アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 153
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163707501

作品紹介・あらすじ

暴走する宗教。デタラメな戦争。広がる経済格差。腐った政治にウソだらけのメディア…。こんなアメリカを誰が救えるのか。

感想・レビュー・書評

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  • 9 アフガニスタン、88%が場所分からず
    22 個体発生は系統発生を繰り返す?
    33 バイブルベルト、ドライブスルー教会、ファミレス教会

    80 刑罰の軽減のために軍入隊
    82 ノブレス・オブリージュ、軍入隊。今は昔
    106 ウォルマート、週6日働いても生活保護

    118 極貧相はクラック・ヘロイン、中間はマリファナ、高級社会はコカイン・向精神薬
    風邪薬から覚醒剤の精製簡単、時々爆発。
    134 米国旗が売れる。中国人が大量生産

    165 共和党は「自由」民主は「平等」
    167 共和党はイデオロギーを超えた現実的外交
    231 ラヂオ、右翼コメンテーターたちの口汚さ

  • アメリカ在住の映画評論家町山さんのエッセイは連載からの出版でもあり定期的に出ている感じで、定期レポートといったものになっている。ともするとだんだん薄味になりがちだが、流石に全くそういった懸念は当たらず充実した情報に鮮やかな分析で筆致はますます鋭い。今回も面白かった。サンタの衣装の話は知らなかったなあ。

  • アメリカ人には本気で日本と韓国と中国の区別がつかない人がいるんだろうな、と思わされます。「同じ言葉しゃべるんだよね」とアメリカ出張で聞かれたことあり

  • アメリカ盲追の日本としては、笑えない。TPPを許したら、日本もこうなるんだろうな~泣

  • 大変面白く読みました。
    日本版マイケル・ムーア的な感じでしょうか?
    いやー、未公開映画を観るTVで言ってることをそのまま本にした感じ?いや逆か。

    本当にアメリカに住んでなくて良かった・・・と思わされる。
    それでもアメリカの犬こと日本人としてはちょっとヒヤヒヤしちゃうよね。
    将来TPPで似たような状況になりませんように・・・。

  • 町山のブッシュ批判

  • パスポートを持っているアメリカ人は国民の2割にすぎない。他の8割は外国に関心がない。彼らが外国の土を踏むのは、銃を持って攻め込む時だけだ。
    「でも、外国の場所なんか、俺もあやふやだよ」という人は、さらにナショナル・ジオグラフィックの調査を見て欲しい。アメリカの地図を見てニューヨーク州の場所を示せない者が5割もいたのだ。(9ページから引用)

    「アメリカの知識人階級と大衆のあいだに巨大で不健全な断絶があることが明白になった」
    そう書いたのは『タイム』誌だが、最近ではなく、50年以上前の1952年の記事である。実は、こんな状況は今始まったことではなかった。1972年にマスコミや知識人、大学生の激しい反対運動にかかわらずニクソンが再選された時も同じことが言われた。ずっとア メリカはこうだった。
    アメリカ人は単に無知なのではない。その根には「無知こそ善」とする思想、反知性主義があるのだ。(12ページから引用)

    ES細胞だけじゃない。福音派と科学の対立は近年、激しさを増す一方だ。福音派は「宇宙は神が7日間で創造した」という聖書の記述を信じているので、福音派の多い州では公立学校でダーウィンの進化論を教えることが法律で禁じられている。最近の調査では アメリカ人の45%、つまり2人に1人が進化論やビッグバンによる宇宙の起源を信じていないという結果が出た。(25ページから引用)

    共和党が堅持する、アメリカの伝統的な保守思想は「自由主義」である。信教の自由を求めてヨーロッパから逃げてきた人々の国だし、イギリ国王の重税からの経済的自由を求めて共和制を勝ち取った国だからだ。ところが「自由主義」を英語で言うとリベラリズムだ。実はアメリカのイデオロギー抗争は、いろんな種類の自由主義のせめぎあいなのだ。
    まず、経済における自由主義とは、自由市場で勝手に競争させておけば世の中はよくなるという考えだ。いい商品やいいサービスが競争に勝ち残って、人々の生活が向上する。優秀な企業は大きくなり、雇用を増やし、福利厚生し、税金を払い、さらにいい商品を開発して社会全体を底上げする。だから市場経済に関して政府は放っておけ。政府の権限は小さければ小さいほどいい。
    アダム・スミスは経済を「神の見えざる手」が操るのだと唱えた。この古典的自由主義は、プロテスタントの信じる「予定説」、この世のすべては神の思し召し、という考えと結びついた。つまり自由放任経済は神への信仰に支えられているわけだ。
    ところが実際は、経済を放任していると暴走する。資本は大企業に集中し、中小企業は潰れ、貧富の差が拡大する。企業は殿様商売を始め、高くて悪い商品を作り、福利厚生の予算を削り、公害を垂れ流す。バブルは暴走し、弾ける。
    実際、1929年に大恐慌が起こったが、当時のフーヴァー大統領(共和党)は「神の見えざる手」を信じて、市場に何も介入しないで景気回復を待った。事態は悪くなる一方で失業率は25パーセントに達した。
    フーヴァーに代わって就任したF.D.ルーズベルト大統領(民主党)は革新的な景気打開策をとった。政府による積極的な経済介入、公共事業で貧困層に仕事を与えるなどのニューディール政策である。かくして民主党は、富を貧しい者に分配すること、つまり「平等」の実現を党是として確立した。
    ルーズベルト以降、ジョンソン大統領の'60年代まで基本的に民主党がアメリカをリードし続け、黒人の社会的平等などを成し遂げたが、'70年代に経済は停滞した。保守派(自由主義者)は自由競争を不活性化する平等主義者を「リベラル」と呼んで批判した。ソーシャル(社会的)リベラルという意味だが、保守派は「リベラル」を「アカ」と同義語として使った。
    '80年代のレーガン大統領は、企業への規制緩和と減税、福祉削減、公共事業の民営化で「小さな政府」を目指した。政府による構造改革によって市場競争を活性化させる新自由主義(ネオ・リべラリズム)の台頭である。
    ブッシュも経済の自由放任においてレーガンを継承した。就任してすぐに富裕層と大企業への減税を行い、経済は野放し。為替にも介入しなかった。おかげで住宅バブルは暴走し、ドルは下落して金融危機を引き起こした。金持ちと大企業に減税して税収を莫大に減らしながら、湯水のように戦費を垂れ流す。かくしてクリントンがせっかく貯め込んだ5590億ドルもの財政黒字をブッシュ政権はあっという間に使い切り、赤字は史上最大の10兆ドルに向かって膨らみ続けている。(164ページから引用)

    ブッシュ政権はキリスト教福音派のイデオロギーを国政に持ち込んで信教の自由を侵した。愛国法で国民の盗聴やインターネット活動の監視を合法化し、思想の自由、表現の自由を抑圧した。「アメリカの自由をテロから守るために」と称して(リバータリアンは愛国法にも反対している)。(167ページから引用)

    外交におけるアメリカの伝統は不干渉主義、モンロー大統領にちなんで「モンロー主義」と呼ばれる孤立主義だ。これに対立するのが国際連盟を呼びかけたウィルソン大統領(民主党)にちなむウィルソン主義で、自由や平等という理想を世界に実現させるために積極的に他国の政治に介入する。民主党の大統領はウィルソン的で、ルーズベルトは第二次世界大戦に参戦し、ジョンソンはベトナムに軍事介入した。いっぽう共和党の大統領はソ連との雪どけを行ったアイゼンハワー、中国との国交回復を成し遂げたニクソンなど、イデオロギーを超えた現実的外交を行うことが多い。(167ページから引用)

    「共和党を元に戻したいのだ」とマケインは言う。黒人奴隷を解放したリンカーンは共和党だったし、共和党のアイゼンハワーはソ連と歩み寄り、軍産複合体を批判した。それが極端に右傾化したのは'80年代、福音派を支持基盤に取り込んでからだ。福音派が政治を支
    配する現状をマケインは「政教分離というアメリカ建国の精神に反している」と批判した。(233ページから引用)

  • 社会

  • 私の愛読雑誌映画秘宝でもコラムを寄せている町山智浩さんの本。丸善本店に行ったときにレジに行く寸前に目に入って購入。アメリカの今を感じることができた。彼の本で、とてもすっきりしたことがある。アメリカの共和党と民主党の立ち位置。共和党=自由主義、民主党=平等。アメリカの大統領は、オバマさんに決まった。世界的に金融危機が広がっている中、どんな舵取りをするのか注目している。

  • 進化論を排斥する人々。キリスト教原理主義者の国アメリカの話題を面白く綴る。でも、読んでいくうちにだんだんとアメリカが怖くなる。この国の経済状況に日本も近づいていくようだ。

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著者プロフィール

1962年生まれ。映画評論家・ジャーナリスト。早稲田大学法学部卒。『宝島』『別冊宝島』などの編集を経て、『映画秘宝』を創刊。後、アメリカに移住。著書に『トラウマ映画館』『さらば白人国家アメリカ』など。

「2019年 『町山智浩・春日太一の日本映画講義 戦争・パニック映画編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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