村上春樹インタビュー集1997―2009 夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

  • 文藝春秋 (2010年9月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (544ページ) / ISBN・EAN: 9784163731001

みんなの感想まとめ

村上春樹のインタビュー集は、彼の作品に対する姿勢や思考を深く知ることができる貴重な一冊です。読者は、彼の言葉が心に響き、人生の指針となるような深い洞察を得ることができると感じています。また、インタビュ...

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹さんの、インタビュー集。
    この間の作品にどのような姿勢で臨んだのか等、とても興味深く読みました。
    それにしても、村上さんの言葉は、私の中にすごく浸透してくるのですよね。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「すごく浸透してくるのですよね。 」
      インタヴュアーが村上作品を読み込んでるのが伝わってきて驚きました(翻訳されても劣化しない)。そして村上...
      「すごく浸透してくるのですよね。 」
      インタヴュアーが村上作品を読み込んでるのが伝わってきて驚きました(翻訳されても劣化しない)。そして村上春樹が書くコトや人生を楽しんでいる感じがよく判って良かったです。
      私は今、早く「雑文集」が文庫にならないかなぁ~と待っているところです。
      2013/04/02
    • あやごぜさん
      「雑文集」も良いですよね。
      あの表紙が何気に好きでした。文庫化されると良いですね。
      「雑文集」も良いですよね。
      あの表紙が何気に好きでした。文庫化されると良いですね。
      2013/04/03
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「あの表紙が何気に好き」
      判ります!
      村上春樹の本以外では多分有り得ない(と思う)豪華さですね。和田誠(ネズミ)+安西水丸(ウサギ)
      「あの表紙が何気に好き」
      判ります!
      村上春樹の本以外では多分有り得ない(と思う)豪華さですね。和田誠(ネズミ)+安西水丸(ウサギ)
      2013/09/02
  • 1Q84 Book1~3の2回の読了後、楽しみに読みだしたはずが、村上ワールド一色はムリと感じ約5年もたってやっと今、読了。(その間に色彩のない-や女のいない-は読んだが)
    これを読んで、今までの長編小説をもう一回読もうと思った。
    村上氏の話す事柄は人として生きるための良き心の在り方の指針となるように思う。村上氏は執着のないクールで、どろどろしたものから遠い、感情的にならない都会の人という印象があるが、違うみたい。 村上氏の言葉に感激しながら読んだ。

    「健全な肉体に不健全な魂」というのには深く共感。わたしも芸術家は身体的に健康であってほしいと願う。ニコチン中毒の作品に触れるのはノーサンキューと常々思っているので、

    目覚めながら夢を見ているっていうのは、村上氏は書いている内に知らず、瞑想してるんだなと思う。

  • インタビューって、
    ご本人の文章とはまた違う面白さがあって
    すごくいい!

    村上さんがどれほど言葉や小説を愛し、
    大切に思っているかということが
    リアルな言葉でひしひしと伝わってきて、
    しかもそれが、まだかなり最近のインタビュー
    なだけに新鮮で、ギュッとおいしかった。

    個人的には、村上さんのオフィスで、
    「女性アシスタントが、
     ストッキングをはいた優美な脚で、
     音も立てずに謎めいた行き来をしていた」
    なんてくだりも楽しみながら読みました。
    最高です。フフフ。

  • 僕が少し病んでしまったのは少ならかず彼の物語の影響があるんだけど、僕は彼の人となりを知ることで少しそこから脱却できた気がする
    とてもいい本だった。

  • 夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

    2010年に発行された村上春樹氏のインタビュー集です。いまさらですけど。
    作品で言うと「アフターダーク」の発売後くらいから「1Q84」 Book1,2の発売前くらいまでのインタビューが掲載されています。国外のインタビュアーが多いのは、インタビューにもあるように、日本の出版界、文学界などから異端児として結構いろいろなことを言われ続けたのが理由のようです。
    繰り返しになる部分は結構省いたとあとがきで書いてありますが、何度も出てくるのは以下のこと。これらが村上氏の本質的な部分なのでしょう。
    * 健康な肉体がないと不健康な物語は書けない。
    * 作者自身でも物語がどのように展開するか?どのような人物が登場するかは書いてみないとわからない。
    * 物語は自分に井戸を深く掘った中の暗いところからやってくる。
    * 走ることと書くことは氏にとって欠かせない楽しみであると同時に苦痛でもある。
    * 作家としての自分を鍛えるために、短編も翻訳もするが、氏の本領は長編にある。
    * 締め切りが無いと書けない作家もいるが、氏は締め切りがあると辛くて書けない。
    * 一人称でずっと書いてきたが、これからは三人称で書いていく(かもしれない)。
    * インタビューは、世間で言われている中であまりにも的外れなものを正したり、忘れる前に私見を述べたりするために受けることがある。
    まあ、内容はさておき、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と「海辺のカフカ」を読み返したくなりました。ドフトエフスキーも読まなければ・・・

    竹蔵

  • 1997年から2009年までの12年間に行われた、
    小説家・村上春樹さんへのインタビュー集です。

    僕はまだ未読なのですが、『1Q84』が書き終えられて、
    まだ刊行されていない時期が2009年だということです。

    ご自身の著作の話、創作の技法や心構えなどから、
    著者自身はちょっと本意ではないようなのですが、
    著作の内容に関する質問への答えなども収録されています。
    また、数多くの翻訳の中から、
    とくにレイモンド・カーヴァーに関する内容のものが
    一つの章を割いてありますし、
    そのほかにも言及があります。

    村上春樹さんは、
    非リアリズムの作家でありますが、
    『ノルウェイの森』では唯一リアリズムの手法を試して成功させ、
    その技法に自信を持ち、たぶんに、その経験をも、
    その後の非リアリズムの作品に活かしているのではないだろうかと思います。
    彼が翻訳を手掛け、敬愛もしているレイモンド・カーヴァーは
    リアリズムの作家だとされているし、
    古い小説家のフィッツジェラルドもその手に分類される作家のようですし、
    村上さんと同じように分類されるマジックリアリズムの作家には
    あまり興味を持っていないようなんです。
    自分にないもの、自分と違うタイプのものを好む傾向は、
    きっとそこから学べるものが大きいからなのかもしれないですね。

    「井戸」だとか「地下室」だとかという比喩を用いながら、
    彼の作りだす不思議な物語、世界、キャラクター、
    ストーリーの流れなどを説明しています。
    そして、その説明の言葉そのものがもはや読み物と化していて、
    読み手はぐぅっと惹きつけられながら、
    まるで村上春樹という小説家を主人公とした物語の断片を
    読んでいるような気にすらさせられました。

    村上春樹さんは、よく書きなおす作家だということ。
    長編は一日10枚のペースで毎日休みなく書きつづけるということ。
    短編は一筆書きのように書きあげるということ。
    などなど、いろいろと、物語創作の実際面を知りたいひとにも
    刺激的な内容になっていました。
    たいていにおいて(というか、ぼくがそういうタイプなのですが)、
    物を書くひというのは孤独の中に身を置いて、
    その孤独に居心地の好さすら感じ、
    その技術面やスタンスについては独学で、
    他の書き手とそのあたりの情報交換などはあまりしないのではないでしょうか。
    いやいや、なかには文壇の付き合いでいろいろと
    参考情報を与えたり得たりしている人もいるでしょうし、
    作家友だち、作家飲み仲間、などと仲良くしているひとも
    多くいるようです(たとえば、直木賞作家の西加奈子さんは
    作家友だちと飲み会をするだとかいいますし)。

    まあ、いろいろということですが、
    一匹狼的な(狼というより猫のほうが
    村上春樹さんのことを言い当てているとは思いますが)生き方やあり方、
    そしてそれは、作家であるということと不可分なひとりの人間の
    呼吸というものが感じられるし、
    もちろん、蓄積された経験も感じられるし、
    頭の部分で喋っていること以外の部分もわかるようでもあります。
    そういうことも含めて、本書は村上春樹さん自身に近づく、
    彼のミステリアスな部分の回答集(Not 解答集)でありましょう。

    ぼくは彼の作品の9割以上を読んでいるようなひとですが、
    本書は時間を忘れて夢中になって読める本でした。
    ハルキストじゃなくても、
    彼の作品に共鳴した経験があるひとで、
    クリエイティブさに興味のあるひとであれば、
    とても楽しめる本になっているでしょう。

  • 創造とはどのようなことか、創造のプロセスはどのようなものか、創造の秘訣などについて、文献から学んでください。特に、物語をつくるときに、先が見えないなかで時間展開を追いながら書いて/描いていくという「つくり方」について意識的に読んでみてください。

  • 村上春樹の解説本は絶対読まない(過去に何度か読んで後悔したから)が、これはインタビュー集なので読んだ。
    最初に読んだ小説が何だったか全く覚えていないが、かなり初期の小説が書かれた時代のインタビューもあり、なかなか懐かしかった。
    自分の読書史を辿っているような感覚があった。
    年齢的にも近いものがあるせいか、「思えば遠くへ来た」ものである。
    考えてみれば、ストーカー的に、氏の作品は「そうだ村上さんに〜」シリーズも含めみんな読んでるようだ。
    ノーベル文学賞を取れなくて、残念だったけどちょっとホッとした。何でかな?まだまだ、先は長いぞ、と思いたいからかも知れない。

  • インタビューの困った点のひとつは、しょっちゅう同じ質問をされることである。人が興味を持つポイントはだいたい決まっているものだから、それはまあ仕方ないといえば仕方ない。それに対してこちらがそのたびに、目先を変えたカラフルな回答をできればいいのだろうが、普通の人間にはそんな器用な真似はなかなかできない。僕はそういう面ではただでさえ器用な方ではないし、僕の考えていることはもとよりひとつしかないのだから、洋服を着替えるように、あるいは壁の色を塗り替えるように、次々に回答を取り替えるわけにはいかない。だからいくらか表現に変化を持たせたとしても、同じ質問にはだいたい同じような回答が返されることになる。

  • 2014年49冊目。(再読)

    村上春樹のインタビュー集(1997〜2009)。
    再読だけどやはり面白過ぎる。
    作品も面白いけど、その創造過程やそれに対する哲学が、
    創造的な活動をする人なら本当に楽しく読めると思う。
    文庫版が出ていて、「〜2011」になっていたので、
    今回再読するならこっちを買っておけば良かったと後悔している(笑)
    とにかくこの本は心からおすすめ。
    ====================
    2012年40冊目。(2012年6月24日)

    すさまじく面白かった。
    著者の小説は「海辺のカフカ」しか読んだことはないけど、
    読み終わった後のあの独特な「未回収感」の正体が分かった気がする。

    自ら井戸の底の暗闇まで降りて行って、危険なその闇を描写するけど、
    あくまで解釈は読者に委ねるスタンス。
    その「未完成性」「空白感」が読者を前のめりにさせるんだと思う。
    優れた芸術作品に共通することは、そのようなある種の読者・見学者への信頼だと感じる。
    (久石譲さんも、「説明過剰な音楽にならないこと」を意識されていた。)

    それと、著者本人も書いている時はストーリー展開が分かっていないというのは面白い。
    パッと浮かんだワンシーンやフレーズから、「この先どうなっていくんだろう」と読者と同じ感覚で筆を進めていく。
    考え込まれた余計な解釈が入らない要因は、そこにもあるのだろうと思う。

    マイペースかつストイックな仕事や人生へのスタンスもとても魅力的だった。
    自分自身も周りのペースに合わせるのを苦に感じる人(最近気づいた)だから、
    自分の力が一番発揮される「自分らしいペース」を大切にしたい。

    著者の作品全部読みたくなったし、この本もまた読み返すな~

  • インタビューとかエッセイとかそういった小説作品以外で読んだはじめての作品。物語の役割について丁寧に語っているのが印象的だった。twitterやらでついつい共有したいしたい病に陥っている気がする昨今(これ書いてること自体がそうだけど)そういった細切れの時間を生きるのも大事だけど、もっと深く深く自分の中や物語の中に入っていく時間を持つことの大切さを教えられた。ときには井戸の中に入りましょう。

  • 批評家の方のレビューを読んだりすると、「うわぁ、そういう見方があったのか」と驚かされたり、よく自分の思考の浅はかさに落胆したりしてしまう。

    でもこの村上春樹のインタビュー集は、「あ、やっぱり単純に面白がったり、謎を謎のまま捉えてしまってもいいんだな」と不思議な自信を与えてくれた。

    これでまた小説を楽しく読めそうだ。

    また、小説家として、一人の人間としての社会に対する責任感は、いろんな意味でこの人を支える一つの柱なのかも知れないとも思った。

    インタビュー集という性質上、何回か同じような質問に答えていたりするのだが、そこはご愛嬌。

  • 村上春樹のインタビュー集。

    タイトルの「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」という言葉に、村上春樹の小説家人生の全てが詰まっている。彼は物語というものを心の底から愛している。人生の全てを創作活動に捧げており、その姿はあたかも聖人のようだ(彼は間違いなく否定するだろうが)。そして、多くの人の心を揺さぶろうと、心の奥底に深く沈みこみ、丹念に、長い時間をかけて文章をつむいでいくのだ。そのあまりに誠実な生き方が、世界中で愛される作品を生みだすのだと、この作品を通じてよく分かる。

    こんなにつまらない自分でも、心の声に従って素直に生きていこうと、そう思える素晴らしい一冊。

  • ここ数年、英語の文章をまずタイプで打ってから、一行一行訳すということを続けている。英語というものは、結局、そんな精読でしか読めないし、読む意味もないような気がしているからだ。こんなことをやっていると猛烈に時間がかかるのだが、じっくりと読んでいくプロセスで、身体の中に、刻印されるものがある。これは読み流すだけでは決して得られないものだ。

    この方法だと、長年、懸案の英語での文章力というものにも何がしかの影響を及ぼすだろうという実利的な思惑もあるが、本当のところは、この作業をしているときの感じが好きということが大きい。

    日本語の文章でこんなことをしようとは普通は思わない。ただ村上春樹の文章を読んでいると、そんな気分にさせられる。

    村上春樹を読むというのは、ぼくにとっては、英語を一行一行タイプしてからじっくりと精読することに似ている。結局、ぼくは彼の文章と、そこから生まれる呼吸やリズムが好きなのだ。

    1997年から2009年までに村上春樹が応じたインタビューを集めた、「夢をみるために毎朝僕は目覚めるのです」を読んだ。

    80年代にニューヨークのある集まりで聴いた老作曲家の弾き語りの声を思い出した。ちょっとしゃがれた声で、「晴れた日には永遠が見える」を歌った。彼の名はバートン・レインという。ぼくのテーブルの隣に座っていた、大手弁護士事務所のユダヤ人のパートナーは、理由はわからないんだが、作曲家が歌う声が好きだ、それは、皆どこか似ていると呟いた。

    村上春樹の語り口にも、それと似たところがあるような気がする。

    インタビューの中には、物語の使命、自分のライフスタイル、翻訳という行為の意味、レイモンド・カーバーや、フィッツジェラルドなどへの思いなどが溢れている。

    その中で一番印象に残ったのは、やはり、有名な彼のライフスタイルだった。

    毎朝4時ぐらいに起きて6時間程度、小説を書き、その後、10キロぐらいランニングをしたり、水泳をし、そのあとは、音楽を聴いたり、読書をしたりして、9時ぐらいには就寝する。

    小説を書くこと、物語を自分の心の奥底から掘り起こす、肉体労働者、アスリートとしての規律が心地良い。

    そしてその規律を守ることによって達成しようとしているもの。それは物語の果たす役割の追求に対する純粋な信頼である。

    オウムという経験に真剣に向かい合った村上は、若い人々の中の理想主義的な側面をまがりなりにも受け入れるシステムがカルト以外に見当たらないという状況を憂えている。

    善い物語というものが、こういった理想主義が邪悪なものに絡め取られないための査定基準なようなものになるのではないかと村上は考える。

    《もしその物語が正しいものであれば、それは読者にものごとを判断するためのひとつのシステムを与えることができると僕は考えます。何が間違っていて、何が間違っていないかを認識するシステム。僕は思うんだけど、物語を体験するというのは、他人の靴に足を入れることです。世界には無数の異なった形やサイズの靴があります。そしてその靴に足を入れることによって、あなたは別の誰かの目を透して世界を見ることになる。そのように善き物語を通して、真剣な物語を通して、あなたは世界の中にある何かを徐々に学んでいくことになります。》

    世界の光と闇を含む深い物語を自分の心の地下室の中から掘り出すという力技を続けるために、彼は「勤め人」のような規則的な生活を続ける。

    そんな生き方が、正真正銘の勤め人のぼくたちの心をとらえて離さないのだろう。

  • 村上春樹が一貫してインタビューに応える言葉がぶれないということは彼が本を書き始めてからその真摯な態度が変わらないということだろう。
    読者としては彼の伝えようとしているものが何か、もっと深く知りたいと思う気持ちが募るので彼の語る言葉をもっと聴きたいと思ってしまう。そういう意味での満足感の得られる本。

    また、時代とともに彼が取組んできた課題が作品としてどのようにして書かれたかを知ることができた貴重な機会でもある。
    個人として自分が何をなしうるか、あくまで個として追い求めている彼が、何も考えず、人の中にある暗闇に頼ることが楽でかつ危険であることを訴えたかったことを再認識。
    更に、批評家より読者を大事にする姿勢と自由に本を楽しんでもらいたいという素直な気持ちもよくわかった。
    彼の言う、物語の意味や、読書歴による作家への考察など、どれも興味深かった。


    自分は何をすべきか与えられた才能は、日々磨き続けなければいけない。健全な肉体にしか、不健全なものも受け入れられないのだと言う彼の言葉が心に残った。

    正直最初のいくつかのインタビューは直ぐに言葉が心に響かず、何度も良い直した。それは私が初期の作品のストーリーを忘れているせいでもあるが。徐々に彼の言葉や思想に慣れてきて面白くなってきた。
    また、まだ読んでいない短編があったことにも気付き、過去の作品も再度読み直してみたくなった。

  • 濃密なインタヴュー集。『風の歌を聴け』から順番に読み返したくなった。ドストエフスキーや春樹さんの翻訳物にも手を出したくなった。『1Q84』は盛り沢山な印象を持っているのだが、その理由が垣間見えた。ああ、読者の身でも「時間が足りない!」と思うくらいだから・・・。装丁も素晴らしいと思う。

  • 正直、僕は村上春樹の良い読書ではない。最近は小説は読まず、エッセイ集ばかり好んでいるからだ。 『ノルウェイの森』以来どうも苦手になってしまった。苦手になって23年、好きだった時が8年位。
     高2の時に『1973年のピンボール』を読み、それから『風の歌を聴け』を読んだ。『羊をめぐる冒険』は高3か浪人の頃。当時は本当に好きでIn Pocketまで楽しみにしていた。同時期が『中国行きのスローボート』で、大学1年2年の頃に『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』。
     『蛍、納屋を焼く その他の短編』の『蛍』は本当に美しいと思った。今、読んだら、どう思うかは分からない。濃密なのに水彩で仕上げたかのような感じに惹かれたのだと思う。 その後の作品は殆ど記憶がない。全てではないが、かなり読んでいるにも関わらず。不思議だ。
     忌野清志郎が亡くなった時に、誰かが『シングルマン』を絶讃していた。ミュージシャンや小説家は最新作ではなく、彼のキャリアの内で早い時期の作品ばかり評価されたら嫌だろうな、と僕は思う。 デ・キリコの晩年の斗いは素晴らしく美しく思う。
     村上春樹のインタビュー集を読もうと思ったのは一つには、それが小説ではないから。もう一つには、どうして苦手になったか知りたいから。 では分かったか? …音楽と走ることについて書かれている部分ばかり読んでいるのだから、分かる筈がない(笑)

  • 村上春樹さんのインタビュー集。
    読み応えがあり、たくさんの刺激をいただきました。

    「いくつかの痛みを経験し、恐怖をくぐり抜けなければ本当の成長はない」
    という言葉が印象的でした。
    痛いのは、怖いのは、必要な経験なのですね。
    励まされました。

    私にとって、きっと、これから何回も読み返していくことになるであろう一冊です。

  • とても丁寧に言葉を語る人だと思った。安易に自書の解説に陥るのではなく(そもそも解説することが不可能と著者は語っているが)物語に対する村上の考えが丁寧な言葉で語られている。村上にとって「アンダーグラウンド」以降「システム」や「悪」というものがキーワードになって物語が紡がれているが、それをいかにフィクションという形式を通して直接われわれに伝えようとしているかが伝わってくる。地下2階にあたる意識の層を、物語というメタファーを通して共有できるということはとても幸福なことだと思った

  • 2023年1月30日読了

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。『風の歌を聴け』(1979年)で群像新人文学賞を受賞し、デビュー。『羊をめぐる冒険』(1982年)で野間文芸新人賞受賞。『ノルウェイの森』(1987年)がベストセラーとなる。海外でも高く評価され、2006年フランツ・カフカ賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞を受賞。その他受賞多数。

「2016年 『村上春樹とイラストレーター 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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