グーグル秘録

  • 文藝春秋
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感想 : 93
  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163725000

作品紹介・あらすじ

我々は検索をするたびに、グーグルに何かを与えている-最強にして最も危険、徹底的な調査報道による驚愕の歴史。

感想・レビュー・書評

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  • 本書が出版された2010年頃、グーグルはネット検索はもちろん、さらなる新しいネットサービスを開発し続けた。また、当時のアメリカ発IT企業はマイクロソフト、アップル、フェイスブックなどがあったが、グーグルがそれらの企業と異なるのは、トップが大衆の前に登場しないことだ。そのため、グーグルは知名度の割にその正体は謎めいている。

    そんな表に登場しないラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの創業者とCEOのエリック・シュミット。本書は3人の経営幹部とのインタビューを中心にグーグル内部とその取り巻きのIT業界、メディア業界を解説する。

    当時のグーグルが提供を始めたサービスは地図、メール、ユーチューブ、AndroidOS、クロームブラウザなど。これらのサービスは10年以上経った現在でも現役で、さらなる改良が加えられている。しかし、その影で多くの失敗サービスもあった。グーグルだって決してヒット作ばかりに恵まれたのではない。さらに、新サービス開発のたびにさまざまなメディアや政府、ライバル会社から批判を受けている。

    それでもグーグルは新しいことにチャレンジし続け、膨張している。その最大の推進力は、無料で強力な検索サービスを広告と結びつけて、収入を稼いでいることだ。この安定的な収益基盤があるからこそ、グーグルは高賃金と充実した福利厚生で優秀な従業員を抱え、少々の批判や失敗では揺るがない。

  • グーグルについて批判的なスタンスで書かれた本。

  • AK6a

  • 【登場人物の多さ、IT業界の変化の激しさ、その変化を捉える感度に圧倒される】顧客志向、ユーザー本位と手垢のついたマーケティング用語だが現実に追い求めるのに、どんなに大変かが良くわかる。ややもやすると、話す事が難しい人は避けてしまうが、この本を読むと懸命にコミュニケーションをとるのが如何に重要で必要か、仕事の本質は信頼関係というのが、米国=ビジネスライクと理解していた自分が情けない。かなりのボリュームだが、一章一章に納得するエピソード、語句があり非常に勉強になる。

  • Googleの歴史について書かれた書。
    創業者2人が議論好きであることを伺い知ることが出来る。
    また様々な細かい事柄についても議論が重ねられた事が分かる。
    Gmailにdeleteボタンを設けない。
    という考えがあることは知らなかった。
    つまり捨てる必要性が無いほど容量を用意している為。
    Googleが如何に他の企業に影響を与え、人々の生活に入り込んでいるかが分かった。
    無条件にサービスを受け入れるのではなくよく考えるべきだ。
    勢いの続くGoogleをこれからも注視していきたい。

  • 原題はGoogled。創業者、CEO等々多くの関係者の取材に基づいた良書。グーグルの直面している課題のみならず今後のメディアがどうなっていきどう付き合うべきか考えるヒントに富む。

  • 善良であれ。信頼。周りがどう思うか。イノベーション。

  • まだ日本ではヤフー全盛だった頃、それこそ2000年代初頭からグーグルを使っており、現在も個人の情報を惜しげもなく供給している生粋のグーグラーとしては、必読。

    当時からヤフーに対しては非常な使いづらさを感じており、なんでこんなサイトを使わないといけないのか、グーグルで検索すれば天気ももっと見やすいサイトがあるのに。と思っていた。

    要するに辿り着いた結果が正しくなかったのだ。と思うと、創業者の思うように操られていたことに気づく。ここまでの信念が裏側にあるとは思っていなかったが。

    ハクスリーの懸念はそうだろうが、自分としてはそんなことに考えを使わなくてよくなる(=コンピュータが答えを出してくれるようなレベル)であれば、歓迎できる。
    もっとほかのことに時間を使えるのだから。それこそ、本書で語られているようなグーグルのエンジニアが苦手なEQの分野などに。

  • 人々から自律性や成熟や歴史を奪うのに"ビックブラザー"など必要はない。人々は抑圧を喜ぶようになり、考える能力を奪うような技術を有りがたがるようになる。
    ��ジョージ)オーウェルは我々から情報を奪うモノを恐れた。
    しかし(オルダス)ハクスリー(「すばらしい新世界」の著者)は余りにも多くの情報を与えることで、我々を受動的で自己中心的にしてしまうモノを恐れたのだ。

    それでも↑を実感出来ない方は、「バナナダイエット・ブーム」や「納豆で痩せる」などの触れ込みで、スーパーの陳列棚からバナナや納豆が無くなってしまった異常な現象を思い出してみると良いだろう。
    群集の叡智(Wisdom of crowds)が時代のニーズかどうか…
    ページビューの多寡だけで、情報の質を判断して良いのか…

    私達は検索をするたびにグーグルに何かを与えている。そして検索結果を選ぶたびに彼らは何かを学習している。
    ��ローレンス・レッシグ

    そして更に…

    グーグルはトランスペアレントパーソナリゼーション(個々の個人データを把握し、それを彼等に悟られることなく、彼等の欲しい情報をさりげなく提供するするような個別対応)がもたらし得る社会的コストに未だ気付いていない。
    もしもこの精度が上がっていくと、私達ユーザーの関心の幅は狭まり、モノの見方は偏り、自分と似た意見の人とは近づく一方、それ以外の人(モノ、コト)には妥協を拒むようになるだろう。

    インターネットの進化がもたらす最も重大な結果(悲劇)は、コンピューターが人間のように思考するようになることではなく、私達がコンピューターのように思考するようになることかもしれない。
    リンクに導かれるままに機械的に情報を処理することに慣れてしまうと、自分の意思など希薄になっていくだろう。
    人口知能とは結局のところ我々自身かもしれない。
    ニコラス・カー「クラウド化する世界 ビジネスモデル構築の大転換」より転用



    僕もこれまでは、サービスの対価を求めず最高の検索エンジンを無料で提供しているグーグルを贔屓にしていたし、これからもクロームやGメールのサービスは(新たなグーグルが出現するまでは)使い続けると思う。

    しかし、これからは…

    個人データは彼らにとっては最高のおもちゃだ。それさえあれば楽しいお遊びがいくらでもできるんだから。
    ��ティム・ウー

    「彼らは、邪悪になろうと思えば何時でもなれる…」し、「私達も、おバカになろうと思えば何処までもなれる」
    ということを常に念頭に置きながら使用しなければならないと思った次第でもある。

    ★「我々の目標は世界を変えることだ。金を稼ぐのは、その費用を手に入れるための手段に過ぎない」
    ~エリック・シュミット

    ★「君達は魔法をぶち壊しにしてるんだ」
    ~メル・カーマジン

    ★イノベーションのジレンマ…ゼロックス、IBM、etc…

    ★「怖いのは、どこかのガレージで、まったく新しい何かを生み出している連中だ」
    ~ビル・ゲイツ(「最も恐れている挑戦者は」という問いに対して)

    ★群集の叡智(Wisdom of crowds)が最も重要であるか否か…!?

    ★身体は常に精神の思考を邪魔立てする。数学的公式こそ純粋理解に至る最良の手段である」
    ~ルネ・デカルト

    ★僕もGメールを使っているが、アーカイブなるボタンがあり…

    ★クラウド・コンピューティングの行方

    ★「これまでのソフトウェア開発は、天才的的エンジニアが伽藍をつくるようなものだったが、リナックスのモデルは全く違っていた。エンジニアやユーザーのコミュニティーが秘める創造性に火をつけるその様は、まるで"騒々しい巨大なバザール"のようだ。
    ~エリック・スティーブン・レイモンド「伽藍とバザール」

    ★過信は「システムが誤りを犯すことは絶対にあり得ない」と考える"技術的傲慢さ"を生むものだ。

    ★エピック2014とグーグルゾン(グーグル&アマゾンの合併起業)

    ★過去の遺物のような著作権法の枠組みは再検討する必要があるかもしれない。
    ウェブには常にコピーという問題が付き纏うが、そもそも著作権法はコピーを違法とするための法律だ。
    両者の間にはどうしても矛盾が生じてしまう。

    ★「グーグルは誕生した瞬間からインターネット全体をコピーはじめた。映画産業で創業と同時に既存の映画を全てコピーしはじめるような会社など想像できるか」
    ティム・ウーコロンビア大学教授(法学)

    ★グーグルが恐怖なのは消費者に愛されているからだ。マイクロソフトは愛されたことなどなかった。なぜならグーグルはサービスの対価を求めず最高の検索エンジンを無料で提供しているからである。

    ★グーグルはこれまでのライバル企業のどこよりも我々に似ている
    ~ビル・ゲイツ

    ★グーグルの影響力は、OSというネットワークを構成する一つの階層にとどまらない。
    私達は検索をするたびにグーグルに何かを与えている。そして検索結果を選ぶたびに彼らは何かを学習している。
    ~ローレンス・レッシグ

    ★マーク・アンドリーセンとSNS「ニン」

    ★「あいつらはどこに行った!?リーダーは俺なのに…」
    ~古いアメリカンジョーク
    ※伝統メディアが全てを批判していることへの皮肉

    ★しかし、グーグルもyoutubeをつくることは出来なかった…

    ★新たなテクノロジーは様々な方法でサービスの質を高めていく。ただ同時に、それがプライバシーの定義を静かにかえていくことは間違いない。

    ★個人情報をは、アマゾンなどでは自社のために使っている。しかしグーグルでは広告主を支援するために利用しているのだ。

    ★1984ではどこに監視カメラがあるか判っているだけマシだ。インターネット上では誰が誰から監視されているかが全く判らないのだ。

    ★個人データは彼らにとっては最高のおもちゃだ。それさえあれば楽しいお遊びがいくらでもできるんだから。
    ~ティム・ウー

    ★将来的にはブラウザがOSになる。だが既存のブラウザはアプリケーションの進化に追いついていない。だからグーグルは行動を起こしたんだ。
    ~クリストフ・ビスシリア(クラウドコンピューティング責任者)

    ★スティーブのような天才は数世代に一人しか現れない。
    そして何より彼は、失敗を経て復活するという、厳しくも素晴らしい経験をした。
    ~アル・ゴア
    ※失敗を通じてしか得られない知恵を、ペイジとブリンは未だ持ち合わせていない。

    ★「なんにでも万遍なくバターを塗っているようでは、特出すべき事業は何も起こせない」

    ★ソニーやデルはものづくりを知っている。アップルは知らない。一二年のうちにアップルは音楽産業から手を引く筈だ。
    ~井出伸之、2003年頃のインタビューにて

    ★人々から自律性や成熟や歴史を奪うのに"ビックブラザー"など必要はない。人々は抑圧を喜ぶようになり、考える能力を奪うような技術を有り難がるなるようになる。
    オーウェルは我々から情報を奪うモノを恐れた。
    しかしハクスリーは余りにも多くの情報を与えることで、我々を受動的で自己中心的にしてしまうモノを恐れたのだ。

    ★「クラウド化する世界 ビジネスモデル構築の大転換」
    ニコラス・カー
    「グーグルはトランスペアレントパーソナリゼーション(個々の個人データを把握し、それを彼等に悟られることなく、彼等の欲しい情報をさりげなく提供するするような個別対応)がもたらし得る社会的コストに未だ気付いていない。
    もしもこの精度が上がっていくと、私達ユーザーの関心の幅は狭まり、モノの見方は偏り、自分と似た意見の人とは近づく一方、それ以外の人(モノ、コト)には妥協を拒むようになるだろう。



    インターネットの進化がもたらす最も重大な結果(悲劇)は、コンピューターが人間のように思考するようになることではなく、私達がコンピューターのように思考するようになることかもしれない。
    リンクに導かれるままに機械的に情報を処理することに慣れてしまうと、自分の意思など希薄になっていくだろう。
    人口知能とは結局のところ我々自身かもしれない。

    ★イノベーションのジレンマ
    イノベーションに取り組み、今の価値が失われるのは怖い。機会を逃すことよりイノベートすることで既存のモデルを破壊してしまうことの方が恐怖さ。でも私はそこで思考停止に陥るまいと心掛けている。
    ~ジェフ・ズッカー(NBCユニバーサルCEO)

    ★情報ビットに置き換われば、必ず無料化は進む。
    そして、それが著作権法と抵触するのは必至でもある。
    しかし、経営として成り立つためには、有料サービスと組み合わせることが必要でもある。
    ~クリス・アンダーソン

    ★何かを効率良く普及させるのに、無料に代わる仕組みはない。
    ~ジェフ・ジャービス

    ★優れた新聞とは、読者が好む記事だけをピックアップするのではなく、人間性豊かで見識のある市民となるために必要な情報を提供する媒体でなければならない。
    また、新聞の記事は、ニュースソースの出所、事実の裏付け、同業他社との見識の違い、説明不可、内容の配列、etc…多数の編集者によっていじりまわされている。
    組織に属さない個々の専門家の自由な意見を軽んじる訳では決して無いが、そればかりを信じて報道機関を否定することは、見識あるジャーナリズムを消滅させることと同義である。
    ~著者

    ★新たな検索モデル
    MITの学生クワン・リーが携帯SNS用に開発した、友人達からの勧め(プッシュ)や彼等が買ったものお評価を参考にする検索システムを研究している。
    ※グーグルのシステムは「プル・モデル」と言っている・

    また…

    バーチカル・サーチという専門家の知識を活かした検索システムもある。

    ★グーグルの関心はCPUにしかなく、人間の頭脳は無視している。
    ~ジョン・ボースウィック
    ※ツィッターの買収に失敗したり、自らの手でyoutubeに対抗するようなサイトを構築出来なかった点など…

  • 2010年刊。著者はニューヨーカー記者。邦題は原題「GOOGLED」とも内容とも乖離。①グーグルの成長過程と②現代社会へのインパクトを叙述。①のグーグル創始者2人の成功譚や艱難辛苦に興味はないが、グーグルの広告媒体としての価値に気付かずにいた2人が、巨大な果実を獲得したのは「偶然」の要素があったという。このように単純な迎合物語にしていない分、内容に信は置ける。②は、特に既存メディアとの抗争は面白い。ただ、個人的には、ネット広告に提示されるものに興味を覚えたことはなく、そうなのかな、としか言えない。
    情報配信アーキテクチャーとしてのテレビはともかく、広告媒体としてのテレビは80年代半ばにVTRが家庭に普及した段階で大きく下降線をたどっていることは明白(その頃から、録画してCМ飛ばしで見ていたので)なので、ネット配信環境の普及による影響は感じていない。新聞・雑誌は広告欄が増大するにつれ、記事の劣化が顕著で、個人的には速報性よりも、取材力・視座を高めて欲しいと願っており、本書で書かれる問題意識とはずれているのかも知れない。まぁ、価格との兼ね合いもあるしなぁ。
    最近、YouTubeで、目指す動画の再生前に、広告動画が挿入されているのも、本書でさわりが触れられる収益改善の方途なのだなぁと。また、創作のインセンティブという意味での著作権の重要性は勿論であるが、海賊版が広告媒体となりアジアにてジャパニメーションの認知と購買層が拡大したとも言われている。この点、本書に挙げられたグーグルグループの言い分も眉唾とは言いにくいのは悩ましい。
    少し雑駁すぎる感想か。

     グーグル本体の影響は、広告代理店業やマスメディアによる広告の価値低下。ただ、グーグルの広告機能・ターゲット選別とマッチング機能は、個人的経験によれば不充分。また、ブランド価値を上げ、短時間で広範囲に情報を浸透させる点で、マスメディアの持つ価値の減弱は感じない(また、減弱したとのデータも未見)。日本における長期に亘る景気悪化・広告費用の減少との関連はないか、という疑問も。それ以外、殊に著作権関連は、グーグルが買収したYouTubeの問題、配信プラットホームの問題か。

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