ゲマワット教授の経営教室 コークの味は国ごとに違うべきか

  • 文藝春秋 (2009年4月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784163713700

みんなの感想まとめ

グローバル戦略の再定義をテーマにした本書は、現代ビジネスにおける標準化と現地適応のトレードオフに新たな視点を提供します。著者は、フラット化する世界という幻想に対抗し、各国の市場特有のニーズや規制、文化...

感想・レビュー・書評

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  • 「テクノロジーの発達によって世界がフラット化したと言われて随分経つけど、実際にはまだまだ国の違いって大きいよね。そんな『セミ・グローバリゼーション』の状況はこの先数十年続くと思うけど、国境を越えてビジネスを行う企業が、クロスボーダー戦略を作成する際に役に立つフレームを作ってみたよ」という本。
    差異を分類する観点(CAGE)、価値創造を分析するための構成要素(ADDING)を用いたスコアカード、取りうる戦略(AAA)など、国によるビジネスの違いを考えたり説明したりする際に参考になりそう。他にも、Learn-to-burn ratioなど使えそうなアイデアが随所にちりばめられている。また、「親会社への知識の還流」は、もっと意識的に行いたいと思った。

  • ITの世界を中心に世界はフラット化してきていると言われていたが、実はそうではない。今でも国境はあり様々な違いがあることを筆者の印象や感想ではなく事実をベースにえぐり出しており、国ごとの差異を活用すれば新しい勝ち方があることを知らしめている本。結局はグローバル市場は存在せず、あるのは各国の市場があるだけであり、特定の進出国で勝っているものの総和で規模が大きいだけ。CAGEのフレームワークで考え差異をうまく取り入れ戦略を組み合わせると自ずと勝てる可能性は高まる。ただしそれを実行するには複雑化された戦略を統合する組織能力が必要。

  • 発刊当時に読みとても感銘を受けていたのですが、再度手に取りました。本書、中身は大変有益なのですが、やや難解な点もあるので、できたら2度くらい読み返すと理解がかなり深まるのではないでしょうか。
    ゲマワット教授はグローバルストラテジーの世界的な権威で、本書の冒頭にも書かれているように、本書はアカデミクス向けではなく、あくまで実務者向けを意図して書かれている本です。グローバルビジネスで悩んでいる実務者の方は是非読むことをオススメしますが、翻訳の質はイマイチなので、できたら原書も購入して読めると最高だと思います(そもそも日本語の題名の付け方で品位がだいぶ落ちている)。
    本書で紹介されるツール(フレーム)は大きく3つです。1つめは、国の差異を分析する際に用いるCAGEフレームワーク。これはCulture(文化)、Administration(制度)、Geography(地理)、Economy(経済)の4つの面で国の差異を分析せよ、ということで、日本を主語にすると相手国によって差異の大きさや種類がだいぶ変わってきますし、どの差異に影響を受けるかは業種次第であるということが理解できます。
     2つめのツールはADDINGスコアカードと呼ばれるもので、これはグローバルビジネスにあたってしっかり価値創造ができるのかを6つの要素面から検証するためのツールです。巷で出版されているグローバル本のほとんどが「グローバルビジネスは必須だ」という盲目的な前提の元で議論が進められますが、ゲマワット教授の素晴らしい点は、グローバル事業が価値を生み出すのか、生み出さないのならやるべきではない、というスタンスであることです。当たり前ですがこのスタンスは素晴らしいと思いました。
     3つめのツールはAAA(トリプルA)と呼ばれるもので、これはグローバル戦略を3つのオプション(Aggregation:集約、Adaptation:適応、Arbitrage:裁定)に分類しています。Aggregationは国の差異をどう「克服(overcome)」するか、Adaptationは差異に対してどう「調整・修正(adjust)」するか、そしてArbitrageは国の差異を「活用(harness)」するという内容で、どれが優れているというものではなく、これらのオプションを幅広く念頭に置きながら戦略を作りなさい、というガイドラインとなっています。
     繰り返しになりますが、本書は他のグローバル経営本とは違って、(1)実務者にとって実用的な内容になっている、(2)価値創造を究極の目標としている、(3)国の差異があるという現実に目を向けたケースバイケースの戦略立案を念頭に置いている、という点で大変優れていると感じました。オススメです。

  • 筆者の言いたいこと!
    世界はフラット化してない!
    実際はセミ・グローバルな状態である。

    「グローバルに考え、ローカルに行動しろ」は間違い。「ローカル化しろ、ローカル化しろ、ローカル化しろ」が正解
    実際はこんなに両極端な戦略を組み合わせるとろくなことにならない。

    国際経済における「重力モデル」=2国間の貿易はそれぞれの経済規模に比例し、2国間の距離に反比例する。

    完全な現地化や標準化という極端な方法は避ける必要がある。

  • 未感想

  • 読書メモ参照

  • 進出すべき地域を分析する際のフレームワーク
    C : Cultural
    A : Administrative
    G : Geographical
    E : Economic

    グローバル化による付加価値を分析するフレームワーク
    A : 販売数量,伸び率の向上
    D : コストの削減
    D : 差別化
    I : 業界の魅力と交渉力の向上
    N : リスクの平準化,最適化
    G : 知識の想像

    セミグローバル化戦略
    A : Adaptation
    A : Aggregation
    A : Arbitrage

  • 日本の経営本を連続で読んだので国際経営本をば。グローバル化はただそれでけで真という思い込みを否定し、コカコーラやP&Gなどが思うほど成功していない事例(成功している事例も)を解説している。「グローバルに考え、ローカルに行動する、という誤謬」「なぜグローバルするのかという問いに対する答え」。グローバルに活動する企業の経営者は読んでおくと良い。なんとなく正しいと思っていることをきちんと検証することが重要であることを再確認。

  • 「世界はフラット化し、国境に意味なんてなくなった」。そんな「常識」を信じて大丈夫なのか? 答えはNO。いまも国境のあちらとこちらに「違い」は生き残っているのだ。“セミ・グローバリゼーション”の世界で勝ち残るための方法について、ハーバード・ビジネススクールきっての俊才が、一流企業の成功と失敗の事例を交え解説する。

    第1部 フラット化しない世界
    第2部 国ごとの違いを成功につなぐ

  • グローバル化する世界に警鐘を鳴らし、世界は「セミグローバル」と呼ぶ一歩手前の段階が続いていくとの主張を実例(コカコーラやウォルマートなど)を元に説明する経済学の本。
    実際に国際案件に関わったことのある人ならば当たり前のことだが、明示的に4分類として「文化・制度・地理・経済」にわけて考えることで新しい一面に築くことも確かに存在する。

    自社の何をコアとして変えずに、何をローカライズするのかというのは経営者の永遠の悩みなのかも。

  • これまたキャッチーなタイトルをつけられているが、内容はかなり骨のある内容。ライトにさくっと読めるかと思っていたら、全然違って、読むのに数日かかってしまった。
    http://nagoemon.blog56.fc2.com/blog-entry-577.html

  • WBS平野先生が大いにメンションしていたゲマワット唯一の邦訳。フリードマンのフラット化する社会はそう簡単には来ないよ、というゲマワット先生の主張は同意。
    それだけに、オリジナルのタイトルである"Redefining Global Strategy"が、何故に「コークの味は国ごとに違うべきか」になるんだ?!安すぎるタイトルは頂けない。

  • 目次でだいたいのことが理解できる。グローバル化社会とは言っても、世界が単一の経済圏になったわけではなく、地域ごとの最適な戦略が必要である、ってことを言わんとしている。著者はそれを「セミ・グローバル」といううまい表現を使っている。ただ、フラット化しない世界には少々概念のすれ違い感が否めない。トーマス・フリードマンは、インターネットをきっかけに情報や取引に時間的制約が無くなったことを「フラット化」と呼んだだけであって、本著者が指摘する企業戦略をもフラット化したとは言っていない。この気づきも読む醍醐味か?

  • グローバル化と一言では片付けられないセミグローバル化。「フラット化する世界」に対して、一辺倒の均質化でないといった主張の本。グローカリゼーションといった言葉は出てこなかったが、その部分に加えて、一見背反する3つのA、適応、集約、裁定をバランスさせる中で、セミグローバル化を図るべしといった内容。事例も具体的でわかりやすい。目次でだいたい書いてある雰囲気がわかると思う。

    各章のまとめは個人メモに。
    以下目次
    序文
    最年少でハーバード・ビジネススクール教授になった男 ニコス・ムルコギア二ス
    はじめに
    サッカー選手の国外への移籍は何をもたらしたか

    第一部 フラット化しない世界
    第一章
    コークの味は国ごとに違うべきか
    どこの国でもコークはコークだ世界共通の戦略を打ち出した
    コカ・コーラ本部と、独自路線を進んだ日本コカ・コ⊥ろさて結果は?
    第二章
    ウォルマートは外国であまり儲けていない
    グーグルとウォルマートが国外進出で味わった苦難。
    グローバル化で消え去ったはずだった「国境」がビジネスにもたらす影響とは?
    第三章
    ハーゲンダッツはヨーロッパの会社ではない
    国境の向こうとこちらーそこにある差異はマイナスぱかりではない。
    そこから価値を生み出せばいいのだ。それを考える枠組みとは?

    第二部
    国ごとの違いを成功につなぐ
    第四章
    インドのマクドナルドには羊バーガーがある
    マクドナルドは国ごとのメニューを現地にまかせ、その実情に合わせている
    国境を越えるためのビジネス戦略そのー「適応」とは。
    第五章
    トヨタの生産ネットワークはここがすごい
    国ごとの類似点を活かし、生産のグローバリゼーションを理想的に達成したトヨタ。
    そこに示された国際ビジネス戦略その2「集約」。
    第六章
    だからレゴは後発メーカーの追随を許した
    生産コストの安い国で生産、利益率の高い国で販売差異を機会として活用して国境を越える最古の定石、国際ビジネス戦略その3「裁定」。
    第七章
    ーBMはなぜ新興国の社員を3倍にしたか
    適応/集約/裁定。肝心なのは3つの戦略のバランス。
    優先順位をどう見極める?戦略決定の指針「AAAトライアングル」とは。
    第八章
    世界で成功するための5つのステップ
    世界が真にグローバルになるのはまだ先のこと。
    この不確実な時代にどう対応すればいいのか。真のグローバル戦略実践への処方箋。

  • 『セミ・グローバリゼーションという現状の下、この世界では国境が依然として重要であると強調した。本書では、「それはなぜか?」という点を深く掘り下げる。考えられる答えの中で比較的簡単なのは、「国境を越えると大きな差異が現れるから」である。一方、簡単でないのは「その差異をどう考えるか」だ。差異と類似点を絶対的な観点から扱うのではなく、本書では差異の度合いを考慮する。国ごとの差異を、文化的(Cultural)、制度的/政治的(Administrative/political)、地理的(Geographical)、経済的(Economic)という四つの側面(これらを総称してCAGEと呼ぶ)における隔たりという観点からモデル化する。』

    タイトルは良くないがグローバリゼーションを考える上での良書と紹介があったが、その通りだと思う。''Redefining Global Strategy'' を何でこんな軽薄なタイトルにしちゃったんだろう。
    難しいけど、面白かった。

  • ゲマワット教授が分析を重ねて出した結論は、国ごとに異なる制度的、地理的、経済的差異がグローバル化戦略に大きな影響を及ぼすとのこと。規模と画一化とは相反する市場への適応力こそこれから企業がグローバルで生き残る術なのだろう。

  • フラット化する世界ほどの興奮は得られず。

  • グローバリゼーションにより、世界が一つになるかというと、そういうことにはならない、ということが述べられている。部品レベルなど、製品・サービスの裏側は共通化されたとしても、生活者が手に取るところ、口にするもの、感じるものは、文化・慣習・価値観が異なるので、統一されることはない。セミ・グローバリゼーションという単語がちょうど当てはまるのだろう。
    そうした中で、クロスボーダーで人・モノが行き交い、情報は瞬時に世界中に拡散する世の中であるということ。個人や組織の考え方、物事の捉え方を柔軟にしないと、生き延びていけないということだろう。
    タイトルから想像するよりも、かなり堅い内容だったが、勉強になった。

  • 「フラット化する世界」に代表されるグローバリゼーションへの反論ともいえる一冊。ネットがあっても世界はそんなに簡単に共通化はしない。かといって、バラバラでもなく、その中間という現実の世界において、企業はどのように市場を拡大すべきか。

    まずは多様性に対応し、しっかりと個別マーケットに適応すること。次に可能な範囲で規模の経済、範囲の経済の実現を目指すこと。さらには、グローバル各拠点の差異を活用したアービトラージ(裁定)を実現すること。この3つを欲張らずにバランスよく実現させること。

    いわれてみれば当たり前のことですね。現実的対応方法というべきか。フラット化する世界って、国内市場だけに閉じている企業が世界を目指す時の標語としてはわかりやすいから、両者を二項対立として捉えずに、うまく活用すべきですね。

  • グローバリゼーションによる世界のフラット化はなかなか進まないのに、グローバル企業がどうしてその戦略を取ってしまうのかを詳しく解説している。

    セミ・グローバリゼーションを行っているから、コークの味は世界ごとに違うしマクドナルドもメニューが違う。

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