裁判百年史ものがたり

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 82
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163723303

作品紹介・あらすじ

「大津事件」「昭和の陪審裁判」「帝銀事件」「チャタレイ裁判」「永山則夫事件」…時代を変えた、12の法廷ドラマ。

感想・レビュー・書評

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  • 【書評】田中貴子・朝日新聞2010年4月18日、斎藤貴男・週刊読書人2010年7月2日(裁判員制度推進派著者のものであると注意して読めという注意)。
    12の重要な判例を取り上げ、推理小説家の手で、裁判の事実の背景や判決の意味するところが読みやすくまとめられている。

  • 明治以降の100年間に行われた裁判の中から12事件を選んで、その内容を記したもの。司法判断に大きな影響を与えた重要な裁判について知ることによって、司法そのものをある程度理解できたように思う。知識として知っておくべき事件の概要を記す。
    「大津事件」:ニコライ二世が来日中に警備中の警官が斬りつけ無期となった。
    「大逆事件」:明治天皇暗殺を企てた幸徳秋水ら12人を死刑、12人を無期とした。疾風のような裁判と処刑
    「帝銀事件」:帝銀社員ら16名を毒殺し、画家平沢貞通は死刑となるが、再審請求が繰り返され95歳で獄死
    「松川事件」:機関車を脱線させ左翼系国鉄職員ら20人が裁判にかけられたが、15年を経て全員無罪。他に「下山事件」国鉄総裁殺害、「三鷹事件」機関車暴走があるが、いずれも国鉄10万人の人員削減に抗議したもの。
    「八海事件」:単独強盗殺人犯が他4人を道連れにしようとし、本人無期、18年後、他無罪となったもの。
    「永山事件」:4人を殺害した凶悪犯永山則夫は、獄中で改心、小説家となるが29年後に死刑執行。

  • 《教員オススメ本》
    通常の配架場所:教員おすすめ図書コーナー(1階)
    請求記号 327.02//N58
    【選書理由・おすすめコメント】
    推理小説家が目をつけた「事実の面白さ、裁判の深さ」を実感しながら、明治以降の著名な事件・裁判を読み進めていくことができます。(現代政策・市川直子先生)

  •  ロシア皇太子襲撃。三権の分立を宣言した大日本帝国憲法のもと、けれども強大な権力をもつ政府の司法への圧迫干渉は露骨で、ロシアの怒りを恐れた政府はニコライに斬りかかった津田三蔵には皇室に対する罪の適用が妥当として担当判事を懐柔した。法を曲げるなど断じて許さない。大審院長は、裁判干渉と知りながらあえて独立の立場にある判事の逆説得を試みた。

  • 最後の離婚裁判、被害者の求刑は個人的にはつまらなかった。永山事件は詳細は初めて知ったが、著者が悪意を持っているのかどうなのか、この人(永山)は少し闘争的過ぎるな、と感じた。精神鑑定を受ける受けないで弁護団の解任だのなんだの、今ならそれこそ「市民」総出で攻撃されるような裁判戦術ではないか。
    また、よくわからないのが実名の基準。永山は本人が開示せよといったのか?光市事件となぜ基準が異なるのだろうか

  • 明治以降の我が国の主要な裁判事件12編を通して、司法権の独立が如何にあやういものであるか(そして、それを確立するために命を賭けた先人達がいたこと)、また個々の裁判官が必ずしもリーズナブルな判断の下せるバランスのとれた者ではないということ(要は裁判官もただの人であること)、などを改めて痛感した。大津事件や松川事件、八海事件などの手に汗握る展開は、まさに事実は小説よりも奇なり、という感じだ。

  • 難しく思えたが読み出すととまらなくなった。
    名前を知っていたものから、初めて聞くものまであらゆる事件を詳しく掘り下げている。
    個人的には悲しみの尊属殺人を読んで、心が痛くふくざつな気持ちになった。

  • 資料ID:21101290
    請求記号:

  • 近代国家としての司法制度が確立した明治後期から現在に至る120年を、
    12のトピックで綴る裁判史。
    タイトルに「ものがたり」を冠するように、それぞれの特色ある裁判内容をわかりやすく読みやすいものに仕立てあげたのは、さすがエンターテイメント作家の面目躍如。
    裁判員制度がはじまったことが執筆の動機となっているのだろう、時宜を得た企画である。
    いつなんどき、だれもが、裁判員として法廷に臨まぬともかぎらぬご時世、この程度の裁判知識は有していたいもの。その意味ではお薦め本だ。

  • 図書館所蔵【327.02NA】

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著者プロフィール

一九三八(昭和一三)年東京都生まれ。慶応大学在学中に長編『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補に選ばれる。七〇年『天使が消えていく』が再び同賞の候補になり、単行本化され作家デビューを果たす。七三年『蒸発』で日本推理作家協会賞、八九年に仏訳『第三の女』でフランス犯罪小説大賞、二〇〇七年日本ミステリー文学大賞を受賞。主な著書に『Wの悲劇』『』や「検事 霞夕子」シリーズなどがある。二〇一六年没。

「2018年 『77便に何が起きたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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