- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163726809
作品紹介・あらすじ
いまや巨大なマーケットとなった中国、インド。新興国を勃興させ、貧富を強烈に分けながら広がっていくグローバリゼーション。この激流を乗り越える答えは、フランスにあった。不況時に強く、少子化も先進国で唯一克服したフランスは、これまで叫ばれてきた「小さな政府」の対極にある。いま、なぜフランスなのか?その秘密を「ミスター円」が解き明かす。
感想・レビュー・書評
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10.7.15 WBSで紹介されていた。
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日本は小さな政府。
しかし大きな政府のフランスがリーマンショックを勝ち抜いた。 -
フランスが少子化問題など数々の社会問題をどう解決して行ったかを紹介している
スウェーデンパラドクスと合わせて読んだ
統計をいめんだんだけ追ったところもあるので説得力はスウェーデンパラドクスの方がある
が、フレンチパラドックスにも今後日本が強化すべきポイントはとても共感できる
グローバリゼーションの中日本が生き残って行くために多くの人に読んで欲しい -
あまり政策的な本には興味がないが、この本は面白く読めた。ちょうど、今の日本がどの方向に進めばいいのかを、やさしく説明してくれる。
小さな政府と言っているが実際はどうなのか? その小さな政府の見本となりうる「先生」の国は?
フランスの良さを伊奈に見習うか?
または、貧富の差のはげしい二極化の国を目指すのか?それとも、社会主義的な平等社会を形成していくのか? どこを目指すのかによって 異なってくる。 小泉政権時代は、貧富の差がOKであり、今はまたその差をちじめる政策すすめようとしている。
このばら撒きと言われた悪政も、国力アップの人口アップにはいいかも、、、
しかし、もっと大きな目でもっと大きな力で、大きなビジョンをつくえる人が政治家として存在しないと、ほんと日本国は生きていけるのだろうか?
企業のビジョンづくりと同じであると思った -
かつて日本では職安法により間接雇用が禁止されていたから派遣社員というのは法的に存在しなかった。
小さな政府最先進国のアメリカでは一番貧困層との格差が大きい。
中国がアメリカを抜き、日本の最大貿易相手国となっている。3位韓国、4位台湾と日本の貿易の50%がアジアとの取引。
フランスシラクイギリスのブレアをあてこすって、まずいものを食っている国の人間は信用できないと、プーチンに言ったという有名な話がある。
フランスでは大学も9割以降が国立で無料。
日本の最大の弱みは語学力。技術力、知識レベルは高いのに英語ができない。フランスでも英語を受け入れた。アジアの共通語も英語になる。 -
フランスと日本を対比しつつ日本社会の歩むべき道を示す本。アメリカなどと対比している本が多い中、この本は比較的社会主義色の強いフランスを比較対象にしている点で面白いと思う。また、示唆の内容も共感できるものが多いと感じた。ただ最後の「廃県置藩」には納得できない。
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民主党のブレーンと言われている榊原英資の本。
竹下平蔵と対談したときに、日本は大きな政府になるべきだと
しきりに言っていたので、その理由を知りたいこともあって読んでみた。
フランスは大きな政府なのだが、
その中でどのような政治を行っているのかが書かれている。
あまり、フランスの政策のことをよく知らなかったが、
大きな政府がどのようなものなのかがよくわかった。
スウェーデンが福祉国家なのは有名だが、実はスウェーデンの人口は
900万人程度で、とても小さい国だからそれができている。
日本人は1億人以上いるため、どうしてもそれと同じモデルは採用しにくい。
フランスには6000万人国民がいるので、日本の半分ではあるが、
ある程度モデルにしやすいだろうと述べられている。
なぜ、大きな政府がいいかというと、小さな政府だと貧富の差が
大きくなるから。
小さな政府だと競争力が高まるというのも、本当かどうかわからない
ということらしい。
確かに、アメリカのように自己責任で負け組勝ち組が決まる世の中は
日本には似合わない気もする。
この人の考え方には、ベーシックインカムの考え方に似ているな
という印象があった。
個人的にあまりベーシックインカムには賛成しないが、もしかすると、
そうした方が健全な世の中になるのかもしれない。
あと、この人の国債をどんどん発行すればいいという考え方も、
あまりしっくりこなかった。
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他の人のレビュー
http://www.honzuki.jp/book/book/no35337/index.html -
フランスはなぜこの世界規模の経済の難局を、さほど影響を受けずに乗り越えられているのか?―その答えは「大きな政府」にあるという、今の日本人には一見パラドキシカルに思える議論が展開されている。
フランスでは、雇用や失業、出産、育児、教育など社会保障が行き届いていることが国民に安定した生活基盤を与え、グローバリゼーションや少子化の問題を克服している。また、公的部門の巨大さや規制の多さが資本主義の暴走を食い止めている、と著者は指摘している。
もちろんこれらの背景に「大きな政府」の存在が必要となるわけだが、著者が強調したいのは、国のあり方が今までになく問われている日本において、単純に「大きな政府」=「絶対悪」と切り捨てるのではなく、また逆に無条件に礼讃するのでもなく、こういう良い面があるからその価値を再検討してみてはどうか、ということだと思う。
「官」と国民の関係、国家の歴史、個・家族・仕事の価値観など、日仏の違いは多い。今フランスで成功していることが長期的にはどうなのか疑問に感じる点もある(特に公的部門の大きさ)。しかし、ここで書かれている施策のなかで、特に育児や教育まで含めた広い意味での少子化対策については、フランスに学ぶべき点は多いと思う。 -
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