アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」 ジミーの誕生日

  • 文藝春秋 (2009年11月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784163721309

みんなの感想まとめ

歴史の深い背景と個人の運命が交錯する物語が描かれています。特に、昭和天皇と現天皇明仁の誕生日が、戦後の日本における重要な出来事と関連付けられ、興味深い視点を提供しています。明仁天皇が「ジミー」と呼ばれ...

感想・レビュー・書評

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  • 第16回アワヒニビブリオバトル「id(ナンバー)」で発表された本です。
    2016.08.02

  • ジミーとは現在の平成天皇明仁が、太平洋戦争が始まる前、学習院おいて外国人教師から英語の授業でつけられたニックネームだという。そして、ジミーこと明仁天皇の誕生日の12月23日は、所謂A級戦犯が絞首刑となった日でもあるのである。

    太平洋戦争の戦後処理にあたって、昭和天皇の戦争責任についての取り扱いは、日本だけではなく戦勝国側、特にアメリカにとって非常に大きな問題だった。

    マッカーサーは、占領統治政策の中で、天皇が仮に戦犯として処刑となった場合に国民に与える衝撃を憂慮していた。その場合に起こりうる米軍側の負担は、局地的な軍事抵抗やテロ行為などにより、沖縄戦で経験した以上の犠牲を強いるものになる可能性があり、それだけは避けたいとマッカーサーは考えていた。彼の最大の目的は日本の軍装解除であり、そのため、彼は天皇が訴追されないための工作を様々な面で行う事となるのである。そしれ、マッカーサーの思惑通り、昭和天皇は戦争責任を免れ訴追されることなく東京裁判が閉廷する。

    東条英機他7名が絞首刑の宣告を受ける事となるが、A級戦犯の起訴は昭和天皇の誕生日である5月3日に行われている。そして、現在の明仁天皇の誕生日に、A級戦犯達の処刑が行われたのである。これは、天皇に対して、マッカーサーが仕込んだメッセージなのである。彼らが、天皇の戦争責任も一緒に背負って処刑されていったのだと。現在の天皇は、外遊において戦没者の慰霊を積極的に行っている。また、交戦した国において過去の日本の過ちを遺憾とする発言を度々行っている。天皇はこのメッセージを重く受け止め、定められた自らの役割を知っているのであろう。

  • 「読者代表」的な子爵夫人の孫娘と著者との対話という形式で構成されているため、敗戦前後の事情に特に詳しくない読者にもわかりやすくなっている。反面、そうしたおさらい的記述が多く、本来のテーマであるだろう「天皇の戦争責任」をめぐる記述についてはやや隔靴掻痒の感を免れない。また別の評でも指摘されていたが、本書の核心部分は、子爵夫人のエピソードも含めて特に目新しい「スクープ」ではない。一部では既知とされている事実である。
    ただ、著者のような「有名作家」が「文芸春秋」という出版社の書物として、現在の象徴天皇制がどのような歴史的背景の下で成立したか、そのあたりの相場観を形成することに力を注ぎ始めた、ということは心に留めておいていいように感じる。

  • 教養か日本史のつもりで読んでみて欲しい、著者読者の政治的立場は置いといて。自分には知っておくべき歴史がまだ多すぎる。

  • 何時もながらのしっかりとした取材を元にまとめる猪瀬直樹の本。
    戦後の日本を非武装にするため、マッカーサーが行った事がわかりやすく書いてある。
    ただ、何故マッカーサーが昭和天皇に戦争責任を負わせ無くしたかったのかが、今ひとつすっと入ってこない。
    昭和天皇から今上天皇に変わっても、日本が二次大戦犯した事を国民に思い出させるため、また天皇が国家の象徴として生き残る事で間接的にその責を負わせるために戦犯の処刑日を決めたのであれば、マッカーサーは日本にものすごく重いものを背負わせたかったのかもしれない。
    途中挿入される「手紙」のエピソードは不要だと思う。読んでいて没入できないし、リズムが崩れてしまう。

  • 事の是非は別にして、戦略がある国とない国の差を実感。内容的には誕生日に関わる話がもっとあるかと思った。

  • 「読んで良かったな」久しぶりにそう思えた本。猪瀬さんの本にしてはストーリー展開が柔らかく読みやすかった。『東條英機処刑の日』として再販されるそう「ジミーの誕生日」の方が合っているように思いますがお薦めできる一冊。

  • 今上天皇の誕生日が12月23日。
    で、極東国際軍事裁判でA級戦犯で死刑を宣告された
    東條英機、土肥原賢二、松井石根、武藤章
    板垣征四郎、広田弘毅、木村兵太郎の七人が
    絞首刑にされた日が12月23日。

    A級戦犯とは「平和に対する罪」
    B級戦犯とは「捕虜や非戦闘員に対する残虐行為に対する罪」
    C級戦犯とは「すべての民間人に対する残虐行為に対する罪」
    で、ABCは罪の軽重ではなく、単に分類しただけらしい。

    そしてA級の「平和に対する罪」は、なんと事後法とのこと。
    行為の後から作った法律で裁かれ死刑になる、納得いかないなあ。

  • 戦後のアメリカ支配下日本における、マッカーサーの天皇の処遇対策。天皇誕生日、憲法記念日における、表記上には出てこない深遠な意味。知らないということは怖いなと改めて考えさせられた。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4163721304
    ── 猪瀬 直樹《ジミーの誕生日 ~ アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」20091125 文藝春秋》
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19921223 極月〆日の極東極刑
     

  • A級戦犯がなぜアキヒト天皇の誕生日に死刑執行されるに至ったのか、という話。日本は本質的には今でも米国の属国であることを痛感。終戦直前の軽井沢の様子や、東条英機が逮捕される前にどのような事を話していたかなど、周辺エピソードが興味深い。エンディングは今一つ。

  • ジミーとは現在の平成天皇明仁が、太平洋戦争が始まる前、学習院おいて外国人教師から英語の授業でつけられたニックネームだという。そして、ジミーこと明仁天皇の誕生日の12月23日は、所謂A級戦犯が絞首刑となった日でもあるのである。<br /><br />太平洋戦争の戦後処理にあたって、昭和天皇の戦争責任についての取り扱いは、日本だけではなく戦勝国側、特にアメリカにとって非常に大きな問題だった。<br /><br />マッカーサーは、占領統治政策の中で、天皇が仮に戦犯として処刑となった場合に国民に与える衝撃を憂慮していた。その場合に起こりうる米軍側の負担は、局地的な軍事抵抗やテロ行為などにより、沖縄戦で経験した以上の犠牲を強いるものになる可能性があり、それだけは避けたいとマッカーサーは考えていた。彼の最大の目的は日本の軍装解除であり、そのため、彼は天皇が訴追されないための工作を様々な面で行う事となるのである。そしれ、マッカーサーの思惑通り、昭和天皇は戦争責任を免れ訴追されることなく東京裁判が閉廷する。<br /><br />東条英機他7名が絞首刑の宣告を受ける事となるが、A級戦犯の起訴は昭和天皇の誕生日である5月3日に行われている。そして、現在の明仁天皇の誕生日に、A級戦犯達の処刑が行われたのである。これは、天皇に対して、マッカーサーが仕込んだメッセージなのである。彼らが、天皇の戦争責任も一緒に背負って処刑されていったのだと。現在の天皇は、外遊において戦没者の慰霊を積極的に行っている。また、交戦した国において過去の日本の過ちを遺憾とする発言を度々行っている。天皇はこのメッセージを重く受け止め、定められた自らの役割を知っているのであろう。

  • 手紙をきっかけに、紐解かれる戦争の歴史と、12月23日の処刑に込められた意図。私としては、主題の12月23日よりも、その時代を生きた人から見た戦中/戦後の様子の方に興味あり。

  • 猪瀬さんの2作目、毎回緻密な調査から臨場感ある作品。
    そして読み易いので、嬉しいです。

  • ラスト一行で台無し。(笑)

  • ある子爵夫人が日記に残した「ジミーの誕生日の件、心配です」という言葉から、GHQが東京裁判を通して天皇・皇太子(今上天皇)に刻みつけた戦争責任の暗号を解き明かしていく。ジミーは皇太子のこと。
    昭和天皇の誕生日4.29(S21年)に東条らを起訴し、5.3に裁判開廷。翌年5.3に憲法を施行し、皇太子の誕生日12.23(S23年)に東条らA級戦犯の死刑執行。これらの史実をみると、GHQは真綿で首を絞めるように天皇家に戦争責任を刻印し、国民には敗戦を刻印しようとしたと思わざるを得ない。
    東京裁判の経緯や憲法誕生の話自体はよく知られたものだが、いろんな挿話が面白い。それから、著者に祖母の日記を渡した女性が、とっても魅力的に感じられる。

  • 勉強会の課題本

  • タイトルに惹かれて読み始めたが中盤までは当時の時代背景の説明が主だったので退屈だった。

    後半のマッカーサーが何としても天皇の退位を防ごうとした経緯、4月29日の起訴に込められた意味、12月23日の刑の執行、そして即位されてからの今上天皇のご様子に関して深く考えさせられた。

    戦犯のA級、B級、C級というのが罪の重さではなく、罪の分類を意味するものであることも初めて知った。

    今まであまり詳しく知らなかったが、日本人として日本の歴史に関してもっと深く知る必要があると思う。

  • ん~ん、ちょっと薄味

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著者プロフィール

猪瀬直樹
一九四六年長野県生まれ。作家。八七年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。九六年『日本国の研究』で文藝春秋読者賞受賞。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授を歴任。二〇〇二年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。〇七年、東京都副知事に任命される。一二年、東京都知事に就任。一三年、辞任。一五年、大阪府・市特別顧問就任。主な著書に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『黒船の世紀』『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』のほか、『日本の近代 猪瀬直樹著作集』(全一二巻、電子版全一六巻)がある。近著に『日本国・不安の研究』『昭和23年冬の暗号』など。二〇二二年から参議院議員。

「2023年 『太陽の男 石原慎太郎伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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