- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163706306
作品紹介・あらすじ
ゲーム理論、システム分析、ファイルセーフ、合理的選択論…。-現代史を彩る理論はここからやって来た。
感想・レビュー・書評
-
アメリカの非公式政策決定頭脳集団のランド研究所を通して、国とは何か、愛国とは何か、市民とは何か、考えさせられる。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ノーベル賞受賞者を29人も輩出し、天才数学者ゲーム理論のジョンフォンノイマンや、キューブリックの映画博士の異常な愛情のモデルハーマンカーンを雇用していたランド研究所。アメリカの軍事、外交、社会政策におけるシンクタンクだ。フェイルセーフやゼロサムゲームなども、ランドの考案である。まさに、天才頭脳集団。
国や世界を操作するのが一部の天才だという現実は分かり易い。しかし、その思考規範が一部の国益に適うだけでは、対立は免れない。対立が起こるシミュレーションは、天才的とは言えない。対立を避けるための数学的妥協点。その計算には、実は知的な頭脳と同時に情感が必要だろう。 -
253
-
米国のシンクタンク「ランド研究所」の設立から今までを追いかけた本。シンクタンクという機関がいかに政治と密接に関わってきたかがさまざまのエピソードとともによく伝わってくる。
また原題「Soldiers of Reason」とあるように、ランド研究所は理性・合理性を徹底的に追い求めた機関でもある。有名なところでは、ゲーム理論や合理的選択理論を生み出した学者が所属していたが、その根底には戦争の合理的な遂行といった役割を担っていたことも明らかになっている。
価値中立が標榜されるシンクタンクの異なる一面が垣間見える興味深い本。というより、こちらの一面の方が本質なのだと思う。
-
ランドが設立された1946年は数名の混酸るたんとしかいなかった。
ランドが集団としてはいかに秀でた存在であるにしても、永久に手が届かない科学的領域が人間の心についての研究だった。
アメリカ軍は逸れんが世界を滅ぼそうとしてりつ主張していた。
核兵器は望ましいものであると主張されていた。
核兵器保有による抑止力。
囚人のジレンマを考えたのもランド。
これは軍縮に役立つ。
ソ連が本当に先制攻撃を仕掛けたと考えている限りはアメリカが自らどんなに核武装しても国防上はたいして意味をなさないというパラドックス。
1994年に大きな政府の時代は終わったと宣言している。レーガン流の信条とランドの治世が合体して生まれた世界に住んでいるとのこと。 -
ランド研究所がこれまでにやってきたこと
-
歴史が淡々と。
-
概略だから仕方ないのかも知れぬが、エピソードを盛り込み過ぎてどれも中途半端だ。研究から生まれたゲーム理論や囚人のジレンマ等はおもしろいけど、ランドを知るにはいささか消化不良だ。