裁判百年史ものがたり

  • 文藝春秋 (2010年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784163723303

みんなの感想まとめ

日本の裁判史を深く掘り下げる本書は、明治以降の主要な裁判事件12編を通じて、司法権の独立や裁判官の判断の難しさを描き出しています。豊富な資料をもとに、ドラマチックな筆致で描かれる事件の数々は、学生時代...

感想・レビュー・書評

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    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90218975

    (推薦者:行政政策学類 鈴木 めぐみ先生)

  • 日本の裁判の歴史を振り返る上で押さえるべき12の事件を、豊富な資料と丁寧かつドラマチックな筆致で描いており、非常に面白く、そして勉強になります。

    学生時代に学んだ重要判例の背景にはこのようなドラマがあったのかと驚かされる場面が多いです。

    また、何よりすごいと思うのが、筆者の各判決についての正確な理解と説明力です。最高裁判例部分だけでなく、高裁・地裁の判決も要約しながら説明しているのですが、その要約が端的で分かりやすく、とても非法曹の方がなせる技ではないように感じました。判決を、その妙味を失わせず要約するということは、法律家でも至難の技です。筆者の取材力と豊かな見識、そして文章力、これらが全て優れているからこそなせる技であると思います。

    日本の裁判史を理解する上で、将来にわたって、非常に重要な意味を持つ本であると思います。

  • 【書評】田中貴子・朝日新聞2010年4月18日、斎藤貴男・週刊読書人2010年7月2日(裁判員制度推進派著者のものであると注意して読めという注意)。
    12の重要な判例を取り上げ、推理小説家の手で、裁判の事実の背景や判決の意味するところが読みやすくまとめられている。

  • 明治以降の100年間に行われた裁判の中から12事件を選んで、その内容を記したもの。司法判断に大きな影響を与えた重要な裁判について知ることによって、司法そのものをある程度理解できたように思う。知識として知っておくべき事件の概要を記す。
    「大津事件」:ニコライ二世が来日中に警備中の警官が斬りつけ無期となった。
    「大逆事件」:明治天皇暗殺を企てた幸徳秋水ら12人を死刑、12人を無期とした。疾風のような裁判と処刑
    「帝銀事件」:帝銀社員ら16名を毒殺し、画家平沢貞通は死刑となるが、再審請求が繰り返され95歳で獄死
    「松川事件」:機関車を脱線させ左翼系国鉄職員ら20人が裁判にかけられたが、15年を経て全員無罪。他に「下山事件」国鉄総裁殺害、「三鷹事件」機関車暴走があるが、いずれも国鉄10万人の人員削減に抗議したもの。
    「八海事件」:単独強盗殺人犯が他4人を道連れにしようとし、本人無期、18年後、他無罪となったもの。
    「永山事件」:4人を殺害した凶悪犯永山則夫は、獄中で改心、小説家となるが29年後に死刑執行。

  • 《教員オススメ本》
    通常の配架場所:教員おすすめ図書コーナー(1階)
    請求記号 327.02//N58
    【選書理由・おすすめコメント】
    推理小説家が目をつけた「事実の面白さ、裁判の深さ」を実感しながら、明治以降の著名な事件・裁判を読み進めていくことができます。(現代政策・市川直子先生)

  • 最後の離婚裁判、被害者の求刑は個人的にはつまらなかった。永山事件は詳細は初めて知ったが、著者が悪意を持っているのかどうなのか、この人(永山)は少し闘争的過ぎるな、と感じた。精神鑑定を受ける受けないで弁護団の解任だのなんだの、今ならそれこそ「市民」総出で攻撃されるような裁判戦術ではないか。
    また、よくわからないのが実名の基準。永山は本人が開示せよといったのか?光市事件となぜ基準が異なるのだろうか

  • 明治以降の我が国の主要な裁判事件12編を通して、司法権の独立が如何にあやういものであるか(そして、それを確立するために命を賭けた先人達がいたこと)、また個々の裁判官が必ずしもリーズナブルな判断の下せるバランスのとれた者ではないということ(要は裁判官もただの人であること)、などを改めて痛感した。大津事件や松川事件、八海事件などの手に汗握る展開は、まさに事実は小説よりも奇なり、という感じだ。

  • 難しく思えたが読み出すととまらなくなった。
    名前を知っていたものから、初めて聞くものまであらゆる事件を詳しく掘り下げている。
    個人的には悲しみの尊属殺人を読んで、心が痛くふくざつな気持ちになった。

  • 近代国家としての司法制度が確立した明治後期から現在に至る120年を、
    12のトピックで綴る裁判史。
    タイトルに「ものがたり」を冠するように、それぞれの特色ある裁判内容をわかりやすく読みやすいものに仕立てあげたのは、さすがエンターテイメント作家の面目躍如。
    裁判員制度がはじまったことが執筆の動機となっているのだろう、時宜を得た企画である。
    いつなんどき、だれもが、裁判員として法廷に臨まぬともかぎらぬご時世、この程度の裁判知識は有していたいもの。その意味ではお薦め本だ。

  • 図書館所蔵【327.02NA】

  • ほとんどの裁判の経過は学生時代に習って知っていましたが、その行間が鮮やかに浮かんで、この裁判の当事者は人間だったんだ、という当たり前のことに今更気づかされます。

    しかも、法律の理論的な面についても、かなり緻密で、そこらの学部生向け判例解説とそん色ないと思います。

    ぜひ続編を期待したいです。

  • 物語のような感じで読めたが、
    裁判用語や制度に詳しくないものには、
    読み進めることが、ちょっとしんどいなあ~と感じるところがあった。

  • 日本の立憲国家としての立場を諸外国に示し、不平等条約改定の実現にも影響を与えたといわれる大津事件(ロシア皇太子襲撃)を嚆矢に、節目となった事件12件を紹介。難解な法律用語集に陥ることな決してなく、判事による判例の差、弁護団の粘り等、ドキュメンタリーとしてスリリングに読むことができた。

  • 過去の裁判例から、今現在の判例の転換点となったと、著者や取材協力者が考えた12の裁判例をピックアップして、簡潔かつ明瞭に「物語」化。

    作家が書いているだけに、「他人事」がものすごく身近に感じられる。
    ただ、これ、やっぱりまったく法律の知識がないひとが読むにはわかりにくい部分があるんじゃないかなぁと思いました。

    最高裁大法廷で15人の裁判官がそろって判決だすときは、大概判例変更だってこととか・・・これは一般知識?どうなんでしょう。

  • 他の著者の引用が多く,独自の視点がなかった。
    最後の被害者求刑は毛色が違く,いらなかった。

  • 「大津事件」「昭和の陪審裁判」「帝銀事件」「チャタレイ裁判」…。日本の司法を変えた12の重大事件を、小説のように面白く解説。判決の裏に秘められた人間ドラマを明かす。
    聞いたことはあっても詳しくは知らなかった事件・裁判に関する記述は興味深かったし、平成に入って「犯罪被害者等基本法」が成立するまでの関係者の奮闘には頭が下がる思いだった。明治時代の裁判はピンと来なかったけど…。
    (C)

  • 趣味の問題と思いつつ,章によっては好き。

  • 2010.04.18 朝日新聞に紹介されました。

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著者プロフィール

一九三八(昭和一三)年東京都生まれ。慶応大学在学中に長編『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補に選ばれる。七〇年『天使が消えていく』が再び同賞の候補になり、単行本化され作家デビューを果たす。七三年『蒸発』で日本推理作家協会賞、八九年に仏訳『第三の女』でフランス犯罪小説大賞、二〇〇七年日本ミステリー文学大賞を受賞。主な著書に『Wの悲劇』『』や「検事 霞夕子」シリーズなどがある。二〇一六年没。

「2018年 『77便に何が起きたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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