夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2262
レビュー : 225
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163731001

感想・レビュー・書評

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  • 1Q84 Book1~3の2回の読了後、楽しみに読みだしたはずが、村上ワールド一色はムリと感じ約5年もたってやっと今、読了。(その間に色彩のない-や女のいない-は読んだが)
    これを読んで、今までの長編小説をもう一回読もうと思った。
    村上氏の話す事柄は人として生きるための良き心の在り方の指針となるように思う。村上氏は執着のないクールで、どろどろしたものから遠い、感情的にならない都会の人という印象があるが、違うみたい。 村上氏の言葉に感激しながら読んだ。

    「健全な肉体に不健全な魂」というのには深く共感。わたしも芸術家は身体的に健康であってほしいと願う。ニコチン中毒の作品に触れるのはノーサンキューと常々思っているので、

    目覚めながら夢を見ているっていうのは、村上氏は書いている内に知らず、瞑想してるんだなと思う。

  • 村上春樹の解説本は絶対読まない(過去に何度か読んで後悔したから)が、これはインタビュー集なので読んだ。
    最初に読んだ小説が何だったか全く覚えていないが、かなり初期の小説が書かれた時代のインタビューもあり、なかなか懐かしかった。
    自分の読書史を辿っているような感覚があった。
    年齢的にも近いものがあるせいか、「思えば遠くへ来た」ものである。
    考えてみれば、ストーカー的に、氏の作品は「そうだ村上さんに〜」シリーズも含めみんな読んでるようだ。
    ノーベル文学賞を取れなくて、残念だったけどちょっとホッとした。何でかな?まだまだ、先は長いぞ、と思いたいからかも知れない。

  • 2014年49冊目。(再読)

    村上春樹のインタビュー集(1997〜2009)。
    再読だけどやはり面白過ぎる。
    作品も面白いけど、その創造過程やそれに対する哲学が、
    創造的な活動をする人なら本当に楽しく読めると思う。
    文庫版が出ていて、「〜2011」になっていたので、
    今回再読するならこっちを買っておけば良かったと後悔している(笑)
    とにかくこの本は心からおすすめ。
    ====================
    2012年40冊目。(2012年6月24日)

    すさまじく面白かった。
    著者の小説は「海辺のカフカ」しか読んだことはないけど、
    読み終わった後のあの独特な「未回収感」の正体が分かった気がする。

    自ら井戸の底の暗闇まで降りて行って、危険なその闇を描写するけど、
    あくまで解釈は読者に委ねるスタンス。
    その「未完成性」「空白感」が読者を前のめりにさせるんだと思う。
    優れた芸術作品に共通することは、そのようなある種の読者・見学者への信頼だと感じる。
    (久石譲さんも、「説明過剰な音楽にならないこと」を意識されていた。)

    それと、著者本人も書いている時はストーリー展開が分かっていないというのは面白い。
    パッと浮かんだワンシーンやフレーズから、「この先どうなっていくんだろう」と読者と同じ感覚で筆を進めていく。
    考え込まれた余計な解釈が入らない要因は、そこにもあるのだろうと思う。

    マイペースかつストイックな仕事や人生へのスタンスもとても魅力的だった。
    自分自身も周りのペースに合わせるのを苦に感じる人(最近気づいた)だから、
    自分の力が一番発揮される「自分らしいペース」を大切にしたい。

    著者の作品全部読みたくなったし、この本もまた読み返すな~

  • 村上春樹のインタビュー集。

    タイトルの「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」という言葉に、村上春樹の小説家人生の全てが詰まっている。彼は物語というものを心の底から愛している。人生の全てを創作活動に捧げており、その姿はあたかも聖人のようだ(彼は間違いなく否定するだろうが)。そして、多くの人の心を揺さぶろうと、心の奥底に深く沈みこみ、丹念に、長い時間をかけて文章をつむいでいくのだ。そのあまりに誠実な生き方が、世界中で愛される作品を生みだすのだと、この作品を通じてよく分かる。

    こんなにつまらない自分でも、心の声に従って素直に生きていこうと、そう思える素晴らしい一冊。

  • 村上春樹さんの、インタビュー集。
    この間の作品にどのような姿勢で臨んだのか等、とても興味深く読みました。
    それにしても、村上さんの言葉は、私の中にすごく浸透してくるのですよね。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「すごく浸透してくるのですよね。 」
      インタヴュアーが村上作品を読み込んでるのが伝わってきて驚きました(翻訳されても劣化しない)。そして村上...
      「すごく浸透してくるのですよね。 」
      インタヴュアーが村上作品を読み込んでるのが伝わってきて驚きました(翻訳されても劣化しない)。そして村上春樹が書くコトや人生を楽しんでいる感じがよく判って良かったです。
      私は今、早く「雑文集」が文庫にならないかなぁ~と待っているところです。
      2013/04/02
    • あやごぜさん
      「雑文集」も良いですよね。
      あの表紙が何気に好きでした。文庫化されると良いですね。
      「雑文集」も良いですよね。
      あの表紙が何気に好きでした。文庫化されると良いですね。
      2013/04/03
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「あの表紙が何気に好き」
      判ります!
      村上春樹の本以外では多分有り得ない(と思う)豪華さですね。和田誠(ネズミ)+安西水丸(ウサギ)
      「あの表紙が何気に好き」
      判ります!
      村上春樹の本以外では多分有り得ない(と思う)豪華さですね。和田誠(ネズミ)+安西水丸(ウサギ)
      2013/09/02
  • 濃密なインタヴュー集。『風の歌を聴け』から順番に読み返したくなった。ドストエフスキーや春樹さんの翻訳物にも手を出したくなった。『1Q84』は盛り沢山な印象を持っているのだが、その理由が垣間見えた。ああ、読者の身でも「時間が足りない!」と思うくらいだから・・・。装丁も素晴らしいと思う。

  • とても丁寧に言葉を語る人だと思った。安易に自書の解説に陥るのではなく(そもそも解説することが不可能と著者は語っているが)物語に対する村上の考えが丁寧な言葉で語られている。村上にとって「アンダーグラウンド」以降「システム」や「悪」というものがキーワードになって物語が紡がれているが、それをいかにフィクションという形式を通して直接われわれに伝えようとしているかが伝わってくる。地下2階にあたる意識の層を、物語というメタファーを通して共有できるということはとても幸福なことだと思った

  • 抜群に面白いです。村上春樹という人は、小説も抜群ならばエッセイも抜群なのですが、インタビューを受けているだけでもホンマに抜群に面白いですね。何故に、彼の言葉に、これほどまでに惹かれるのだろうなあ。不思議だなあ。マジ不思議。インタビューされているだけなのに、インタビュアーの質問に答えているだけなのに、こんなに面白い作品になっちゃうなんて。なんなんだろうなあ。本当に凄いよなあ。

    読んでいて、自分として、うーむ、そうだそうだ、と思ったのは、村上春樹の言葉は、元プロ野球選手のイチローの言葉と似てるなあ、ってところです。

    村上さんも、イチロー氏も、インタビュー受けていて、とある質問されて、その質問に対して、村上さん自身が、イチロー氏自身が、思う所の意見を、投げ返す時の感じとか言葉の使い方とか雰囲気とか、うおお、なんかソックリやん、って感じたのですね、僕には。

    村上さんの言葉もイチロー氏の言葉もインタビューで答える言葉それ自体が、なんだかもう、名言だらけだよね、って感じも似ている気がしますし、お二人の、めっちゃんこストイックな所とか、あくまでも基準は自分自身の中にあるのです他の人にはどないも左右されないんです、みたいな、圧倒的な自分自身に対する(なんらかの)信頼感みたいなもの。自分という存在そのものに対する、限りなき追求、みたいなもの。似ている、、、気がする。

    そして、それでいて、圧倒的に自分という存在に興味がありつつも、村上さんは、小説という存在を本当に大事に思っているんだろうし、イチロー氏は、野球という存在を本当に大事に思っているんだろうし、お二人のそんな姿勢が、なんというか、ホンマ素敵。素晴らしい。そんな事を、感じたのです。

    村上春樹は、プロ野球人としてのイチローの活動の軌跡、その残してきた記録などに、興味はあるのでしょうかね?イチローは、村上春樹の小説を読んだり、するのでしょうかね?あんま、お互いそれぞれ、相手の事は、気にしてないのでしょうかね?どうなんだろうなあ。すげえ、気になる。

    いつの日か、村上春樹とイチローが対談する機会とかあったりしたら、ものすっごくその会話の中身、気になりまくりですね。めっちゃんこ面白い対談になるんではないかなあ?

    まあとにかく、ホンマに面白いインタビュー集であり、読んでいる間、頭の片隅には、常にイチローの存在も意識しちゃいながら読んだのだった。そんな作品でしたね。折に触れ、再読したい作品です。

  • ご自身の著作の話、創作の技法や心構えなどから、著者自身はちょっと本意ではないようなのですが、著作の内容に関する質問への答えなども収録されています。また、数多くの翻訳の中から、とくにレイモンド・カーヴァーに関する内容のものが一つの章を割いてありますし、そのほかにも言及があります。村上春樹さんは、非リアリズムの作家でありますが、『ノルウェイの森』では唯一リアリズムの手法を試して成功させ、その技法に自信を持ち、たぶんに、その経験をも、その後の非リアリズムの作品に活かしているのではないだろうかと思います。彼が翻訳を手掛け、敬愛もしているレイモンド・カーヴァーはリアリズムの作家だとされているし、古い小説家のフィッツジェラルドもその手に分類される作家のようですし、村上さんと同じように分類されるマジックリアリズムの作家にはあまり興味を持っていないようなんです。自分にないもの、自分と違うタイプのものを好む傾向は、きっとそこから学べるものが大きいからなのかもしれないですね。「井戸」だとか「地下室」だとかという比喩を用いながら、彼の作りだす不思議な物語、世界、キャラクター、ストーリーの流れなどを説明しています。そして、その説明の言葉そのものがもはや読み物と化していて、読み手はぐぅっと惹きつけられながら、まるで村上春樹という小説家を主人公とした物語の断片を読んでいるような気にすらさせられました。

  • 自分の小説について、自分の作家としてのあり方について、これほど分かりやすく的確に説明できる人が他にいるだろうか?
    村上作品は好きで小説もエッセイもわりと読んできたけれど、このインタビュー集を読んで、作品それぞれにその時点での「テーマ」や「新しい取り組み、手法」が意識されていることを知った。
    それと同時に、村上作品に共通する部分や繰り返し語られるテーマについても、村上さん自身の言葉な聞くことで「ああそういうことだったのか」と納得できる。自分が村上作品のどこに魅力を感じているのか、言葉にしてもらったという感じ。(作者の言うことだから正解だというわけではなく)

    読んでいる間異世界にトリップする感覚、不思議な旅をする感覚、というのは読書の一番楽しい体験だと思う。村上春樹は1人の本好きとして本を愛していて、ファンタジーをリアルに感じることの出来る小説を書こうと模索し続けている。そんな姿勢が感じられるインタビュー集だった。

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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