龍馬史

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163730608

作品紹介・あらすじ

龍馬の性格、大局観、交渉術、人脈、思想、行動、そして暗殺をめぐる現場検証。龍馬の全生涯を視野に入れ、新事実と緻密な推理で読み解く「龍馬暗殺」の全貌。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙につられて衝動買い。内容はまあ普通で目新しい所はない。

  • この週末積読状態にあった磯田道史氏の「龍馬史」を読んだ。龍馬を通して描かれた幕末史ということで買ったのだが随分と読まずに積んでおいたのだが、龍馬が教科書から消えるかもという不穏なニュースに刺激され読み始めた次第だ。

    事の次第は、高校と大学の教員らでつくる「高大連携歴史教育研究会」というグループが歴史教育の改革のため高校の教科書に掲載する主要な用語を半分程度に減らす代わりに、暗記だけでなく歴史の流れを理解することに、重きを置いていくべきという提案をした事がニュースに乗ったことで騒ぎになったようです(そこまでの騒ぎじゃなかったかも?)。
    まあこの会が提案をまとめ発表したとしてもすぐに歴史教科書の在り方が変わるわけではないようなのでほっとはしましたが。

    本作では坂本龍馬のの手紙などを紹介しつつフィクションとならないよう、彼はどういう育ち方をしたのか(良家のおぼっちゃまだったなんて知らなかった)、どんな人間と出会うことで成長し自分の主張を固めていったか、自分の思想が固まるにつれ彼が実際どういう思いで行動を起こしていたか、そしてその主張・行動がどのように江戸時代が終わることにつながっていったのかという考察が丁寧になされている。

    歴史上の事実としては彼の暗殺の黒幕はわかっていないらしいが、それについてもいままで発表された様々な説に関しても考察をおこない、そしてそれらに的確に反証を行って最後に自説の会津藩首謀説を展開していてそれらのロジック展開をとても楽しく、軽快に読み進むことができた。

    度重なる脱藩の理由も明確にされていて、彼の行動力の凄さと同時に暗殺を避けられなかったわきの甘いところも丁寧に説明されているので飽きずに読める歴史考察本となっていて、幕末あたりの歴史に興味がある方、龍馬ファンの方は絶対楽しめるおすすめの好書だと思う。

    そんなちょっとばかりお勉強になる龍馬本を読むBGMに選んだのがJohn Patitucciの”Heart of the bass"だ。六弦ベースの超絶プレイがすごい。
    https://www.youtube.com/watch?v=K7RqbZzGfoo

  •  とりあえず読了。「あれほどの大仕事を成し遂げた人物だから、暗殺を指示した黒幕は、とてつもない大物であってほしいし、そうでなければならない」などという洗脳というか、暗示に自分自身もかかっていたようだった。(P.S.2年半後の平成25年5月8日、NHK1ch「歴史秘話ヒストリア」で、龍馬暗殺の実行犯が解明。断定は避けたものの、京都見廻組の桂早之助であることは100%確実。でも著者の磯田氏は「桂早之助ではない」と書いてたような)

  • 龍馬についてだけでなく、大政奉還に至るまでの周辺の動きまで丁寧に書かれている良著だと思います。龍馬暗殺の黒幕考察も、様々な史料からパターンに分けて分析されており一読の価値あり。

  • 「龍馬暗殺の真相」至るまでの磯田史観による龍馬像解析が抜群に面白く新鮮。

    ◎薩長同盟と大政奉還は必ずしも龍馬の手柄ではない
    坂本龍馬の2大実績といえば、「薩長同盟」の仲立ちと「大政奉還」の献策の2つが挙がる。いずれも明治維新につながる大変大きな業績ではあるが、必ずしも龍馬の独創ではないと断言。
    ・薩長同盟については、西南雄藩の実力者である両藩が手を結ぶべきだとする論者は他にもいた。当事者である両藩の人たちも、やはり我々が手を結ばなければダメということは、うすうす感じていたと思うのです。実際の行動としても、龍馬の同士である中岡慎太郎の方が積極的に働きかけており、同盟実現に果たした役割は、実は中岡の方がであると見る論者もいるほど。
    ・大政奉還も、幕臣の大久保忠寛(一翁)や前越前藩主の松平春嶽なども、龍馬に先んじて提唱していた。幕藩体制に代わる新しい政治体制の在り方も龍馬の独創というよりは、むしろ横井小楠の受け売りという側面が大きかった。>

    ◎真の意味での龍馬の輝かしい実績
    ・龍馬が誰よりも早く海軍の重要性を理解し、しかも実際に海軍を創設して、自ら操船し戦ったということ。海軍が重要だということに気づいた人は他にもいました。しかし、 それを後先考えずに実行に移したのが龍馬だった。
    ・幕府にも藩にも所属しない「浪人」にもかかわらず、巨額の費用の掛かる軍艦を手配して「坂本海軍」を創設し、それで商社のような形態に発展してゆく。さらには、その海軍力をもって長幕戦争(長州ー江戸幕府)においては、戦争請負のようなことまでした。こうした組織体を作ったのは、龍馬にしか実現できなかった掛け値なしの大きな仕事である。この意味においては龍馬は過小評価されているのではないかと思うほどである。>

    ◎著者の総括
    龍馬が龍馬ならしめたのは、実家が豪商だったから。要するに、“武士は食わねど高楊枝”的ではなく、商取引や金銭への忌避感がなかった。そのため、商品流通を元に富国強兵を図って行く海援隊のような組織を創ることができた。才谷屋という土佐の豪商の家に生まれたことは、坂本龍馬という一人の英雄の活躍に、計り知れない程の影響を及ぼしたことは間違いないと。

  • わかりやすい文体、さすがです
    龍馬を通して描かれた幕末史
    別々に書かれた3つの文章を一冊の本にまとめているので、重複するところもあるけれど、読みやすいです
    謎はないのね

  • 資料、文献を丁寧に読み、紐解かれた等身大の坂本龍馬が
    分かりやすく解説されている。
    恐らく真実なんだろう。

    しかし、小説で違う解釈や設定の龍馬が出てきてもそれはそれで読める気がする。
    それくらい客観性に富んだ本だった。

  • 幕末のことがわかりやすく書いてある本だった。龍馬のことも少し引いた感じで見ており、淡々と書かれているのに良い印象をもった。歴史というのはこのように語れるべきものなのだろう。

  • 坂本竜馬を通して、幕末史を体系的に読み解く...そんなコンセプトの本。大河ドラマを見て(途中までしか未だ見ていないけれど)土佐藩の上士と下士の関係にびっくりしたけれど、竜馬の実家が才谷屋という裕福な商家の分家だったり、というところから彼の人物が作られていったという分析や、他の藩での脱藩事情などの土佐との違いなども意外で面白かった。
    謎とされる死についても謎はほとんどない、と現在まで分かっている動機や実行犯、証言などで説得力のある読み解きを示してくれる。

    相変わらず磯田さんの文章は読みやすくて面白かった。

  • ここらの歴史は、あまり得意でないのですが、すごく読みやすい本でした。

    龍馬暗殺について、それぞれの説を挙げて解説してくれるのは、分かりやすかったです。

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著者プロフィール

磯田道史(いそだ みちふみ)
1970年、岡山県生まれの研究者。茨城大学、静岡文化芸術大学などを経て、国際日本文化研究センター准教授。専攻は日本近世・近代史・日本社会経済史。
実家は備中鴨方藩重臣の家系で、古文書が豊富にあった。高校生のとき実家と岡山県立図書館の古文書を解読している。京都府立大学文学部史学科、慶應義塾大学文学部史学科を経て、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。「近世大名家臣団の社会構造」で史学博士号取得。
2003年刊行の『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』が第2回新潮ドキュメント賞を受賞し、2010年森田芳光監督により『武士の家計簿』のタイトルで映画化し大ヒット。2015年には『天災から日本史を読みなおす』で第63回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。その他代表作に『日本史の内幕』などがあり、多くの新書がヒット作となっている。

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