ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 (上)

  • 文藝春秋 (2009年10月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784163718101

みんなの感想まとめ

朝鮮戦争を扱ったこの著作は、著者の遺作として特別な意味を持っています。戦争の複雑な背景や、関与した国々の立場を多角的に描写し、読者に深い理解を促します。特に、アメリカ人にとって「忘れられた戦争」とされ...

感想・レビュー・書評

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  • ベトナム戦争を扱った「ベスト・アンド・ブライテスト」で有名な著者の朝鮮戦争についての著作。この著作のゲラ刷りに手を入れた後に交通事故で亡くなったという。最後の著作だ。雲山(운산)まで進出した米軍は、1950年11月に鴨緑江(압록강)を越えて攻撃してくる中国軍と衝突したとの記述で始まる。朝鮮戦争開始時点からの時系列ではなく、時期の前後があるので読んでいて戸惑うときもあるが、ワシントン、北京、モスクワ、東京などでの軍人、政治家達の立ち位置、考え、声も拾い、立体的に朝鮮戦争の流れを把握できるように記述している。

  • 積んでおいてずっと読んでいなかった本。ご時世もご時世なのでこの機会に読む。「あの」ハルバースタムの遺作である。さすがに重厚で、読み応えがある。ベトナム戦争についてはたくさん語られるが、朝鮮戦争についてはアメリカ人も多くを語らない。グラン・トリノでイーストウッドが朝鮮戦争を経験した元兵士を演じていたが、その体験は非常にネガティブなものであったようだ。いったいそれは、なんなのか。ハルバースタムの詳細な調査は詳細すぎて、マッカーサーの父親の来歴にまでおよぶ。マニアには楽しいだろうが、ちょっと脱線が過ぎるように僕には思える。なので、申し訳ないけど流し読みしています。

  • 「ザ・コールデスト・ウインター」
    https://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51301443.html

  • 20190601 下京図書館

  • 原題:The Coldest Winter: America and the Korean War (2007)
    著者:David Halberstam (1934-2007) 元NYT記者
    訳者:山田 侑平(1938-) 元・記者。学者。
    訳者:山田 耕介(1935-) 記者。
    装丁:石崎 健太郎
    目次・各章扉デザイン:中川 真吾

    【書誌情報】
    定価:本体1,900円+税
    発売日:2009年10月15日
    ページ数 528
    判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
    初版奥付日 2009年10月15日
    ISBN 978-4-16-371810-1
    Cコード 0098

    [担当編集者より]
    徹底したインタビューを積み重ねる手法で、現代史の骨太のテーマをものにしてきたハルバースタムが最後に選んだテーマは朝鮮戦争でした。10年の歳月をかけて取材執筆、ゲラに最後のアカをいれ終わった翌週、不慮の事故によって逝去します。直後から文藝春秋が遺族と交渉、日本語版の版権を独占取得しました。最後にして最高。マッカーサーが、金日成が、トルーマンが、毛沢東が、スターリンが、そして凍土に消えた名もなき兵士たちが、血の肉声をもってあの戦争を語ります。(SS)
    [訳者による紹介]http://books.bunshun.jp/articles/-/1175

    上 http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163718101
    下 http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163718200


    【簡易目次  上巻】
    プロローグ 013
     第一部 雲山の警告
    第1章 クリスマスに戦争は終わらなかった 020
    第二部 暗い日々――北朝鮮人民軍が南進
    第2章 それぞれの事情 074
    第3章 強国に挟まれた国 092
    第4章 でっちあげられた抗日の英雄 106
    第5章 遅れた軍隊 121
     第三部 ワシントン、参戦へ
    第6章 ドミノの最初の一枚か 128
    第7章 父の怨念を受け継いだ男 147
    第8章 母親がマッカーサーを彫刻する 166
    第9章 政治への野心 175
    第10章 緒戦の敗北 200
    第11章 マッカーサーの玉座の下で 222
     第四部 欧州優先か、アジア優先か
    第12章 国務省の苦難 246
    第13章 冷戦を決定づけた政策NSC68 278
    第14章 遅咲きの大統領トルーマン 291
    第15章 朝鮮半島と中国大陸のリンク 310
    第16章 国民党政府の崩壊 336
    第17章 誰が中国を失ったのか 345
     第五部 詰めの一手になるか――北朝鮮軍、釜山へ
    第18章 釜山橋頭堡攻防戦 366
     第六部 マッカーサーが流れを変える――仁川上陸
    第19章 統合参謀本部を出し抜く 420
    第20章 仁川上陸作戦 436
    第21章 蒋介石という難題 452
     第七部 三十八度線の北へ
    第22章 三十八度線を越えるべきか 458
    第23章 毛沢東、参戦を決断 475

    【簡易目次  下巻
    第24章 スターリンと毛沢東のポーカーゲーム 008
    第25章 忠臣ウィロビー 035
    第26章 国内政治が戦場を支配する 068
     第八部 中国の参戦
    第27章 殺戮の前奏曲〔オーバーチュア〕 082
    第28章 つのる不安 096
    第29章 中国軍の攻撃が始まる 101
    第30章 東京の命令に戦場の現実をあわせる 126
    第31章 狭すぎる脱出路 151
    第32章 西へ血路を開く 169
    第33章 それぞれの脱出行 177
    第34章 身代わりの山羊が必要だ 189
    第35章 マッカーサー、政府批判を始める 198
    第36章 リッジウェイの着任 216
    第37章 戦場の転換 229
     第九部 中国軍との戦い方を知る――双子トンネル、原州、砥平里
    第38章 杉徳懐の憂い 244
    第39章 原州で激突か 256
    第40章 双子トンネル前哨戦 264
    第41章 双子トンネルの戦いを制する 282
    第42章 砥平里の戦い その1 298
    第43章 アーモンドの戦場、原州 306
    第44章 砥平里の戦い その2  322
    第45章 自己の栄達か、部下の安全か 336
    第46章 砥平里の戦い その3 349
    第47章 砥平里と原州、勝利の意味 365
     第十部 マッカーサー対トルーマン
    第48章 マッカーサーは全面戦争へ突き進む 370
    第49章 解任 387
    第50章 議会公聴会での対決 395
     第十一部 結末
    第51章 歴史が評価を決める 414
    第52章 戦争の終結 418
    第53章 遥かなり朝鮮半島 428
    エピローグ なされなくてはならなかった仕事 450


    【詳細目次】
    上巻目次 [001-004]
    下巻目次 [005]
    献辞 [006]
    軍事用語集 [008-009]
    関連地図リスト [010]
    軍事用語の符号について [011]

    プロローグ 013

    第一部 雲山〔ウンサン〕の警告 A Warning at Unsan

    第1章 クリスマスに戦争は終わらなかった 020
    平壌への入城/中国は参戦しない/「わたしは中国人です」/冬服が届かない/動くのものはなにもいない/中佐の警告/上層部での論争/不気味な音色/役立たずの情報/部隊を指揮しているのは誰なのか/酸鼻きわめる大隊本部/万にひとつのチャンスもない/敵百人を倒しても故郷に帰れない/脱出/中国軍の捕虜になる/おびただしい数の中国兵/無視された警告


    第二部 暗い日々――北朝鮮人民軍が南進 Bleak Days: The In Min Gun Drives South

    第2章 それぞれの事情 074
    銃剣の先で南に触れてみたい/金日成は厚かましい/中国の影響をできるだけ排除する/Gー2に情報を独占させる/共産ブロックで何か重大なことが進行している/信用に値せず/UP通信が開戦をスクープ/ダレスの観察

    第3章 強国に挟まれた国 092
    マッカーサーは朝鮮に関心をもたず/地勢的要点朝鮮/日本人はほとんどアングロサクソンだった/アメリカに亡命した朝鮮人クリスチャン

    第4章 でっちあげられた抗日の英雄 106
    正統性を欠く人物/日本帝国主義とスターリニズムのキメラ/生い立ち/ソ連領に逃げる/スターリンは人形を好む/朝鮮民衆へのお披露目

    第5章 遅れた軍隊 121
    韓国軍が象徴するもの/米軍事顧問団の自己欺瞞/T-34戦車の威力


    第三部 ワシントン、参戦へ Washington Goes to War

    第6章 ドミノの最初の一枚か 128
    トルーマンの自信/互いを見誤る/クレムリンは何を考えているのか/異なった種類の共産主義/ケナンの忠告/国民党軍を投入すべきか/議会の決議をえず/地上軍投入の要請

    第7章 父の怨念を受け継いだ男 147
    アンタッチャブル・マッカーサー/マッカーサーは語る。だが聞かない/父、アーサー・マッカーサー/辺境の指揮官/最初の植民地戦争/文官タフトを寄せつけず

    第8章 母親がマッカーサーを彫刻する 166
    いつもそこに彼女がいた/息子を売り込む

    第9章 政治への野心 175
    ダリウス大王以来の名将/忠誠心の二重基準/ボーナス軍弾圧/マッカーサーは使え、だが信用するな/バターン・ギャング/大統領選出馬に意欲/大統領と将軍/互いが互いを傷つけた

    第10章 緒戦の敗北 200
    貧弱な戦後の軍隊/北朝鮮軍は死を恐れない/これは軍隊ではない/ロボットのようだった/打ち砕かれた信仰/核は戦争を変えたか/ウォーカーは解任されるべきだ/本当の攻撃はヨーロッパで始まる

    第11章 マッカーサーの玉座の下で 222
    二線級を指揮しなければならなかった男/カリスマとは無縁/ヨーロッパ戦線で失敗した司令官/マッカーサーの代理人/仁川上陸作戦への忠誠度が勝敗を分ける


    第四部 欧州優先か、アジア優先か The Politics of Two Continents

    第12章 国務省の苦難 246
    ルーズヴェルトの力/分裂した共和党/共和党右派がもりかえす/急ぎ過ぎた動員解除/冷戦下の基本的戦略を創造する/ヨーロッパ主義の男アチソン/西欧以外の世界を理解していない/ヒス事件/アチソンの大失言

    第13章 冷戦を決定づけた政策NSC68 278
    ケナンの敗北/世界を歴史の力から見る/政治的要求にそぐわす/朝鮮戦争が正当化した政策

    第14章 遅咲きの大統領トルーマン 291
    偉大なルーズヴェルトの陰から/庶民的な人柄/ホワイトハウスは嫌いだ/ぼろぼろの民主党/デューイの氷のような流儀/追い詰められた共和党

    第15章 朝鮮半島と中国大陸のリンク 310
    マッカーサーの台湾視察/ハリマンを派遣/天才的作戦/演説を取り消せ!/ルイス・ジョンソン更迭/ふたつの中国/宣教師たちの中国/張り子の虎 蒋介石/新しい戦争を戦う毛

    第16章 国民党政府の崩壊 336
    非対称戦争/われわれは人民解放軍に援助しているのか/有力者たちの二枚舌/南京陥落

    第17章 誰が中国を失ったのか 345
    誰が中国を失ったか/チャイナロビー/宣教師の息子ハリー・ルース/宋一族の中国/アチソンを攻撃/中国専門家の受難/欧州援助と抱き合わせにする/ワシントンに影響力を保持


    第五部 詰めの一手になるか――北朝鮮軍、釜山〔プサン〕へ The Last Roll of the Dice: The North Koreans Push to Pusan

    第18章 釜山橋頭堡攻防戦 366
    洛東江で対峙/獅子奮迅ウォーカー/この防衛線は薄い/人民軍渡江開始/チャーリー中隊の崩壊/わたしは第八軍を救えない/寒村をめぐって/死闘/蚊の一刺/部下の犠牲に
    慎重な男/六割の部下を失う/戦況が好転し始める


    第六部 マッカーサーが流れを変える――仁川〔インチョン〕上陸 MacArthur Turns the Tide: The Inchon Landing

    第19章 統合参謀本部を出し抜く 420
    考えられないことを考える/統合参謀本部は慎重/海軍を説得/司令官にとりまきを起用

    第20章 仁川上陸作戦 436
    毛沢東は、仁川上陸を予想/アーモンドとスミスの確執/ソウル占領はPRにすぎない/陸路のほうが早かった/現場指揮権の分割

    第21章 蒋介石という難題 452
    ワシントンの国府大使館/国民党政府の狙い 


    第七部 三十八度線の北へ Crossing The Parallel and Heading North

    第22章 三十八度線を越えるべきか 458
    宥和主義者のレッテル/ラスク、ダレス、アリソンの三角同盟/アチソンもひきずられる/誰もマッカーサーを止められない

    第23章 毛沢東、参戦を決断 475
    インド大使の世界観/毛沢東ひとりが決める/戦争を政治的資産とみる

    (下巻の宣伝) [492-493]
    上巻ソースノート [494-522]


    【目次  下巻】
    下巻目次 [001-004]
    上巻目次 [005]

    第七部 三十八度線の北へ(承前) 

    第24章 スターリンと毛沢東のポーカーゲーム 008
    一枚岩の向こうで/スターリンと毛沢東/わたしはスターリンに信頼されていない/個人崇拝/モスクワでの冷遇/政治局を説得/農民の将軍、彭徳懐/ソ連の上空掩護はあるか?/地獄の門

    第25章 忠臣ウィロビー 035
    ウェーク島の会談/両者の誤算/日本軍と同じだとあなどる/ウィロビーという災難/エセ貴族/アジアのマッカーシー/ウィロビーは知っている/下方修正される中国軍の数/数字をめぐる政治闘争

    第26章 国内政治が戦場を支配する 068
    マッカーシーの登場/第一生命ビルの陶酔感/クリスマスには帰れるだろう/情報操作の前例となる


    第八部 中国の参戦 The Chinese Strike

    第27章 殺戮の前奏曲〔オーバーチュア〕 082
    地図の上にしかない戦場/消えてしまった中国軍/殺戮の前奏曲/ついに中国軍が動く

    第28章 つのる不安 096
    妻への手紙

    第29章 中国軍の攻撃が始まる 101
    敵でいっぱいだ/日系二世の指揮官/中隊長との齟齬〔そご〕/崩壊/戦場は本性を裸にする/プロフェッショナルな軍隊/待ち伏せ攻撃/師団長は機能せず

    第30章 東京の命令に戦場の現実をあわせる 126
    戦場の現実と東京の幻想/第十軍団の場合には/逆命/中国軍は橋を爆破せず/もっとも不幸な作戦/アーモンドの乱心/東京での会議

    第31章 狭すぎる脱出路 151
    軍団長は現場から逃げる/脱出路は南か西か/残された時間はあまりない/問題は東京だ/狭い道で/鞭打ちの刑場

    第32章 西へ血路を開く 169
    人生における最悪の瞬間/自分の責任だった/ラヴ中隊は/フリーマンは西ルートへ

    第33章 それぞれの脱出行 177
    煉獄の魂のための祈り/中国軍に捕まる/尾根を進む/安州〔アンジュ〕組/生き残ったものは

    第34章 身代わりの山羊が必要だ 189
    海兵隊の長津〔チャンジン〕湖脱出/際限のない自己不信/身代わりの山羊

    第35章 マッカーサー、政府批判を始める 198
    マッカーサーの狂気/政府批判を始める/トルーマンの失言/マン・オブ・ザ・イヤー/マーシャルは機能せず/解任できるだろう/わが軍を恥じる

    第36章 リッジウェイの着任 216
    ウォーカーの事故死/冷徹な現実主義者のリッジウェイ/現場を一新する

    第37章 戦場の転換 229
    マッカーサーの凋落の始まり/アーモンドに思い知らせる/諜報を重視/ウルフハウンド作戦


    第九部 中国軍との戦い方を知る――双子トンネル、原州〔ウォンジュ〕、砥平里〔チピョンニ〕 Learning to Fight the Chinese: Twin Tunnels, Wonju, Chipyongni

    第38章 彭徳懐の憂い 244
    今度は毛沢東が成功に酔う/リッジウェイと同じ男/悪夢の補給/中国軍ソウルを奪還

    第39章 原州で激突か 256
    対峙/原州で激突か/アーモンドの下のフリーマン

    第40章 双子トンネル前哨戦 264
    偵察隊を送る/誕生日を迎えた新兵/みんな死んだ/勇敢なBAR手/救出

    第41章 双子トンネルの戦いを制する 282
    無意味な大胆さ/戦場が彼らを鍛えた/板挟みになるスチュアート/フランス外人部隊/第四二軍に勝つ

    第42章 砥平里の戦い その1 298
    フリーマンの陣地形成/撤退の許可を求める

    第43章 アーモンドの戦場、原州 306
    アーモンドの人種的偏見/国連軍は再びワナにおちる/一個大隊全部に相当する戦力を喪失/逆転

    第44章 砥平里の戦い その2 322
    朝鮮を志願した男/神も見捨てた場所での困難な戦い/ポール・フリーマンの解任

    第45章 自己の栄達か、部下の安全か 336
    出世の遅れた連隊長/目的のために部下を見殺しにする/クロンベズの奇手/トレーシーの悲劇

    第46章 砥平里の戦い その3 349
    マギーの陣地/最後の最後まで/フリーマン、戦場を離れる/中国軍の弱点を習得する/包囲突破/汚れた勲章

    第47章 砥平里と原州、勝利の意味 365
    戦場は変化する/中国軍への警告


    第十部 マッカーサー対トルーマン The General and The President

    第48章 マッカーサーは全面戦争へ突き進む 370
    墜ちた偶像/リッジウェイの人気/ソ連に対する態度の変節/ワシントンを挑発する/ぶち壊された和平への端緒

    第49章 解任 387
    これはあからさまな反逆だ/統合参謀本部も解任でまとまる/それぞれの瞬間

    第50章 議会公聴会での対決 395
    マッカーサーを熱狂的に迎える/マッカーサーの嘘が暴かれる/雄弁から守勢へ/複雑な冷戦構造をわからせる教育の場


    第十一部 結末 The Consequences

    第51章 歴史が評価を決める 414

    第52章 戦争の終結 418
    消耗戦に/大統領アイゼンハワーの誕生/休戦の条件がととのう/戦いのための戦い

    第53章 遥かなり朝鮮半島 428
    それぞれの誤算/中国はもはや弱小国ではない/新しい皇帝の誕生/彭徳懐の悲劇/金日成の荒野/韓国は力強く飛翔する/国を愛しながらも抗議をすることができる/兵士たちは再びその地を訪れる

    エピローグ なされなくてはならなかった仕事 450
    政治的争点としての冷戦/中国での失敗がベトナムを生んだ/合理的人間の非合理的政策/ジョンソンが介入をエスカレートさせた三つの理由/絆


    著者あとがき 五十五年目の来訪 [468-471]
    謝辞 [472-478]
    解説 その1 歴史における人間の力を信じた男( ラッセル・ベーカー) [479-483]
    解説 その2 最後にして最高(二〇〇九年八月 訳者記す) [484-494]
    下巻 ソースノート [495-518]
    参考文献 [519-524]
    Colophon/人名地名の表記にあたって(編集部) [525]
    訳者略歴 [526]

  • 疲れました

  • 津市津図書館--芸濃図書館。

  • ハルバースタムの最後の仕事、Coldest Winter

    それは、なされなくてはならない仕事であった。
    あたかも、私の来訪を55年間にわたって待っていたようだった。

    忘れられた戦争、
    始まりは、国務長官アチソンンの大きな過ち。
    金日成は、3週間で勝利を目指すが、3年にわたる戦争となった。

    アメリカはフランスの轍を踏んでいる、ただし、別の夢をみながら。
    そして、アメリカは、中国を失う。

    改めて知る、1950年代の戦い@韓半島

  • 個々の人物の持つ背景まで丁寧に描写され、挟み込まれるエピソードはインタビューに基づき非常に生々しい。かつ語り口はくどくなく、極めて理解しやすい。外交/政治ゲームの様相を強めるワシントンと、実際に現地で戦う男たちが交互に展開され、それぞれが全く異なる温度差で進行する。

  • アメリカ現代史を書かせたら右に出るもののいないデイヴィッド・ハルバースタムの遺作。この人は徹底的な関係者へのインタビューとエピソードの積み重ねで物事を書き進めていくのが特徴で、どの作品も引き込む力が抜群です。

    あまり内実を知らない朝鮮戦争。日本を打ちのめした後のマッカーサーが米軍の総司令官ですが、序盤は東京に居座って北朝鮮と中国をなめきっていた彼と彼の取り巻きの意に反し、周到な準備をしていた北朝鮮軍の圧倒的な攻勢から始まります。

    第一章は、いったん米軍が盛り返した後、中国軍が参戦し、もう朝鮮戦争は終わったも同然だと油断していた司令部のために、現場の部隊が壊滅する場面から。

    現場は何かがおかしいと気づいていたのですが、都合の悪い情報は信じたくない上層部が「中国は絶対に参戦しない」と北進を強行してしまいます。いつの時代も現場と会議室の溝は永遠のテーマですね。

    著者はベトナム戦争の報道で名を上げたジャーナリスト。一人ひとりの兵士のエピソードを積み重ねるので、単なる歴史記述よりずっと生々しく伝わります。

  • (欲しい!) 朝鮮戦争

  • 第二次世界大戦の勝利によって偉大なるヒーローになったマッカーサーは自分自身を神格化し、そのため、ときの大統領トルーマンや統合参謀本部を出し抜いて朝鮮戦争を泥沼化していったのだ。 死地に赴くのはいつも大多数の一兵卒で、一握りの高級軍幹部はかすり傷ひとつ負わないのだ。 ところで、蒋介石が率いていた国民党の軍事・政治構造は腐敗し、蒋自身もその日暮らしを求めていたのだから目も当てられない。蒋政権が崩壊したのも 納得がいく。また、スターリンと金日成の関係も興味深い。

  • 「アメリカの司馬遼」こと、ハルバースタムの絶筆となった作品で

    ある。本書を手にとって初めて気が付いた。第二次世界大戦、

    ベトナム戦争、湾岸戦争等の本は何冊も読んだ。だが、朝鮮戦争

    についてきちんとした作品を読むのは初めてだ。

    第二次世界大戦とベトナム戦争の間の戦いはアメリカでは「忘れら

    れた戦争」と呼ばれているらしい。私も忘れがちかも知れぬ。アジアで

    起きた出来事なのに。反省…。




    「それはスターリンが共産世界で好んだやり方で、本当の政治的支援

    組織を持つ者はあつかいにくくなり、本当に独り立ちしたと思い始める

    ことをかれは知りすぎるほど知っていた。だれでもいい、適材の者を

    連れてきて英雄だと宣言し、あることないことお構いなしに神話をでっち

    あげ、権力の座に据えるほうがまだましだ。」

    そうやって権力の座についたのが、北朝鮮建国の父。かの偉大なる

    金日成。スターリンが作り上げた神話は、今でも北朝鮮で生きている。




    それにしても、邦訳が読み難い…。

  • アメリカでは忘れられた戦争と言われている朝鮮戦争ですが、この本を読むと戦後の東アジアが成立するまでの政治状況と、その後のアメリカが介入したベトナムやイラクやアフガニスタンなどの戦争で苦戦する理由がよく判ります。
    朝鮮戦争が起きたのは、太平洋戦争のわずか5年後なのですが、当時の米軍は第二次大戦を経験した兵士が退役して若返った後だったので、兵士のほとんどが経験不足でした。北朝鮮が破竹の進撃で、釜山の近くまで攻め込んだため米軍は参戦しますが、当初は戦闘で逃げる兵士が続出していました。軍隊(陸軍)というのは新陳代謝があって、兵士は常に入れ替わってますから、彼らのレベルを維持するのはなかなか難しい。朝鮮戦争に参戦したのは、韓国、英、オランダなどの連合軍でしたが、戦闘になると逃げてしまって任務を果たさず、少なからず当てにしていた米軍は大変だったようです。
    マッカーサーや彼の取り巻きも、前の大戦で強い米軍を率いて優位に立った経験からか、作戦は机上の空論、武器の優位性や人種偏見から北朝鮮や中国を格下に見くびる態度、自軍の強さを信じた楽観主義が蔓延していたようで、中国参戦の気配や負け戦の情報が信じられない。現場の状況把握ができず、学校で教えられたような彼らの古臭い作戦で多くの兵士が犠牲になりました。結局、著者もマッカーサーやアーモンドの無能振りには辛辣です。
    毛沢東は参戦を決意した時、米軍の核の使用を覚悟していて、数十万の犠牲は仕方ないと考えていたそうです。それは国家存亡の危機には、それくらいの犠牲が掛るという認識があったからで、百人単位の兵士の損失でも重大と受け止める米軍とはスケールが違ってます。もしマッカーサーが主張したように、数百万人の中国軍を相手に全面戦争していたら、おそらく勝てなかっただろうというのが筆者の考えです。
    「朝鮮戦争」は、学校では全く教えられることのない戦争の歴史ですが、現代の軍事や政治にも通用する教訓があってとても勉強になりました。歴史の表舞台に出てこない兵士達の真実の声も織り交ぜて、朝鮮戦争での米軍の状況はよく判りました。でも筆者はアメリカ人であるせいか、戦場となった朝鮮或いは朝鮮民族への言及が少ないのが気になりました。この土地はもともと戦場ではなく、彼らの国だったわけですからね。

  • 比較的政治を含めた範囲では、読み易くできている。
    ただ、それほど目新しい部分はないので、期待しすぎるのも良くはないでしょう。

  •  私は「ベトナム戦争」という単語を知っている。
     枯葉剤というものを撒いて、戦争が終わった後も土地の人々にたくさんの傷跡を残したことも、アメリカ人兵士が戦争が終わった後に心に傷を残し、PTSDという言葉が生まれるきっかけとなったことも知っている。知識としては、だけど。
     ベトナム戦争に比べると、朝鮮戦争は「忘れられた戦争」になる。

     この本は、1950年代に起きた朝鮮戦争について、書かれている。
     実際に戦争に行ったアメリカ人兵士たちのインタビューから描かれる戦争の状況と、それを指揮するマッカーサーをはじめとした将軍たちや、ルーズベルト大統領たちとの権力闘争の様子、それらが交互に描かれる。

     権力闘争は本当にパワーゲームで、皆「いかに己が優位か」を示すために、朝鮮戦争を用いている。
     そして、実際のアメリカ人兵士たちは、状況もよく分からないまま戦い、必死で生き延びている。

     こういう作品を読むと「現代で自分に何が出来るんだろう」と、無力感を感じる。
     けれども、今の時代に何もかもを力で解決する「英雄」が産まれたら、きっとこの作品に出てくるようなパワーゲームが巻き起こるんだろうなとも思う。

     そんな現代において「正義の話をしよう」という作品をアメリカが出版しているのは実に象徴的。

     恣意的な部分も多々あるだろうし、この本に書かれたことが真実だとも思わないけど(話を読ませる、面白くさせるためにうまく書いていると思う)、今まで考えることもなければ知ることもなかった視点での歴史を読ませる1冊である。下巻で「朝鮮戦争」にどんな幕を下ろすのか楽しみである。

     活字中毒ならオススメ。
     長いです。まだ上巻しか読んでいない。

  • ディヴィッド・ハルバースタムの遺作、
    『ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争(上)』を
    読み終える。
    僕の務める会社は霞ヶ関にもほど近い。
    近所の書店3、4軒の品揃えを見ると
    官僚たちがどんな本を読んで勉強しているかが一目で分かる。
    猪木武徳「戦後世界経済史」(中公新書)は
    それで手にした今年の収穫の一冊だ。

    この本は「文藝春秋」に抄訳が掲載されていたから
    それで読んだ人も多いだろうが、
    出版して間もなく会社の近所の書店で平積みになり
    しかも飛ぶように売れていた。
    それで抄訳でなく上下二巻1,000ページを越える大作に
    挑戦しようと思ったのだ。

    ダグラス・マッカーサーという将軍の仮面が
    ハルバースタムの10年に及ぶ執拗な取材によって
    剥ぎ取られていくのが醍醐味である。

    「もういちど読む山川世界史」では
    わずか十数行で淡々と記述してある朝鮮戦争の行間が
    映画のように臨場感を持って伝わってくるのが
    ハルバースタムの本の魅力だ。
    世界史の教科書とこうした歴史書を交互に読むことは
    歴史の勉強法としてとても有益である。

  • 歴史は法則ではなく人間によって作られていく。個々人の意図とは別との形で。

    本書は個人の証言をもとに、「忘れられた」戦争の全貌を暴いていく。
    地獄の中で見える一人一人の義務・欲望・友情・理想。そしてそれらを全てあざ笑うかのように、この戦争はアメリカが以降体験することになる悪夢の幕開けとなる。そしてアメリカにつながるもの…すなわち世界も、悪夢からの派生物に苦しめられることになるのだ。文体も取材力も文句なし。永遠に読み継がれるべき本。

  • アメリカ人ジャーナリストによる、アメリカから見た朝鮮戦争

    対日戦争、冷戦、朝鮮戦争、台湾海峡、ベトナム戦争、イラク戦争、アフガニスタン戦争・・・と続くアメリカの世界戦略の一環としての戦争

    北朝鮮軍が南進、アメリカ参戦、北朝鮮軍 釜山へ、仁川上陸作戦、毛沢東 参戦を決断

    トルーマン、マッカーサー、アイゼンハワー、スターリン、金日成、毛沢東、蒋介石、さまざまな思惑が交錯しながら戦争が進む

  • 朝鮮戦争時、及びその前後においての、アメリカ政府要人達(及びその取り巻き)のお粗末さや傲岸ぶりを、あられもなくえぐり出している本。

    本書の韓国人読者による感想をぜひともお聞きしたい。

    http://bit.ly/a5xgoZ

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デイヴィッド・ハルバースタムの作品

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