龍馬史

  • 文藝春秋 (2010年9月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784163730608

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

歴史的な人物、龍馬の生涯や幕末の動向を深く掘り下げた作品であり、資料に基づく裏付けがしっかりとされています。特に、幕末史の理解を助ける第1章では、龍馬の存在がどのように歴史に影響を与えたのかが描かれて...

感想・レビュー・書評

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  • 表紙につられて衝動買い。内容はまあ普通で目新しい所はない。

  • この週末積読状態にあった磯田道史氏の「龍馬史」を読んだ。龍馬を通して描かれた幕末史ということで買ったのだが随分と読まずに積んでおいたのだが、龍馬が教科書から消えるかもという不穏なニュースに刺激され読み始めた次第だ。

    事の次第は、高校と大学の教員らでつくる「高大連携歴史教育研究会」というグループが歴史教育の改革のため高校の教科書に掲載する主要な用語を半分程度に減らす代わりに、暗記だけでなく歴史の流れを理解することに、重きを置いていくべきという提案をした事がニュースに乗ったことで騒ぎになったようです(そこまでの騒ぎじゃなかったかも?)。
    まあこの会が提案をまとめ発表したとしてもすぐに歴史教科書の在り方が変わるわけではないようなのでほっとはしましたが。

    本作では坂本龍馬のの手紙などを紹介しつつフィクションとならないよう、彼はどういう育ち方をしたのか(良家のおぼっちゃまだったなんて知らなかった)、どんな人間と出会うことで成長し自分の主張を固めていったか、自分の思想が固まるにつれ彼が実際どういう思いで行動を起こしていたか、そしてその主張・行動がどのように江戸時代が終わることにつながっていったのかという考察が丁寧になされている。

    歴史上の事実としては彼の暗殺の黒幕はわかっていないらしいが、それについてもいままで発表された様々な説に関しても考察をおこない、そしてそれらに的確に反証を行って最後に自説の会津藩首謀説を展開していてそれらのロジック展開をとても楽しく、軽快に読み進むことができた。

    度重なる脱藩の理由も明確にされていて、彼の行動力の凄さと同時に暗殺を避けられなかったわきの甘いところも丁寧に説明されているので飽きずに読める歴史考察本となっていて、幕末あたりの歴史に興味がある方、龍馬ファンの方は絶対楽しめるおすすめの好書だと思う。

    そんなちょっとばかりお勉強になる龍馬本を読むBGMに選んだのがJohn Patitucciの”Heart of the bass"だ。六弦ベースの超絶プレイがすごい。
    https://www.youtube.com/watch?v=K7RqbZzGfoo

  •  とりあえず読了。「あれほどの大仕事を成し遂げた人物だから、暗殺を指示した黒幕は、とてつもない大物であってほしいし、そうでなければならない」などという洗脳というか、暗示に自分自身もかかっていたようだった。(P.S.2年半後の平成25年5月8日、NHK1ch「歴史秘話ヒストリア」で、龍馬暗殺の実行犯が解明。断定は避けたものの、京都見廻組の桂早之助であることは100%確実。でも著者の磯田氏は「桂早之助ではない」と書いてたような)

  • 龍馬についてだけでなく、大政奉還に至るまでの周辺の動きまで丁寧に書かれている良著だと思います。龍馬暗殺の黒幕考察も、様々な史料からパターンに分けて分析されており一読の価値あり。

  • 「龍馬暗殺の真相」至るまでの磯田史観による龍馬像解析が抜群に面白く新鮮。

    ◎薩長同盟と大政奉還は必ずしも龍馬の手柄ではない
    坂本龍馬の2大実績といえば、「薩長同盟」の仲立ちと「大政奉還」の献策の2つが挙がる。いずれも明治維新につながる大変大きな業績ではあるが、必ずしも龍馬の独創ではないと断言。
    ・薩長同盟については、西南雄藩の実力者である両藩が手を結ぶべきだとする論者は他にもいた。当事者である両藩の人たちも、やはり我々が手を結ばなければダメということは、うすうす感じていたと思うのです。実際の行動としても、龍馬の同士である中岡慎太郎の方が積極的に働きかけており、同盟実現に果たした役割は、実は中岡の方がであると見る論者もいるほど。
    ・大政奉還も、幕臣の大久保忠寛(一翁)や前越前藩主の松平春嶽なども、龍馬に先んじて提唱していた。幕藩体制に代わる新しい政治体制の在り方も龍馬の独創というよりは、むしろ横井小楠の受け売りという側面が大きかった。>

    ◎真の意味での龍馬の輝かしい実績
    ・龍馬が誰よりも早く海軍の重要性を理解し、しかも実際に海軍を創設して、自ら操船し戦ったということ。海軍が重要だということに気づいた人は他にもいました。しかし、 それを後先考えずに実行に移したのが龍馬だった。
    ・幕府にも藩にも所属しない「浪人」にもかかわらず、巨額の費用の掛かる軍艦を手配して「坂本海軍」を創設し、それで商社のような形態に発展してゆく。さらには、その海軍力をもって長幕戦争(長州ー江戸幕府)においては、戦争請負のようなことまでした。こうした組織体を作ったのは、龍馬にしか実現できなかった掛け値なしの大きな仕事である。この意味においては龍馬は過小評価されているのではないかと思うほどである。>

    ◎著者の総括
    龍馬が龍馬ならしめたのは、実家が豪商だったから。要するに、“武士は食わねど高楊枝”的ではなく、商取引や金銭への忌避感がなかった。そのため、商品流通を元に富国強兵を図って行く海援隊のような組織を創ることができた。才谷屋という土佐の豪商の家に生まれたことは、坂本龍馬という一人の英雄の活躍に、計り知れない程の影響を及ぼしたことは間違いないと。

  • わかりやすい文体、さすがです
    龍馬を通して描かれた幕末史
    別々に書かれた3つの文章を一冊の本にまとめているので、重複するところもあるけれど、読みやすいです
    謎はないのね

  • 資料、文献を丁寧に読み、紐解かれた等身大の坂本龍馬が
    分かりやすく解説されている。
    恐らく真実なんだろう。

    しかし、小説で違う解釈や設定の龍馬が出てきてもそれはそれで読める気がする。
    それくらい客観性に富んだ本だった。

  • 幕末のことがわかりやすく書いてある本だった。龍馬のことも少し引いた感じで見ており、淡々と書かれているのに良い印象をもった。歴史というのはこのように語れるべきものなのだろう。

  • 坂本竜馬を通して、幕末史を体系的に読み解く...そんなコンセプトの本。大河ドラマを見て(途中までしか未だ見ていないけれど)土佐藩の上士と下士の関係にびっくりしたけれど、竜馬の実家が才谷屋という裕福な商家の分家だったり、というところから彼の人物が作られていったという分析や、他の藩での脱藩事情などの土佐との違いなども意外で面白かった。
    謎とされる死についても謎はほとんどない、と現在まで分かっている動機や実行犯、証言などで説得力のある読み解きを示してくれる。

    相変わらず磯田さんの文章は読みやすくて面白かった。

  • ここらの歴史は、あまり得意でないのですが、すごく読みやすい本でした。

    龍馬暗殺について、それぞれの説を挙げて解説してくれるのは、分かりやすかったです。

  • 坂本龍馬の武士&商人の生きざまを通して幕末と明治維新の世が見える1冊。
    テレビドラマ『仁』を観て、坂本龍馬や当時の革新者たちのすばらしい心意気に感動して~。
    ”道のため、お国のため”の精神がすばらしい!
    歴史苦手な私でも面白く読めました。

  • 「武士の家計簿」の著者である、史料を丹念に読み解くという手法は同じで、司馬遼太郎の「竜馬が行く」を充分補充する出来である。龍馬暗殺の謎は今では、ほぼ確定してしまったようだが、本書を読めば納得出来るであろう。

  • 実に、どうってこと無い本。
    おそらく、著者がそんな風に作っているのではないか。
    龍馬暗殺の黒幕云々の記述は少ない。寧ろその前後の時代の動きが面白いのだが、逆に龍馬の位置づけが良く判らないところがある。

  • 坂本龍馬の暗殺は、幕末最大の謎と言われているが、本書は「そんなもの謎でもなんでもない!」とでも言いたげに、数々の証拠を並べてはっきりとした回答を示している。

    殺される前に「思う存分殺せ」と言ったというのは本当か?
    切られた後に中岡慎太郎を気づかったのか?
    峰吉の証言は嘘だったのか?

    様々な説で頭がモヤモヤしている方は本書でクリアにするとよいだろう。

  • (2011.05.17読了)(2011.05.04借入)
    今年の初めぐらいに予約したのですが、やっと順番が回ってきました。
    読みやすくてわかりやすいのですが、歴史書として書かれたのではなく、随筆に分類されています。メインテーマは、龍馬は誰に、なぜ暗殺されたのか、ということです。
    サブテーマは、龍馬は、大政奉還によって、徳川慶喜との戦が避けられたと考えていたのかということでしょうか。
    著者は、世間に割と好意的に評価されている龍馬像や暗殺に関する根強い説に異を唱えたかったようです。僕も読んでいて、幾つか、えっ!、そうなの?、というところがありました。

    ●兵農分離(13頁)
    江戸時代は、教科書的には既に兵農分離が済んだ時代とされています。しかし、実際は兵農分離が進んでいる地域とそうでない地域との差が大きかったのです。日本列島の中心部をなす、織豊系の大名、つまりもともとは信長や秀吉の家臣で安土桃山時代以降に現在地に移ってきた大名の藩(岡山藩、金沢藩、広島藩、名古屋藩)では、兵農分離が比較的はっきりしていました。これに対して、土佐や長州は郷士が非常に多く、学校教科書が教える兵農分離の社会とはほど遠い。
    ●番方と役方(26頁)
    幕府でも藩社会でも、武士の世界は大きく分けて番方と役方とに分かれていました。番方は警備や軍勢を引きいたりする武官の仕事で、その管理職は上司だけが就くことができる世襲の役職でした。一方、役方というのは算盤や帳簿付けを必要とする文官の仕事で、番方よりも一段低く見られていました。財政を受け持つ勘定方などが代表的な役方の仕事です。
    ●異国体験(31頁)
    万次郎という存在を知り、黒船への警備に動員されるという二つの体験によって、龍馬は外国とのかかわりの中で土佐を、そしてこの国を見つめるという視線を獲得したのだと思います。
    ●海軍の創設(46頁)
    わたしが重要視するのは、龍馬が誰よりも早く海軍の重要性を理解し、しかも実際に海軍を創設して自ら船を動かして実戦を戦った、ということなのです。海軍が重要だということに気が付いた人は、ほかにもいました。しかし、それを後先考えずに実行に移したのが龍馬だったのです。
    ●龍馬の思想的系譜(94頁)
    河田小龍によって世界を知り、勝海舟によって海軍を知り、横井小楠によって将軍なき政治形態を知る。このようにして龍馬の思想、新しい政権の枠組みの構想は形成されて、龍馬はその実現に奔走することになったのです。
    ●なぜ危険な近江屋に?(114頁)
    龍馬の「龍馬たるゆえん」というのは、いつも人に手紙を書き、人に会い、自由勝手に動き回っているところにあります。それが重要なのに、藩邸の門の中へ一歩入ってしまうと、どこへ行くと届け出たり、門番に入り口を開けてもらったりで、やりたいことが自由にできなくなってしまいます。
    ●薩摩藩の郷中教育(125頁)
    彼らの教育の中でも重要なのが判断力を養う「詮議」というものでした。詮議というのは一種のケーススタディです。もしこういうシチュエーションになったら君はどうするかということを先輩が問いかけ、小さな子供から順に答えさせていくというものです。
    ●見廻組(171頁)
    致命傷を負わせた後の、見廻り組の斬り方は残酷なもので、藤吉にすら七太刀くらわしています。龍馬には34カ所、中岡にも28カ所の傷があり、滅多突き滅多斬りの状態にしている。
    ●龍馬の手紙(188頁)
    一次史料、つまりは龍馬自身が描いた手紙を虚心坦懐に読んで、真の龍馬像に迫る、その知的作業が、あまり行われていないような気がします。歴史を探る方法としては、本人が書いたものをきちんと読むのが第一であろうと思います。

    龍馬が暗殺されたのは、伏見奉行所が寺田屋にいた龍馬を襲撃した際、龍馬の持っていた薩長同盟等に関する書類を押収し、龍馬の危険性が認識されたため、としています。
    実行犯は、見廻り組の佐々木只三郎が率いる7名ほどの武士ということです。
    暗殺を命じたのは、京都守護職の松平容保、具体的に計画を立案したのは、佐々木只三郎の兄、手代木勝任とのことです。

    ☆関連図書(既読)
    「坂本龍馬」池田敬正著、中公新書、1965.06.25
    「爆笑問題が読む龍馬からの手紙」爆笑問題著、情報センター出版局、2005.08.04
    「龍馬とその時代」大石学著、日本放送出版協会、2010.04.01
    「横井小楠」徳永洋著、新潮新書、2005.01.20
    「龍馬と八人の女性」阿井景子著、ちくま文庫、2009.09.10
    (2011年5月17日・記)

  • 『武士の家計簿』著者なので気になって買った本。「龍馬暗殺の黒幕がついにわかったぞ!」的な帯もとても気になった。各種の有名な陰謀論をある程度ご存知の方は、わりと意外性のない、なんとなく警察の調書のように淡々と導かれる結論にあるいは物足りなさを感じてしまうかもしれない。
    私は「日本史上最大のミステリー」部分よりも、幕末の京都において最も良質な人材を確保できていた会津と薩摩の人材システムや教育方法が正反対に違うあたりの雑学が非常に気になった。
    会津藩は求められる人材像がしっかりしており、それに即した秀才を掬い上げるフランスのグランゼコール式の超エリート主義、薩摩はディベートとケーススタディをグループになって議論させる判断力養成型の教育を行っていた。
    ある程度秩序があり、ルール化された社会においては、エリート主義も効果がありそうだが、革命期のような臨機応変さが最も求められる局面においては薩摩型のほうが強いんだろうなと思った。会津若松は母方のルーツゆえに、ちょっと悔しい気もしたけれど。
    確か大久保利通が官僚組織を築き上げているときに、「うちの国のものはこういう仕事は向きません、戦にはむいてますが」と言って、会津ほか各藩の秀才をどんどん起用したという話があるが、生まれる時代によって、光の当たるべき人材というのは儚く移り変わる。
    この儚さも、この本の結論に非常に関係があったりする。

  • 龍馬伝の復習。非常に読みやすくかつわかりやすいのは、デスマス調で書かれてあるせいか?龍馬暗殺はもはやミステリではない。

  • もんのすごーーーーくザックリとわかりやすく龍馬を中心に「あの幕末」を説明してくれています。
    しかも、結構、「実」に近く?
    なんで、龍馬のような人物があのとき生まれたのか?
    時代の前後左右を昨今解き明かされた史料なんかも元に読み解かれているのですが、なるほど…、と納得してしまうリアルさがあります。
    そんな不思議なことでもないし、とんでもなく宇宙人的なスーパーヒーローでもないわけよ。
    偶然(でもないんだけど)、そういう場に居合わせたちょっと鼻が利き柔軟な頭の男が、あれよあれよと祭り上げられていった挙句ちょっと調子に乗りすぎて、バッサリやられた、って感じです。
    ちょっと、ホリエモンとダブりました。(^^;)
    たぶん、この本の「龍馬像」がかなり実際に近いだろうな、と感じましたね。
    でも、龍馬にロマンを求める人にはちょっと受け入れがたいことになるのかな?(^^;)

  • 坂本龍馬はどうやって幕末で活躍できたか?

    日本史上最高の当たり屋だったのは
    坂本龍馬だったところに驚きでした。


    また、心構えとして、
    最善を考えつつ、
    最悪の事態を想定し
    そうなったとき自分はどうするか?
    常に考えていたところは
    参考になります。

    そして、なんといっても
    気になるのが、
    坂本龍馬を暗殺したのは誰か?

    この書籍では、
    かなり深いところまで考察されています。

    気になる方は一読を。

  • 歴史物はあまり読まないけど,大河ドラマに合わせて読んでみた。

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著者プロフィール

磯田道史
1970年、岡山県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、2016年4月より国際日本文化研究センター准教授。『武士の家計簿』(新潮新書、新潮ドキュメント賞受賞)、『無私の日本人』(文春文庫)、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書、日本エッセイストクラブ賞受賞)など著書多数。

「2022年 『日本史を暴く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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