- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163723105
感想・レビュー・書評
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本当につい最近のことなんだね、精神障害者の権利が整備されてきたのは。統合失調症は全人口の1%がかかる病なのに、私も何も知らなかった。臭いものに蓋してたのか。まず知ることから。知らないことは、怖いことだ。
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コテコテの関西弁で繰り広げられる患者さんとのユーモラスな掛け合いがおもしろくて、クスッと笑ってしまう。同時に、精神医療の抱える課題が歴史的な背景も含めてよく分かる。
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統合失調症の説明がすごくわかりやすかった。
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精神障害のある方の支援を通して、筆者の語る「当事者と援助者がともに生きるというあり方」と精神科医療の課題がみえる本です。
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ACTKについて一般向けに書かれた本で読みやすい。
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将こ-16
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統合失調症者への思いに共感。ACTを広く理解するための良書。
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日本で精神医療のACT(assertive community treatment:包括型地域生活支援プログラム)を立ち上げた医師のエッセイ。
包括型地域生活支援プログラムとは、つまり利用者が地域で生活していくためのあらゆる手助けをするチームのこと。
最初は少し警戒した。「お医者さん目線」な気がしたから。マジョリティ臭といってもいい。善意で熱意があって有用なんだけどどこまでも非当事者で的外れな他者の雰囲気。『累犯障害者』の傲慢さをやわらげたような。
たとえば治療もせずに閉じ込めるだけの「医療」への反発があるのに、「大量の薬」や「隔離室」への疑問を呈することはない。提携の病院を悪くいえないにしてもなんだか半端だ。
高度経済成長と精神病院のベッド数の関係も根拠がわからない。
けれど読み進むうちに案外机上の理想論でもないと思い直し、しまいには感動さえしてしまった。
医者目線に気づいているゆえの医者目線描写。患者を観察する医者の感覚を、実践でくつがえしている。
患者をコントロールする仕事に感情が鈍磨していく治療者・自由や価値を奪われてただおとなしくすることだけを求められる患者・自分だけで抱え込むか姥捨て山のような病院に捨てるかしか選べない家族。
などという関係しか持てないシステムは誰にとっても不幸だから、人間扱いできる・してもらえる関係を支えるしくみが必要だ。 -
『誰の精神も分裂などしない』分裂病という名から統合失調症への改変は凄く大きな出来事であっただろう。著者はその事業に大いに関わっている。
犯罪などで取り上げられた時、犯人は精神に……という話が出たら皆『あぁ……』と勝手に納得してしまうよね。
勝手に想像を膨らませて『怖い』でおわらせてしまう。
でもそれは違うよ