても国防上はたいして意味をなさないというパラドックス。
    1994年に大きな政府の時代は終わったと宣言している。レーガン流の信条とランドの治世が合体して生まれた世界に住んでいるとのこと。

  • ランド研究所がこれまでにやってきたこと

  • 合理性を追求し、数字に全てを置き換えるという研究所、ランドという言葉に惹かれて手に取る。

    感想。。。
    合理性を追求しても、目的設定が妥当でなかったら、倫理的に非難され結論になる。ランドはあくまで、アメリカ、時の政権の正当性を後押しするという目的をもっていた。このことを細かいエピソードをあげて作者はいいたかったのだろう。
    合理性を追求する割には、ランド自身の組織運営や人材育成はずいぶん非合理だと思った。

  • 歴史が淡々と。

  • 概略だから仕方ないのかも知れぬが、エピソードを盛り込み過ぎてどれも中途半端だ。研究から生まれたゲーム理論や囚人のジレンマ等はおもしろいけど、ランドを知るにはいささか消化不良だ。

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